軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

3・11は時代を変えた

≪最初にお断りしておくが、コメント欄が「承認制?」になったことを気にしている方がいる。これはKJ君のコメントが日に60通以上も届き、いちいち削除する時間が無駄なのでこの方式を推奨されただけ。異論反論は大歓迎、彼のような日本人に対する誹謗中傷だけを削除するシステムだと御了解いただきたい。≫


12日土曜日の午後、靖国神社で兵法研究会主催の「国防講座」で開戦秘話をお話ししたが、絶好の紅葉狩り、七五三のシーズンなのに会議室は熱心な方々でいっぱいだったので恐縮した。
第一回「終戦秘話」、第二回「特攻秘話」、そして今回は「開戦秘話」と、大東亜戦争を逆順にお話ししたことになるが、いずれにせよこの戦争の真実は、いまだに解明されていないといってよかろう。つまり、戦術的考察資料は世に氾濫しているが、「国家戦略的観点」に立ち、それから教訓を得て次に備え様とする風潮は聊か欠けていたように思う。
例えば12月7日(現地時間)、ワシントンの日本大使館では何が行われていたのか?
どうして対米通知が1時間以上も遅れ、ルーズベルトに≪卑怯なだまし討ち!≫と利用される結果になったのか?
その外交上大失態を演じた責任者はその後どうなったのか?
陸軍は対ソ戦に備えて80万に及ぶ大軍を満州に集結する「関特演」を発令していたのに、海軍は真反対の「真珠湾」攻撃を敢行したのな何故か?などなど、ほとんど反省されないまま、強靭な戦いをつづけた日本軍憎し!という感情露わで理不尽な連合国側に、我々の指導者達を“戦犯”として処刑させたのか、私にはわからないことが多すぎるので、古い資料を引っ張り出しては整理しているだけ、講座はその途中経過報告に過ぎない。

間もなく70年目の12月8日を迎えるが、日本人は少し反省してみたらどうだろう。


ところでこのところ今まで国民の目から“隠されてきた?”事象が次々に浮かび上がってきている。大王製紙オリンパスの不祥事は、一民間企業という問題ではなく、日本企業、いや国全体の信用に悪影響を及ぼしつつある。
オリンパスなどこんな児戯に瀕した隠し事をよく長年隠しおおせてきたものだと、別の意味で“社内守秘義務の見事さ”に感嘆する!

官庁もそうで、海上保安庁通産省の高級官僚たちの“反乱?”が次々に話題になっている。「やむにやまれに大和魂」とでもいうべきだろうか?

そこへ読売巨人軍内の反乱?が飛び出した。プロ野球界でただ一つ「軍」という呼称が付く球団だから、その年老いた総帥はヒトラー並みに統帥権を握って離そうとしないらしい。
コンプライアンスだか何だか知らないが、素人の私が見る限り「読売巨人軍」はスポーツ界のサラブレッドじゃなく、新聞拡販のための広告塔じゃないのか?
純粋なスポーツだと思っている子供たちに悪影響を与えないか心配である。


今頃表ざたになっているが、民主党大臣のいかがわしい会社の広告宣伝行動だが、彼は野党時代から他の「巨頭」たちと共に立派な広告塔を務めていた。当時の同社のポスターや宣伝誌のグラビアなどを見るがよい。そんなことは業界関係者は元よりメディアだって皆知っていたはずだ。こうして彼らの悪行は黙認され、うまい汁を吸い続けてきたのだが、その裏には各界互いに利益をむさぼりあうさもしい利益共同体関係があったのだ、というべきだろう…
つまり暴力団よりもいかがわしい“闇の世界”をとり仕切る関係が…


こうして今まで社会に巣食う「巨悪」は隠し続けられうまく生息してきたのだが、3・11を機に世界は大きく変わりつつあると思う。
しかしそれが旧態依然とした日本の政治家達にはまだわかっていないらしい。


福島原発放射能探知に、市民団体が大活躍?しているようだが、「核兵器」の民間型である『原子炉』は、各国とも軍が厳重に管理してきたものである。
核分裂を制御できると自信を持った科学者たちが、冷戦時代に潜水艦、空母など、化石燃料では限界がある航続性能を画期的に改善し、タービン駆動用に応用したのが原子炉であり、それが「平和利用」されてきただけである。
軍事音痴のわが国では、この核分裂制御システムを単なる「原子罐」程度の認識で軽易に取り扱ってきたのではないか?蒸気機関車の罐のように…
そんな軍事無視のわが国では、危険物を作る方も扱う方もその点の認識は非常に甘く、原発反対論者たちもただただ「何でも反対」と感情的になるだけで、双方の建設的意見が冷静に交換されたことはまずなかった。

≪これが原子炉の始まり・核弾頭。米国は解体中である=インターネットから≫

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早い話、政治家たちは企業と“連携”して、カネと票になればそれでよく、沖縄同様金で口封じしてきただけではなかったのか?それが今回の「想定外の自然災害」で破たんした。

米国においては「9・11」、わが国においては「3・11」、私にはこの日を境に旧態依然とした「悪の世界」は暴露され始め、新しい「光の時代」に突入したように思われる。少なくとも米国と日本では「ものの考え方が大きく変わる節目」になった様に思う。


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震災からすでに8か月が過ぎたが、政治家たちの行動は元の木阿弥、口先だけで己の政治生命を維持しようと躍起なように見える。

時代は着実に変化しつつある。その変動の中で、いかに日本国が生き延びるか、という国家生き残り戦略を構築すべきだろう。
そんな混迷の中で、今上陛下だけは心を痛めておられ、病の床に就かれている。身を国家にささげる股肱の臣がいないのが戦後日本の不幸であろう。


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