軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

シナの主敵は「米北日」!

 30日、共同通信が「中国軍文書、北を米に次ぐ「仮想敵」扱い 3番目に日本、尖閣めぐり軍事衝突起きかねない…」として、

中国人民解放軍の作戦専門家が軍事演習に関する最近の文書で、北朝鮮を米国に次ぐ「中国の脅威」と位置付けていることが30日分かった。北朝鮮は外交的には依然中国の「友好国」だが、核・ミサイル開発などにより軍事的には「仮想敵」に匹敵する脅威と見なしていることを示唆している。

 文書は、2016年5月発行の仮想敵に備えた戦時演習ガイドライン。この中の情勢分析で「五つの潜在的脅威」として米国にまず言及。2番目に北朝鮮を挙げ「核保有国を宣言し、多くの核施設をわが国との国境近辺に設けて中国を“人質化”している。いったん戦争が起きれば中国の東北地方や華北地方に巨大な脅威となる」と強い警戒心をむき出しにした。

 3番目は沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり対立している日本で、「(日中)双方の航空機や艦船が行き来」しており、軍事衝突が起きかねないとの認識を示した≫
と報じた。

そんな“仮想敵”に“友好”を持ちかける日本外交が情けないが、外交特権に守られた外交官たちには、【怖いものは見たくない】という幼児の心理が働いているのだろう。


ソ連が崩壊して中ソ国境地帯の軍事的緊張が解けたシナは、対峙していた100万の軍隊を縮小するといったので、わがメディアは「第3のデタントだ」と喜んだ。
しかし100万の軍隊とは、軍人だけにとどまらず、その家族らを入れると急激に「解雇」できる代物ではない。まず、国家戦略の「復背」にあたる背後の脅威が取れた分、腹に当たる南シナ海へ触手を伸ばすのは当然で、以前のソ連がそうであったように、目の上のたんこぶである日本列島と台湾の除去が最優先になった。
そして時がたち、戦力が充実した時点で、一斉に進出したのが南シナ海だ。

この図はシナのSLBM・巨浪2の飛距離図だが、海南島を要塞化してこの周辺から米国を狙うにしてもまだ不十分だ。矢張り大きな障害は日本列島だ。

手始めとして海南島を十重二十重に防護するため南シナ海空海から防護する要衝に仕立て上げた。次は尖閣である。

面白いのは北を第2の脅威にしている点だが、政治的友好なんぞ何のツッパリにもならないが、北のICBMは確実に北京を狙える。

だからミサイルもなく、国際紛争の解決手段に軍事力を使わない日本より脅威度が高いのだ。

尖閣、オキナワが手に入れば、巨浪2は、日本の排他的経済水域から楽に米本土に届く。

マティス国防長官は先刻ご承知だから、さっそく日本と韓国に“出張”してくる。

そこで外野席は、トランプ大統領が、日本の防衛費を増やせと言ってくるに違いない!と騒ぐのだろう。勿論我が国の防衛費だから、自主的に決めればいいことだが、それで米国製の兵器を購入するのは少し控えて、何よりも「国民の財産」になる自衛官を増員し、練度を高めることを要求したい。

女性軍事ジャーナリストの桜林女史はブログに、
≪色々とある気になることの一つに、「防衛費の引き上げ」を要求されるというものがあります。GDP比2%までになるのでは?というもの。もちろん、それは歓迎ですが、再三述べているように、単純にそうなればいいというものではありません。
装備について、あれを増やせこれも増やせと威勢のいいことを言う向きもあるようですが、いつもお伝えしているように、自衛隊には人が足りません。
それではいくら空母を造ろうが航空機を買おうが意味がないのです。まずは国家公務員の総人件費改革、定員削減等から自衛隊員を除外することが大事でしょう≫
と忠告しているが同感である。

防衛計画の大綱は、成立時点から≪買い物計画≫のそしりを免れなかった。色々と官僚の名文が前書きに書かれているが、要は「大綱別表」が問題なのであって、装備品の充実計画の陰に隠れて人員の増員はほとんど考慮されてこなかった。

入隊希望者は多いのに、定員枠が少ないので、採用されない優秀な若者が増えているという。
あんな?利己主義の高官のたまり場である文科省の元では立派な後継者は育つまいから、稲田大臣には防衛省で日本人教育を分担してはどうか?
その方がよほど有益な青年が育つと思う。


