軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

政党政治のたそがれ

都知事選の候補者がやっと出そろった。新旧取り混ぜて16人というから、選管は大変だろうが、大新聞はほとんど3人に絞っている。嬉しそうに演説する「ぶっ壊し屋」の元首相を入れると4人というべきか。

しかし、今朝の産経トップ記事の「各党の対応」図を見れば一目瞭然だが、既成政党の支援を受けていない、ボランティア候補者は田母神元航空幕僚長だけだということがよくわかる。


最初に名乗りを上げた宇都宮候補は、共産・社民党の推薦。舛添候補は、砂をぶっかけて飛び出した自民党と政権与党の公明党後出しじゃんけんの細川候補は、民主、生活、結いの党の支援を取り付け、おまけに「自民党をぶっ壊す!」宣言をした小泉元首相がバックにつくという、素人衆には理解できない構成である。
早くから手を挙げていた田母神候補は、都民よりも全国ネットの支持者からなる手弁当の応援団と石原前々都知事の友情出演で支えられているだけだ。

これを見ると、既成メディアが主役?の3人しか取り上げない理由もわかろうというもの、既成政党の支持がなけりゃ、この世界での当選は難しいのだし、偏向メディアの支持がなければ政治も経済も動かないのだ、この世を動かしているのは我々だ、という傲慢さが感じられる。
しかしもっとすごい状況が裏にあることを産経は書いている。それが5面にあるこの図だ。


≪小泉氏≫≪菅氏≫≪小沢氏≫の3人の立場を示した小見出しは実によく実相をとらえていると感心する。
上段には横に「華麗な陣容『呉越同舟』」とあるが、私だったら、「又又出てきた『魑魅魍魎』」と書いただろう。

自分のことしか考えない“選良”とは名ばかりの“政党依存症候群”患者は、若者たちに軽蔑されていて、だから投票率が年々下がっているのだ。
有権者の半分程度の投票率で、さらにその中の何割しか取れない者が“堂々と”当選証書を受け取るのだが、実は有権者の支持はほとんど“受けていない”ことに気が付いていないのだ。これが戦後民主主義の一大欠陥だと私は考えているのだが、投票に値する候補者がいないからとはいえ、投票所に行かない若者たちにも責任はある。こんな具合だから、外国人に投票権を与えようものなら、瞬時にして沖縄のようになる危険性があるのだ。


こんな歪な選挙の実情から一日も早く“脱皮”しなければ、日本の将来は危ない、と、老兵は死ぬに死ねない危機感を持っているのだが、そんなさなかに、目を見張るような希望を見出した。
スキージャンプの天才的な17歳の少女?の健闘ぶりはもちろんだが、今朝の産経にも思わず目頭が熱くなるような感動を覚えた。


まず、学生相撲出身の遠藤だが、初の大関戦で、敗れはしたものの、どちらが大関かわからないような見事な立ち合いだった。結果は3秒4で寄り切られたが、「立ち合い、逃げずにまっすぐ当れたことだけはプラスに考えられる」と勝負を自己分析しているところが素晴らしい。これが本来あるべき国技・相撲道であろう。
外国人力士の中には、日本人たるべき「道」を体得できず、横綱になっても「出稼ぎ事業者」的感覚から逃れられない者もいたし、格闘技で見世物になったものもいた。大相撲の人気が落ちたのは、こんな営利中心主義に陥り、本来求めるべき日本独特の≪道の修行≫を忘れたからだと私は思っている。

≪今後の活躍に期待している。産経から≫


ところでもう一つ、産経16面のこの写真である。
名門・ヤンキースに入団が決まった、楽天の田中投手である。私は野球には疎いが、彼の将来を高校生時代から「ハンカチ王子」と比較して見てきた。
彼は高校卒業と同時に野球界に入り、「王子様」は大学に進んで卒業後に入団した。
その間を通じて王子様には異様なほどの女性ファンが取り囲み、本来の野球そっちのけでメディアの話題になったが、田中投手は黙々と投げ続けていた。
その後気の毒にも王子様は体を壊し、この世界から遠ざかったが、田中投手は過酷なこの世界で最高の栄誉を勝ち取るまでに成長した。
その陰に、このような誠実謙虚な姿勢があったからではなかったか?というのが私の見立てである。

≪30分ほどの記者会見を終えた田中は、球場のスタンドに立ち、暮れなずむグランドに一礼した=23日、コポスタ宮城(中野久美子撮影)」とキャプションにある。この写真は産経以外には掲載されていないのじゃないか?これを撮った女性記者らしい目の付け所が嬉しい≫


我が国古来の武道精神は「礼に始まり礼に終わる」ものである。現役時代、私は部下と竹刀を交えつつ、それを教育してきたし、築城基地では120名もの少年剣士たちにそれを“強要”してきた。
今では教え子たちは大学教授や会社の研究開発者等に成長し、立派に社会貢献している。


大相撲は、古来神前にささげる神事である。土俵はあくまでも清らかで神聖な場所であり、両者は正々堂々と武器を持たずに力を競うものであり、優勝劣敗は己の努力と運に任される。
そんな神聖な場所で「賭け事」をするから天罰が当たったのである。
遠藤の心構えに感動したのも、自分を育ててくれたグランドを神聖な場所として、感謝の誠を捧げた田中投手も、日本人としての誇りを身に着けている証拠である。

このような高貴な精神は、異国人には“絶対に”理解できまい。


今朝は、魑魅魍魎がうごめく、薄汚い政治の裏側と、既成政党という「個人の意思を無視した」旧態依然とした組織票に期待する古い職業政治屋達の哀れな姿を見た後で、前頭十枚目の遠藤と、勇躍、異郷の地に旅立つ田中投手の写真を見て、時代は変わりつつある、若者たちが自覚しつつある、と心強く感じた。
きっと二月の都知事選でも、自覚した若者たち(メディアは彼らを浮動票と呼ぶが)が、加齢臭漂う世界を新鮮で明るい社会に一新するのではないか?

自分の国は自分で守らねばならないように、これからの世界は、そこにで生き抜く若者たちが決めていかねばならないのである。
そうしなければ、シナや南北朝鮮のような、地獄よりも苦しい没人間性社会で、細々と息をしなければならなくなるのだ。
若者の自覚ある行動に期待したい。


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