軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国、デモを警戒

チェニジアから始まった「民主化要求デモ」は、インターネットと携帯電話という文明の利器によって、燎原の火のように広がりつつある。

産経新聞から≫

中東に油を依存する我が国は、今後の情勢に十分注意する必要があろう。


ところで岡崎研究所の仲間である吉崎氏は、経済的観点から過去をとらえて、次のような理論を提示したことがあるが、さすが経済専門家らしく、数字が明確に世界の動きをとらえていたから感心した。
軍事と外交とは密接な関係にあるが、経済とは切っても切れない関係にあるのだ。私はこれを「吉崎理論」として将来予測に使わせてもらっているのだが、2011年の?が、私が危惧した中台紛争ではなく、この「民主化騒乱」であったと気が付いた。


≪私の講演資料から≫


強権を発動して国を牛耳り、自己の利益ばかりを追求してきた一族や独裁政権の滅亡が始まったといえる。「民主化」とは欧米諸国の表現だが、積もり積もった憤懣の爆発というべきだろう。

特に未来を生きねばならない若者たちに働き口がないということは、何のために勉強してきたのか!という絶望感で目の前が暗くなるから、いわば「ヤケノヤンパチ」になりかねない。もちろん、言論の自由要求がそれに拍車をかける。
古来から「欲望と恨みが戦争の卵」だと言われるゆえんである。

中国の温家宝首相が「保八(GDPの伸び率8%を維持せよ)」を厳命した時、地方政府は唯々諾々と≪統計上の保八≫を維持した。そして今や世界第2の経済大国だという。

なぜ「保八」なのか?山東大学の経済専門家たちと討議した時私は「8%維持できないと大学新卒生の就職が確保できず、就職できない若者たちの不満が高じ、天安門事件が危惧されるからだろう」と質問した。特にこの国は「一人っ子政策」をとっているから失業は直接家族に影響する。


所長はいろいろ言い訳していたが、参加した若い学者たちの反応は、私の説が的を射ていることを証明していた。わが国でもそうだが「大学は出たけれど…」の空しさは、言葉では言い表せない怒りを内在させるものである。しかも体力あふれる若者だから、行きつく先は目に見えている。その昔、安保闘争でも大学生たちが暴れたし、政治の無能で経済危機が襲った時には青年将校たちが武器を持って立ち上がった。


為政者の大事な仕事は、後を継ぐこれらの若者たちに将来設計ができる夢と希望を与えることなのだ。それができないから若者たちが麻薬におぼれ、不健全な社会に流れていくのだ。
彼らに言わせると、「国政選挙に限らず、地方選挙も馬鹿な候補者の就活に過ぎない」と切り捨てる。つまり質の悪い議員を国民の税金で養っているのが今の選挙制度だというのである。確かに一面をとらえていると思う。自分らの歳費は切り詰めず、国民のための大事な事業を仕分けする姿がそれを示している。


チェニジアから始まった「民主化」の炎は、やがてそのような若者たちを痛めつける政治体制のアジア諸国も襲うであろう。わが国のシーレーンと重なる中国も油とともにデモが入ってくることが心配でならないだろうが、これは時間の問題、おそらく避けられないと思う。その時「日中友好」を唱える我が国はどうするか?


昨日の国会中継を見ていて、旧態依然とした金の亡者たちの慌て振りが面白かったが、こんな時代遅れの集金政治家が我々国民の頭上にはびこっていられるだけ日本は≪平和≫なのかもしれない。
しかし、早く大掃除しなければ「ジャスミン」の香りが永田町にも漂うことになりかねない。真面目な国民の怒りが沸騰する前に、菅さんが気が付けばいいのだが…


≪中国のシーレーンと海運拠点≫
≪インターネット情報≫

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