軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

北京市崩壊か?

今朝の産経は一面トップで「北(朝鮮)、国境で親中派がり」と報じた。とうとう始まった!
その昔、ソ連と中国は“一枚岩”だと日本のメディアは報じていたが、実は5000キロに及ぶ国境地帯では激戦が続いていたのだ。例えば「珍宝島(ダマンスキー)紛争」である。
ひどい時は連隊規模の激戦が起き、双方に多くの死傷者が出たが、ソ連兵の母親たちが、死体となって戻ってくる息子を見て嘆き悲しむ様子が、欧州ではニュースになっていた。
アフガンに介入したソ連軍もついに敗退して、多くの青年が犠牲になったが、今、ソチ五輪でもプーチン大統領は軍の警護の元で五輪を開かざるを得ない立場に追い込まれているが、コソボ紛争などでソ連兵が残虐の限りを尽くした「倍返し現象」なのである。

これに似た現象は中朝国境でも起きていた。しかし何故か日本のメディアは中朝は血の盟友だとして一向に真実を伝えようとしなかった。
血の盟友どころか、朝鮮戦争開始をめぐる当時のスターリンと、毛沢東の虚々実々の駆け引きは日本人には想像できない汚い取引だったのであり、両者とも金日成を信じてはいなかったし、金日成も双方からの軍事力支援が欲しかっただけだ。

その後、この金日成の「反中精神」は金正日にも引き継がれ、表面上友好関係にあるように演じてはいたが、実は心から嫌悪し合っていたのだ。

シナに常駐する日本人記者たちは、昔の日経新聞の鮫島記者の様になりたくないので、シナに都合の良い記事しか書かない。勇敢だったのは産経の古森記者くらいじゃなかろうか?彼は柔道の大家だったせいもあったからか、北京訪問時に会った時も、北京政府の監視をものともせず、平気で出かけてきて本音の話をしてくれたものだ。


さてそこで今朝の記事だが、「北朝鮮朝鮮人民軍が中朝国境で警戒体制を強め、処刑された張成沢氏に代表される親中派の摘発に乗り出したもようだ。平壌のほか、国境都市でも「中国の犬狩り」と称した摘発が進み、3千人以上が追放されたという。一方、金正恩第1書記が「戦線を一本化せよ」と指示したとされ、米韓軍との対峙と同時に国内の「敵」摘発と対中警戒という“両面作戦”を迫られることへの焦りをのぞかせている」という。
記事には金第一書記が「中国の犬狩りを無慈悲に進めよ」と指示したとあり、国境の川から30m以内の家屋も撤去され、機関銃を備えたトーチカが配備されたという。今の日本の若者には「トーチカ」と言ってもピンと来ないだろうが、軍の初歩的な戦争準備であり、家屋を撤去したのは「機関銃の射界を確保するため」である。

以前ここに書いたが、これに対して中国人民解放軍は、最近、瀋陽戦区の約10万人を動員、戦車数千台を投入してこれに備えた。遂に中ソ国境紛争と同様な事態が、中朝国境周辺でも発生する公算が大きくなったのである。昔風にいえば明らかに中朝開戦前夜だということになる。何故か習主席はモンゴル国境の人民軍を視察に行っているらしい。後方を固める気か?
今後の双方の動きが見ものだが、中国の方は国内に依然として重大事態を抱えている。
江沢民らとの最終戦争はもとより、肝心の首都・北京が人口的に限界を迎えていて、崩壊が始まっているのである。そこで市民の5〜700万人を強制的に市から“追放”しようという計画が立てられている。


北京の市民生活を程々に保つ限界は、人口1600万人が限度だといわれているが、今や2600万人を超えてしまい、1000万人オーバーなのだ。
その上、空気は“毒ガス状態”であり、家の中でもマスクは離せないし、更に水も飲用に適さなくなった。
その結果、食料品は高騰しつつあり、しかも北京市は日本以上に高齢化が進んでいて、生産性に乏しいから、北京市の活力復活はほとんど期待できないという。


更に日本のような年金などという老後保障制度がないから、集金力に優れた役人・党員以外は生活できなくなりつつある。政府高官がほぼ全員、拝金主義に陥っていて金だけを信頼し人民を信用せず、着服した金を国外の安全な場所に移送する原因はそこにある。
勿論この国の人民は、社会保障なんぞ全く当てにしていないのであって、紙幣を「いざという時のために」金銀玉に替えて蓄財し、状況によっては身に着けて保管する。逃亡先で現金化するのである。紙幣なんぞ全く信用していない。だから戦場でも、支那兵は敵軍のみならず自軍の戦死者の口をこじ開けて金歯を集めるのだ。


