昨日は午後いっぱい、国基研のシンポジウムと会員の集いに参加した。雨が予報されていたが、さほどの障害にならずに済み、会場は満員だった。
パネラーは桜井理事長、田久保副理事長、湯浅企画委員、ゲストは小野寺元防衛大臣で、タイトルは「南シナ海と奇妙な冷戦=問われる日本の姿勢」だった。
緊張高まるアジア情勢を反映して、熱のこもった、しかもかなり踏み込んだ意見が出され非常に有意義だった。特に小野寺元大臣は、私が防大2年生の時に生まれた若き政治家だが冷静な分析力には感心した。
これからは、安倍氏とともに、若い力で日本の政治を良い意味で改革していってほしいものだと思った。
シンポの内容の一部は今朝の産経5面下に出ているから省略するが、20年前、私が沖縄で勤務しているときに起きた、尖閣、沖縄米軍基地問題が、今頃真剣に取り上げられるのだから、私としては政治というのは異常に時間がかかるものだ!と再認識した。マッハの世界とは雲泥の差だ…
ところがその後の懇親会の場で、ある男性会員から「自衛隊員は有事に戦場に行くか?」と問われたので「当然」と答えたのだが、彼は「おそらく1〜2%程度でしょう」と笑いながら私の答えを否定した。根拠を尋ねたが、ただ笑うだけだったから、隣にいた御夫人が彼にかみついた。
彼女は災害派遣などにおける隊員の姿勢から見て、自衛官のまじめさに感動していたかららしい。
他の名刺交換者への対応で、二人の“対談”を私は聞いていなかったが、ご婦人は相当気分が高まっていたようだ。
現役時代、私は部下たちに「君は国のために死ねるか」「死ねる、死ねない、その理由を簡単な箇条書きで提出せよ」とよく宿題を出したから、少なくとも20年前の状況は掌握している。
「国のため」かどうかは別にして、「自衛官としての任務を果たす」と部下たちは答えた。中には「50を過ぎたこの体、喜んでお国にささげます」と書いたたたき上げの1尉もいたから私は感動したものだ。
会場の質問者は「空自の基地などによく出入りして高官たちと話しているが」と断り、その感想だというのだが、1〜2%というのは命令を拒否する人数じゃないか?と思われる。
「マ、彼ら(高官?)はそうかもしれないが…」と言いつつ、彼はどこかで誤解したのだろうがと考えたが、久しぶりに少し気分が“若返った”。
詳しくは今回上梓した「安保法制と自衛隊」に書いてあるので読んでもらいたいが、自国の“軍隊”をそこまで否定する大人がいるのか、と認識を新たにさせられた一件だった。
人も予算もどんどん削減され、その代わりに海外への任務がドンドン増えている現状を、小野寺議員はよく認識していたが、人材の育成はそう簡単にできるものではない。特にパイロットは一人前になるには少なくとも4年はかかる。
地上戦力も、部隊に配置できるためには、4カ月程度の新隊員集中教育を必要とする。その後は高度な近代兵器を習得しなければならないのだから、南シナ海の後、東シナ海に紛争地域が拡大してきたときに対応するためには、今から始めてもやっとこさ、という状況なのだ。
日米開戦は、帝国海軍の華々しい真珠湾攻撃で始まったが、ミッドウェーで大敗北した途端、広大な太平洋戦域での航空戦力不足が生じた。
これは、海軍はパイロット養成を平時(年間100名程度)のまま戦争に突入したからで、昭和17年夏、操縦者の第一線戦力が約3000名不足していることが判明し、急ぎ増員計画が立てられたが、海軍省内で予算獲得でいろいろとクレームが付き、18年になってようやく予算が付く有様。
ただちに要員として募集されたのが、海軍飛行予備学生第13期生たちであった。3年を要する海兵と違って、彼らは1年で少尉に任官して操縦コースに入れるからである。
山本長官は「航空機製造」は気にしていても、操縦者養成には無関心だったといわれる。採用された予備学生らは通常の飛行コース(2年間)を1年に短縮され、戦技も習得しないまま前線に送られた。愛国心に燃える彼らが志願したというのだが、時すでに遅し!時間的に3年余の練度の差が出来ていた米軍操縦者にはとてもかなわなかった。そこでついに特攻作戦が採用される…
多くの犠牲を出した大戦の教訓に学べば、シナの膨張戦略は内部崩壊でもなければとどまることはなかろう。今や我が国はその緊急事態に備えなければならない時なのだ。防衛力整備(もちろん対テロ要員増強なども)こそ今最大の課題なのだ。
シナの内陸部では、ルイビトンも撤退したし、世界の産業界の一時的“恋愛感情”もすっかり冷めつつあるのは事実だが、共産主義者にとってはそんなことは計算済み、いざとなれば人民を盾にした「人海戦術」も有効だ!
