軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

まるで防衛白書=シナの「艦船知識」

航空自衛隊入間基地所属の飛行点検機「U125」が墜落した可能性があるとみられる高隈山地(同県鹿屋市、垂水市)での捜索活動は悪天候のため難航したが、乗員の空自隊員とみられる心肺停止状態の6人と、機体の一部とみられる破片が見つかった」という。
事故は忘れたころにやってくるものだ。
世界中で航空機事故が起きていたが、わが空自にも“伝染”したように見える。早く断ち切ることだ。
6人は心肺停止というから状況は暗いが、一縷の希みはつなぎたい。


ところで、大統領選の狭間で話題になっているのが、「パナマ文書」公開“事件”だろう。
これをNHKが「習近平氏親族も利用」と伝えたとたん、画面が真っ暗に遮断されたらしいから、憶測を呼んでいる。「指導部が神経とがらせた?」というわけだ。とりわけ深刻な打撃を受けたのは中南海のメンバーだろう。


現在、未だに江沢民派と習近平政権との闘争は継続中で決着はついていないからだ。国内の習政権反対派が、これをネタに執行部を批判する起爆剤にもなりかねない。華字紙が伝える「疑惑人物」は、
 
 習近平の実姉の夫、トウ家貴
 劉雲山の孫娘  賈麗青
 張高麗の女婿  李経泌
 李鵬元首相の娘 李小琳
 賈慶林の孫娘  李紫丹
 曽慶紅の実弟  曽慶准
 胡耀邦の三女の子 胡徳華
という錚々たる人物らだ。 
 
パナマの一法律事務所が、これほどのリストを入手できたとは考えにくく、背後にCIA、NSAからの意図的なリークがあるのではないか」というのが定説だが、先日の米中会談で、傲慢チキな態度を取った習政権に対して、珍しくオバマ大統領が不快感を示した結果だろうというのは説得力がある。
つまり、米中間でペーパー戦争開始!というところか。
米海軍はシナ海に対する「自由の航行作戦」継続の準備中である。シナはついに「虎の尾を踏んだ」か?


更に大紀元日本(3/30)によると「中国共産党第18回大会後、党内の反腐敗を主導する習近平氏や王岐山氏に対する暗殺未遂の伝聞が度々伝わってくる。北京の情報筋によると、現在習近平氏の護衛態勢は歴代最高指導者の中でも最高レベル」で、「博聞社3月7日付けの報道によると、習氏の現在の護衛態勢は歴代最高指導者の中でも最も厳重であり、外出するときの護衛は通常の政治局常任委員の最高レベル『第一級態勢』を遥かに超えている」というから気にかかる。また香港メディア「争鳴」2016年3月号の報道によると、「習近平当局はすでに指導部の要人が不慮な事故により職務を遂行できなくなる4つのケースを想定して、緊急対策方案を制定した。これは習陣営の反腐敗の決意と反対勢力の抵抗の激しさを如実に反映し、両陣営の決戦もいよいよ近づいていると見られている」ともいう。

シナ国内では、何が起きてもおかしくない状況にあるらしいから、パナマ文書がそれを後押しする危険性があるのだろう。
大統領選挙以外にも、これらについてしばし注目しておく必要がある。



ところで香港の友人からシナの軍事雑誌が届いたが、中を見て驚いた。日中安保対話でシナに旅していたころには、帰りの空港で軍事雑誌を買い求めたものだが、当時と比べて随分内容も良くなっている。それにしても「海自特集号」には驚いたから、今日はこれを紹介することにしよう。



≪シナの「艦船知識」表紙≫

≪裏表紙=定価12元(港澳:30港元=以前は香港$だったが…)とある≫


まず表紙をめくると織り込みがある。(紙面の都合で上下に分割したが)


≪「南シナ海永興島新空港試験飛行」を示すもので、シナがこの1月6日に、民航機の離着陸テストをした時のものであろう。施設もなかなかのものに見える≫


≪これは空母に対する武器搭載訓練であろう。母艦は『遼寧号』のようだ。≫


≪次は三洋五海(大西洋、インド洋、太平洋、バルト海、北海、地中海、紅海、南海)を遠洋航海した時のものである。立ち寄り先での交流風景も出ている。≫


次が日本の核戦力開発能力に関するレポート。次ページには、北朝鮮のミサイルに関するレポートもあるから、シナに対する“脅威”の分析だろうが、わが国の核武装について研究してくれているのも、ひょっとするとトランプ効果かな?




  


そして次からいよいよ海自の作戦構想など、39ページに及ぶ海自の戦力分析特集である。画像の一部を列挙しておくだけにする。










続いて旧日本海軍巡洋艦秋津洲」の歴史的変遷、逸話が写真入りで解説されている。
まるで我が国の各種軍事雑誌か、防衛白書を読む感じだが、これだけ情報は確実に流出しているというあかしである。
我が国も、関係各国の軍事情報誌を入手して研究しているだろうが、これほど詳細に図解までしているものは少ないように思う。
使用写真の版権はどうなっているのだろう?と気にかかるが、コピー大国だけあって、他国の資料の複製販売は自由だということか?


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おなじみ「SAPIO」の5月号である。
「米国で話題の『新日本論』著者を直撃!」した古森義久氏の特集が興味深い。
国会議員らは下半身問題などで多忙のようだから、目を通す暇はなかろうが、せめて経済人や官僚には目を通してほしい。
「2050年、日本は奇跡の大復活を遂げているか?」という図解は実に面白い。内容はご一読あれ!

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