そんな国だから、折角子供を育てても、成長すると大都会に金を求めて出て独立するか、小金をためて国外に去っていくから、残された老夫婦は“時間切れ”を待つだけになる。
一人っ子政策の矛盾はここに噴出していて、過去4億人もの胎児を始末したツケが出てきているのだ。
私に言わせれば、「水子の祟り」というべき現象だろう。こんな状態だから外国人は北京市からどんどん脱出しつつあり、国際的地位も下がりつつあるという。


そんな折、今シナで話題になっているのは、習近平の姉夫婦は大金持ち、胡錦濤温家宝も、息子と娘は金を持ち出して国外に住んでいる、という人民の怒りである。政府高官らの資産を公開した記者が逮捕されて厳罰に処せられる国柄だ。

≪先日、北京のCCTV中国語版国際“百家論壇”の番組で、アナウンサーの解説途中に突然「明太祖朱元璋18大大権独攬」というテロップが表示されたので、視聴者は皆驚いたが、これは習近平を指すのだ!といっているという。ちなみに朱元璋は中国の歴史上独裁者で暴君とされているが、それをなぜ出したのか?。中央電子台でも統制が効かない何かが起きている、とウォッチャー氏は言うのだが…≫

更に「解放軍報」と言えば、中国軍の機関紙であり、軍関連の記事を書いて食っているようなものだが、そのトップが6億元も着服していたことがばれてしまった!
軍も民も『拝金主義』で腐敗しきっているのだ。そんな「腐敗した党の軍隊」が、北の金将軍の軍と戦ったら、どちらもどちらだが、どんな結果になるのか興味深い。


1979年2月、トウ小平ベトナムに制裁を加えると称して侵攻し、「目的を達した」と称して引き上げたが、実は6万余の死傷者を出す敗北を喫していた事を隠していた。
今回も、北朝鮮に侵攻するとすれば瀋陽戦区の10万人が主力となるのだろうが、軍や党の高官はひと儲けするに違いないが、将兵は悲惨な目に遭うだろう。あるいは戦場で、金歯あさりするほか手がなくなるのかも!(北朝鮮兵が金歯をしているとは思えないが)


以前から北京の首都移転計画はあったが、それを待ってはいられなくなってきたので、700万人の移動計画が動き出したのだそうだが、いま、この700万人のどの階層を強制的に北京から追い出すか検討中だそうだから、下手をすると暴動が起きかねない。
30日から支那旧正月に入るから今のところ平静を保っているらしいが、はてさて、旧正月明けに北京で何が起きるか、そしてその先の中朝国境では何が起きるか?
予断を許さなくなってきた。


一方わが都知事選もそうだ。老人二人組の目算は大外れ、選挙前に“ぼくちゃん”は離脱するかも…


ところで25日土曜日は、靖国会館で開いている兵法研究会の国防講座を担当したが、神社は結構参拝者で混んでいた。講演会もほぼ満席で、南西方面の防衛行動に関心が高いことを感じさせられた。
その沖縄から恵隆之介君が駆けつけてくれたので、現地報告をしてもらったが、実情を知らない参集者たちは驚いたようだ。与那国島など離島にはかなり支那人の手が回っていて、政府の無関心ともいえる態度には不信感さえ覚えるという。札束でビンタを張る旧式な行政手法はやめるべきだろう。過去に学ばない関係者が多いのにはあきれるほかはない。
沖縄の混乱は、民主党から総理になった鳩山由紀夫にある。彼ほどいい加減な男は過去存在しなかったように思う。
国税が湯水のように浪費されたことについて、全財産でもって埋め合わせすべきじゃないか?徳洲会や佐川急便から借りなくとも、彼なら手元に十分持っているだろうに。

周辺情勢も沖縄も、かなり支那の手が回っていて予断を許さない。現在は、日中間の天王山を迎えているのだ。わが方は、首都をしっかり固めて、安倍首相の中国包囲外交を手助けしなければならない。
それができれば、東京と北京という、日中両首都決戦は間違いなく東京が勝利する。
崩壊しつつある北京と、インフラ整備など危機に備える十分な体制が進行すれば、わが東京都の方が圧倒的に有利になる。失礼だが、北京市民と東京都民では、生活レベルも民度も環境も、黄文雄氏が言うように大きく違っているからだ。
中朝国境で紛争が始まる前に、いち早く首都決戦で勝利しておきたいものだ。


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≪世界を「あっ!」と言わせた日本人:黄文雄著:海竜社¥1400+税≫
黄文雄氏はこういう。
「不況にあえいでも世界的な経済大国で、国際的な信用も高い。技術や情報のレベルは高水準で、社会的にも安定した超先進国、それが日本。
この国を作り上げた近代日本人の姿を振り返ることは、この国の未来を描く上での力強い羅針盤となるだろう」
都知事選ではその逆を目指すものも散見される。
ブログに北京は崩壊しつつあると私は書いたが、黄文雄氏は東京を首都とする日本を激賞する。
黄氏の言を謙虚に受け止めつつも、日本人はもっと自信を持っていいのではなかろうか?

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