各国に対する“爆買い”がその有効性を示している。それに阿てホテル業界の中には拡張に次ぐ拡張、温泉業者も受け入れに甘い夢を見ているが、気が付いたらすべて“合法的?”に占領されて破産することになるだろう。金に目がくらんで「ヒサシを貸して母屋を取られる」事態が起きているのだ。
南シナ海の埋め立て作業は、数年前から継続されていたものだが、それに大きく貢献したのは、日本のODA、米国、ドイツ、英国など先進国の近代土木機械の支援である。シナは海軍司令官呉勝利の指導の下、2005〜2011の間に20隻の掘削作業船(挖泥船)を建造、2004〜2011には少なくとも44隻の各種浚渫船を建造した。その中の20隻は容量が9000㎥以上の浚渫船を建造し、掘削能力は2001年の3億立方mから2009年の10億立方m以上に増加したという。海洋埋立能力世界一国になった!と海軍は自信を持った。20年かかっても一向に進まない辺野古移設と、比べてみるがよい。
彼らに手伝ってもらうといえば、翁長知事も同意するかもしれないが…。
そしてただちに軍事基地建設に入ったのだが、わが国の様に「入札や業者選定」不要の軍事力、つまり、24時間不眠不休で海を掘る“軍人労働者”を作業させたのである。これも彼らの「伝統的な人海戦術=表向きは軍事力の“平和利用?”」の一つと言えよう。
呉勝利はよく現場を視察し指導していたのだが、気が付かなかった西側の方が間抜けなのだ。
「うまくアジア諸国やオバマをだますことが出来た!」と軍関係者は自慢しているらしい。
≪ODA供与国のわが国政府は、これを見てどう思うだろうか?=インターネットから≫
シナを刺激しないように、と長年自衛隊を指導し、防衛力整備を抑えていた間に、シナは海・空戦力を近代化することに成功した。ウサギとカメの話に通じる!
≪2016(訂正)年に開発するステルスJ20が試験飛行中の写真。このテスト飛行が外部に漏れたのは、軍事愛好家のシナの青年が撮影してネット上に発表したからだ。彼は直ちに公安と軍にとらえられ、機密を漏らさないよう“教育”されたという=インターネットから≫
≪これも同じ。フックを下して飛んでいる様子がわかる=インターネットから≫
そして今回はロシアから24機の蘇35を20億ドルで購入する契約を交わした。さらにほかに大型航空機用のエンジン合作も拡大すると記述されているという。キャプションにUFOとあるのは「モスクワ航空ショーでUFOのような動きをした」と解説しているもの。
≪シナの蘇35=インターネットから。空自はF35を近く導入するが…≫
ここで少し柔らかい情報を!
≪シナの「中国東方航空公司」は11月17日にイタリアのローマで、スチュワーデスの募集を行った。その日に40名余の応募があり、12人が合格したという。来年の1月18日には上海で訓練が開始される。彼女たちの運命やいかに!
シナの社会ではスチュワーデスの人材は少なく、戦闘機操縦者も不足していて、外国人操縦者もよく募集しているらしい。空自のように「女性戦闘機パイロット養成」は難しいのかな?年齢制限がなければ応募してみるとするか・・・(笑い)≫
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表紙はMRJの雄姿。内容は各基地航空祭特集と空母・ロナルド・レーガンの解説が非常に濃い内容だ。これ1冊で、ロシアの情報担当武官は喜ぶこと間違いない!その他貴重な写真が満載である。
≪「三島事件 もう一人の主役:烈士と呼ばれた森田必勝=中村彰彦著:WAC¥920+税」≫
25日に没後45周年を迎える三島由紀夫事件の秘話ともいうべき名作。あれからすでに45年、今の若い世代に読んでもらいたいと思う。
≪「最新・読めばわかる憲法改正=梶山茂著:文芸社セレクション¥700+税≫
戦勝国メンバーがおごり高ぶって書き上げた「偽憲法」を押し付けられて70年、もういい加減この腐臭漂う薄汚い衣を脱ぎ捨てて、汚れをはらうべき時だと思う。しかし、つらつら考えてみるに、私の目の黒い間に脱ぎ棄てる勇気のある政治家は現れないだろうな〜〜と悲観的になってきた。
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