軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

金正日死亡

私が勝手に2012年危機と称している来年の世界的指導者交代期は、1月の台湾総選挙から始まるとしてきたが、ここに至って突如「金正日死亡」が報じられ、幕が開いた形になった。
2012年は、台湾、欧州、半島、ロシア、中国、米国など、主要国の指導者交代時期にあたる。その中でも一番身近で、緊張感を持って対処しなければならないのが「半島」の中の北朝鮮であった。
金正日重病説は、彼が倒れて以来継続されていたが、それを隠蔽するかのように各地を訪問していたから、案外丈夫そうじゃないか、などという楽観説が流れていた。

その反面、影武者が多い彼のことだから、元気なのは影武者だという説もまことしやかに流れる始末だったが、さて、今回の公式発表では、その視察に向かう列車内で突如死亡したとされる。


暗殺か、過労か、それとも投薬の間違いか、はたまた看護不行き届きか…などなど、金日成死亡時のようなミステリー説が流れ始めているが、もともと秘密の国だからどれでもあり得るだろう。

問題は、この緊急事態下で28歳の若い後継者を誰が支えるのか、にある。28日に予定されているという≪葬儀委員≫の名簿が気にかかる。


それはさておき、多くの同胞が拉致されたままのわが国としては、この機に一挙解決に向かう戦略が望ましい。

拉致を命じた?(本人は部下が勝手にやったといったが)本人が死んだのである。拉致被害者の運命は、後継者の手にかかっているのだが、後継者とて拉致問題の詳細は知らぬだろうし、第一それほどこの問題が自分自身にとっての利益にはなるまい。お荷物にはなっても…。

ここで一挙に日朝間の“とげ”を取り去り、交流を始めるチャンスと見るのか、それとも相変わらずとげのままで放置するのか。これを機にこの問題を解決して、少しは日本国に「恩」を売ったほうが今後のためになるのじゃないか?

そのきっかけを作るべき28日の日本側の葬儀参列者としては、小泉、安倍の2002年9月訪朝代表が望ましかろう。
ただ小泉氏一人では心もとない。彼はあの時金正日が「拉致を認めた」とたん、なぜか絶句して何らとるべき処置をとらず、今まで大きな禍根を残したままだったからである。

この問題の全体像をつかみ、家族たちの気持ちも十分把握している安倍氏は、当時よりも経験を積んで首相も務めている。何より若くて人柄がいいから、北朝鮮の若い後継予定者も親しみを感じるのではないか?


北朝鮮の後継者問題は、韓国国内情勢にも大きな影響を与えるだろう。一部の韓国民のように、ありもしなかった『慰安婦銅像』を立てて、いたずらに日韓間のトラブルを強調している場合じゃあるまい。


中国も、後継者問題でいよいよ暗闘が始まった。経済問題が冷えてきたこともあって、この国の後継者問題も予断を許さない。


ロシアでも“絶対優勢”を誇っていたプーチン大統領の再選もかなり困難になりつつあり、オバマ米大統領も、選挙で安閑とはしておれない状況になってきた。


2012年危機はすでに始まった。震災復興もままならないままのわが日本国の野田総理よ、危機に備える覚悟はできているか?
不適格大臣を何人も抱えたままの内閣では、なかなか強力な仕事ぶりは発揮できないだろうが、来年の国際情勢の一大変化は、日本国、それも民主党のお家の事情などかまってはくれないことを知ってほしい。
もっとスピード感を持って国家安全保障を中心に据えた任務にまい進することを野田内閣に要望したい!

金正日は日本人だった

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