軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

財政豊かな東京都の貧相な議員たち

月末から、恒例の墓参りで東北を旅してきた。猛暑続きで東北地方の皆さんはヘタリ気味?だったが、依然として続いている石巻仮設住宅群には気が滅入った。
その中に郵便局が開業していたのは、それだけ住人にご老人が多いか、郵便物の流れが多いという証拠で、「仮設」ではなく「既設」の集落に見えた。

福島地方は桃の時期だが、東京地方への出荷はまだ少ないのだという。放射線のおかげ?で、収穫も味もいいというのに。


ところで東京都知事選の結果を見ようと宿のTVをつけたら、締め切りと同時に小池候補の当選確実が出るという、あっけない結果に終わったので驚いた。都民が「旧弊に飽き飽きしている」証拠だろう。

すでに書いてきたが、選挙開始直後に勝負は決まっていたと言えた。
自分の実力を知りもせず、旧態依然とした「団体戦」に依存した他の二人は、選挙活動中から影は薄かったが、メディアに持ち上げられて勝利を疑っていなかったのが哀れだった。
問題は、彼らのようなシーラカンスに「お墨付き」を与えてふんぞり返っていた“自眠党”といううぬぼれ団体だろう。野合した野党は論外だが。
早速責任者は見苦しくも責任逃れに汲々とし始めている。全く頼りない男たちだが、こんな先が読めない輩が国の政治を取り仕切っているのだから、この国がよくなるはずはない。
彼らが将軍だったら「百戦百敗間違いなし」だ。


そんな冷たい目で見ていた私には、どこかの開発途上国並みの選挙のように見え、予想以上に近代国家・日本の都知事選という催しが、茶番劇に見えてならなかった。
以前「腐ったイワシ」の話をしたが、既成政党はすでに腐りきって破棄寸前の状態だといってもいいのじゃないか?

それにしても、小池新都知事の初登頂行事はさらに考えさせられた
“悔しいが”女性の方が堂々としていて、良い歳した“古だぬき男”どもの態度は、実に見苦しかった。
こんな垢というべきか、ヘドロというべきか、悪臭放つ団体が、都民の税金で建築された近代的な東京都庁という高層ビル内に巣食っていたかと思うと気分が悪くなる。
メディアが言う、“実力者”とかいう古だぬきの面々の態度は、女々しく、卑怯で、少しも男らしくない。腐りきったイワシも顔負けの存在であることが、各種ワイドショウーで克明に暴かれ始めているのはご同慶に堪えない。
一都民としてはこの際思い切ってドンドン公表してほしいとTVにお願いしたい。

≪就任あいさつする小池新都知事=産経から≫


現役時代、私は北は青森県から南は沖縄県まで24回も転居したが、其の昔、故郷の福岡の警備防衛担当幕僚時代に、未だに北九州に残っている“闇の世界=治外法権集落”の存在を知り、愕然としたものだ。
役場はもとより、警察までもが、ことと次第によっては“実力者”の言いなりになっていて、その実態が暴かれるのは、地方議会選挙の時に限られていた。

当時は比較的常識が通用するといわれた自民党派候補の○○と、全く常識が通用しない社会党系候補の○○の宣伝カーが路上でかち合うと、たちまち繰り広げられる互いのヘイトスピーチ合戦を“ギャラリー”は楽しんだ?ものだ。

こんな連中が当選すると、町役場はその親族の免許証取得までの費用を町が全額補助するなどという、とんでもない方向に税金が持ち出されたものだが、何よりも議会ではそれが取り上げられることはなかったから町民は知らなかった。“せこい”前都知事によく似ていたが…。
何処が民主主義か!と憤ったものだが、人事異動が多い職業柄、一過性の無責任な批判だけで終わったものだ。


何も「号泣議員」や「不倫議員」はその地方独特のものではなく、隣国へ買春ツアーに出かけた議員など、バッジをつけると何をやってもいいかのように勘違いする輩が多かったが町民はほとんど知らず、知っているのは議員の“妻”くらいのものだった。
民度の低さは、田舎にとどまらず、ついに首都東京にも存在していることが今回の選挙で暴き出され、全国どこの市町村にも“彼ら”が存在していることが証明されたといえる。


小池知事は国会議員時代には「刺客」を務めたり、天皇と呼ばれていた事務次官と刺し違えるなど、今の意気地のない“連れション”男どもには見られない、一匹オオカミ的な勇気ある仕事を遂行してきた。

今回、有権者は“作家”や“国際学者”に裏切られ愛想を尽かしていたのだから、彼女が選ばれるのは当然の結果だったのであり、逆に雰囲気と先が読めない団体の連中に政治は任せられない、特に国の政治は任せられないと国民が気が付き始めたのだと私は思っている。

それが世界中に広がっている女性指導者誕生という政治現象なのだが、まだそこまでは…などと石橋をたたいて様子を見ている官僚がわが国には多そうだ。
永田町の改革は遅れるだろうが、せめて東京都からその改革ののろしを上げてほしいと思っている。