桜林女史は言う。
≪「人員は増やせない」という固定観念の中で出ているものだからです。限られた枠の中ではいびつな形かもしれません。でも、思い切って枠をとっぱらい、大幅に増やせればどうでしょうか?その時に、兵隊さんがかなり増強されても指揮官が不足していれば任務ができません。つまり、トップ機能が多ければ、そこから拡大可能なのです。
現状のようになったのは戦略的なものではなく、環境変化による要因によるものではありますが、ピンチをチャンスに変える発想はできるはずです。
問題なのはむしろ、こうした劇的な自衛隊員の強化に積極的に取り組む人があまりいないことです。有効求人倍率が上がり、募集は厳しくはなっていますが、自衛隊は今なお高倍率です。入れない人はたくさんいます。
この状況の傍らで、装備をもっと買えだの女性の活用だの言っているのには違和感があります。もっとすべきことがあるでしょう。現実をもっと理解して欲しい≫

全く同感!トランプ大統領の「黒船」を利用して誰も手を付けなかった自衛官の増員に真剣に取り組んでほしいと思う。


さて、わが国を敵とみなすシナでは、猛訓練中の様で事故が多発している。
23日の産経は、「中国で軍用ヘリ墜落、2人死亡」と報じたが、大陸内では隠されているらしい。

≪23日付の中国紙、中国青年報などによると、福建省に拠点を置く陸軍航空隊所属の軍用ヘリが19日夜、飛行訓練中に墜落し機長(33)と副操縦士(27)が死亡した。一部の中国メディアは事故発生直後、同省泉州市にヘリが墜落し大規模な火災が発生、3人が病院に搬送されたと報じていた。地上の住民らに負傷者が出たかは不明。中国では近年、戦闘機や軍用ヘリの墜落事故が相次いでいる。(北京 西見由章)≫


そのインターネット版がこれだ。

≪墜落した直―10武装ヘリ≫


≪墜落したのは台湾の正面・福建省泉州港区≫

墜落で住宅周辺に大火災が起き、数十台の消防車が出動した。操縦士2名は死亡した。現在ネット上では関連記事はすべてカットされた。
このヘリは、台湾、日本を担当する解放軍東部戦区第31集団軍陸航10団所属の武装ヘリ直―10。夜間飛行訓練中であった。
記事には「かわいそうに去年年末には若い女性操縦士が墜落して死亡したばかり。また二人の若い操縦士が死亡した。機長の張少佐は1983年生まれ、妻は8カ月の身重、もう一名の王大尉は1989年生まれ、ともに江蘇省出身、習近平の「強軍夢」の指導の下、懸命に訓練していたものだが、政府は未だに墜落の原因を公表していない、という。

70数年前の帝国海軍のように今の中共軍は≪月月火水木金々・・・≫のようだ。


≪これも懸命に建造中の「国産空母」である。今年7月、中共軍健軍記念日に進水式を予定しているとかで、急ピッチで進んでいる。メイドインチャイナなどと揶揄しておれない情勢になりつつあると思うが…≫


ところがその習近平夫妻が、スイスを訪問した時、スイス名物の“フォンジュ”を食しているときの様子がネット上で話題になっている。


≪フォンジュを食する習近平夫妻=インターネットから≫

「夫人の変な顔!おいしくないのか」「スイス料理と中華料理と比べてわかるのか」「一口だけでも俺も食いたい!」などというもの。
ほかの国ではあまり話題になりそうもないことがこの国では取り上げられるようだが、その人民は、今は春節を楽しんで?いる。

≪7連休の国内旅客2億人 3日間で14%増記録、レジャー・消費は急拡大
 中国国家旅遊局の30日の発表によると、27日に始まった春節旧正月)7連休で29日までの3日間、帰省も含む国内旅客数が延べ1億9500万人に上り、前年比で13・9%増えた≫
というのだが、諸外国を旅行して回って、自国のありさまが理解できるかな〜

いっその事アパホテルには、春節で来日するシナ人を対象に「南京大虐殺」関連本ではなく、「文革」「天安門広場事件」ものに置き換えてみたらどうだろう?

彼ら人民は、政府から自国に関する正しい歴史も情報も与えられていないのだから、まずシナで行われた人民大虐殺の方が優先すると思うのだが…。

彼ら人民の敵は「実は中共政府なのだ」と認識させた方が手っ取り早そうだ。

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

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