今朝の産経の報道は、その意味で非常に示唆に富んだ内容だからここで紹介しておこう。


小池都知事始動】都議会のドン、内田茂都議は欠席 都議会自民の重鎮「あなたの要望に応える必要はない」と写真撮影も拒否


≪「291万票の責任を感じている」。
東京都政の新たなかじ取り役となった小池百合子知事(64)は2日、初登庁した知事室で意気込んだ。小池氏から「都議会のドン」と呼ばれた自民党内田茂都議(77)は都連幹事長を引責辞任する意向を固めたが、都議会自民党はあいさつ回りにきた小池氏を“冷遇”。小池都政は波乱含みの船出を迎えた

「知事と議会は両輪です。一輪車にならないように」。
あいさつのため議長室を訪れた小池氏に対し、都議会の川井重勇議長(自民)は報道陣の前でクギを刺した。報道陣から小池氏と並んだ写真の撮影を求められると「あなた(報道陣)の要望に応える必要はないから」と拒否し、「どうもご苦労さまでした」と小池氏に退室を促した。

 その後、自民党控室では幹事長と政調会長が不在で、ナンバー3の高橋信博総務会長ら2人が対応。「よろしくお願いします」と握手したが、滞在は約30秒と短かった。
 高橋氏は「たまたま、ここにいたので(対応した)。それ以上のものは何もない」。幹事長、政調会長が対応した他会派との対応の差が浮き彫りになった。

背景には小池氏と内田氏の確執がある。都知事選では、内田氏が影響力を持つ自民都連執行部が小池氏の推薦は認めず、元総務相増田寛也氏の推薦を決定。内田氏らの名前で、所属議員本人に加え、親族が増田氏以外を応援した場合にも処分の対象になるとする文書も出した。

「話もしたくないからね」。内田氏は都知事選が告示された7月14日、増田氏の選挙事務所で産経新聞の取材に対し、小池氏への不快感を口にしていた。
 小池氏が都議会の冒頭解散を掲げたことに「そんなことできるわけないよ。あまりにも地方自治を知らないよね。今まで都政の都の字も言ったことないよ、あの人。知事という職につきたいだけ」と批判した。

都連幹事長の後任には、内田氏に近い高島直樹都議の名前も挙がるが、増田氏陣営で選対本部役員を務めたため、慎重論もある。一方、自民関係者は内田氏の政界引退の可能性については「余人をもってかえがたい」とし、否定的な見方を示している≫。


これが長年議会を牛耳ってきた“実力者”の実像なのである。
戦いが終わったら、結果にこだわることなく、正々堂々と相手を称えるのが男であるが、イジケ男がたむろする都議会にはほとんど“男”はいないらしい。
強がっているだけのチンケな男の端くれにすぎず、九州では昔はこれを≪女の腐ったようなやつ≫と言ったものだ。
彼らがとったイジケタ行動は弱い男が得意とする“虚像”に過ぎないのだ。今まで彼らは“影におびえて”団体で従ってきただけなのだ。そのくせNO2などは蔭では“親分”を誹謗しているだろうに…俺の方が実力があるなどと…。

これらは一連の「正体見たり影尾花」現象なのだが、とにかく“陰の実力者”といわれる者程、意気地がない男?はいないということが今回の騒動で都民には分かっただろう。


3・11直後の某復興大臣もそうだった。宮城県庁に乗り込み、迎えに出るのが遅いなどと村井知事を罵倒し、記者団を振り向いて「これを書いたらおしまいだぞ」と威圧したが、東北のTV局は平気でこれを放映した。

全国版のTV局はこれを見て、一斉に後追いして全国に放映したからたまらない。これで勝負あった。
件の大臣は途端に“病気になって福岡に戻り”入院してしまったではなかったか?

ことほど左様に、一部の心ない輩による専横が、神聖であるべき議会までも汚しているのである。そしてそれには誰も口出ししないから、味を占めた連中がのさばり始め、やがて手が付けられなっていくのである。


ところで今回の都知事選では、非常に面白い現象が生じた。
団体戦”に頼り切って、生き恥さらした二人とは別に、4位の上杉氏と5位の桜井候補者である。得票数もいわゆる“泡沫候補”とは言えない得票数で、ここに「都民の憤懣」が隠されていると私は見た。
この二人には次の都議会選挙に出馬してほしいと思うがどうだろう。そして根こそぎ都議会をクリーンにしてほしいものだが…。
特に桜井氏が議員になれば、都議会にはびこる特異なシーラカンスも一掃できるのではないか?などと、淡い期待が生じたほどの選挙結果であった。

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届いたばかりでまだ目を通していないが、「朝日新聞VS公取委」「慶応幼稚舎VS慶応横浜初等部・在特会VSしばき隊」など、「燃えあがる『日本の内戦』」特集は必読だろう。
巻頭言に当たる≪SAPIO'S EYE≫の「リオで思う、本当に2020年東京五輪は必要か」も面白そうだ。
この“行事”にも“利権団体”が蠢いているようで、今更降板できないにしても、無駄な予算は大幅にカットする勇気を小池新都知事には期待したい。
スポーツ選手も、今や利権の餌につかわれているような気がしないでもなく、スポーツ精神などどこかに消えてしまって久しいからだ。ロシアのドーピング問題がその象徴だといえる。
熊本もそうだが、東北の仮設住宅が未だに解決できていないところを見れば良くわかる。運動会もいいが、同胞救済が一番だろう。何が“絆”で、「頑張ろう東北か」と言いたくなる・・・。

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