軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

組織的な“嫌がらせ”

今日の産経抄子は、ブルーインパルス公開に反対する市民団体の事を次のように書いた。

≪先日、航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットの誕生が報じられていた。自衛隊の中でも花形とされる戦闘機パイロットから、さらに選び抜かれた精鋭集団が、「ブルーインパルス」である。

 ▼昭和39年10月の東京五輪開会式では、青空に5色の五輪マークを描いた。今でも全国各地の基地で開催される航空ショーで、ブルーインパルスが披露する高度な操縦技術は目玉企画となっている。

 ▼ところが、今年3月に小牧基地(愛知県小牧市)で開かれた航空祭では、ブルーインパルスの展示飛行が中止となり、来場者は前年の約6万2千人から約1万人に減ってしまった。地元の団体が「航空法違反にあたる」として、名古屋地検に提出した告発状が関係しているらしい。

 ▼埼玉県鴻巣市では、地元の共産党市議らが、10月に行われる空自の航空ショーそのものの中止を求めている。「航空ショーは戦闘と切り離すことができない」というのだ。今月20、21日には市内のショッピングセンターで予定されていた自衛隊のイベントが、やはり共産党市議らの反対で、中止に追い込まれたばかりである。

 ▼有川浩さんの小説『空飛ぶ広報室』は、元戦闘機パイロットの空井2尉が主人公である。ブルーインパルスの一員に選ばれながら、交通事故に遭って広報室に配属されていた。「戦闘機って人殺しのための機械でしょ?」。テレビの女性記者の一言に、空井は思わず声を荒らげてしまう。

 ▼「自衛隊専守防衛が信条なんですよ。国外に攻め入ることはありませんから」。女性記者は幸い、取材を進めるうちに、空井の言葉を理解していく。「自衛隊イコール戦争」のイメージを広めるのにやっきになっている人たちは、耳を貸すつもりはなさそうだが。≫


 松島基地司令時代、T2ブルーの基地上空訓練を中止せよ!と基地に押しかけてきた“市民団体”がいた。この日はたまたま暇だったので「面会を受けよう」と監理部長に言うと、「今までは広報班長が正門で文書を受け取る習慣になっているので「悪しき前例」になりかねないからやめるよう」忠告されたが、「同じ市民を“差別”することはなかろう」と応接室で“抗議”を受けた。
まさか基地司令自ら面会してくれると思っていなかったらしく、“市民団体”メンバーは面食らったようだが、8名の男女が入室していた。


 門切り型の“抗議文朗読”が終わったので、「私は国税で賄われている装備であるブルーインパルスを納税者の前にご披露するのが当然だ。期待している方々も非常に多い。それを少数の皆さんが止めさせるのはおかしいのじゃないか?」とやんわりと拒否した。
 男性の2〜3人が時折席を立ち、“バカチョンカメラ”で私を撮影していたが、終了後お引き取り願うと騒ぎもせずに帰って行った。


 ところが翌日の地方紙に「木で鼻を括る司令」とかなんとか言う見出しで記事になり、大きな写真が掲載されていたから、監理部長に「中に記者がいたのか?」と尋ねると名簿にはなかった。
 写真の隅に日付が映っていたから“バカチョン”で撮った写真に間違いないく、市民団体の一人が、新聞社に“提供”したのだろうと推定した。

 直ちに監理部長を通じて当該新聞社の編集局長に説明を求めさせた。
ついでに「今度着任した司令は、元空幕広報室長だから、新聞社の倫理綱領にも詳しいから、回答次第によっては問題にする」と付け加えさせた。

 その効果はてき面で、直ちに局長自らが謝罪に来ると言ってきたから、「私は基地内視察で多忙、広報班長に会わせるよう」言って飛行隊に行った。

 その後の部長の報告では局長は平謝りだったそうだが、「司令は仙台で貴社の社長(オーナー)に会う予定がある」と付け加えさせておいたので、いい加減な記事を出す癖に“穏便に”と平謝りだったらしいが、勿論そんな告げ口をする気はなかった。


 その後、宮城県北部の町で、災害派遣で出動してくれた多賀城部隊に「感謝状」を贈呈したいと言うことになったが、部隊は演習で不在だから、監理部長が代表して受領すると申し出ると、町側は隊員さん達に直接感謝したいのだ、と言い、演習終了後、遠回りになるが町の小学校校庭に集まってもらい、そこで感謝状を贈呈したいと言ったという。

 こうして“演習後の完全武装の侭”部隊が小学校校庭に集結したところ、小学校教員が写真を撮って「護憲センター」に通報した。
 これを見た各社は「陸自、授業中に校庭で訓練」などとデタラメ記事を大きく報道し、国会で共産党議員が追及したから、寝耳に水状態だった防衛庁は、「教育上好ましくない」と回答し、文部大臣もそう答弁した。


 ≪市民団体≫を名乗るグループは限られている。しかしそのネットワークはしたたかだ。新聞社、放送局、左翼団体、そして共産党の国会議員(もちろん地方議員もそうだが)に内容を伝えて大騒ぎするから、時間がかかる政府側は何時も対応が後手後手に回り防戦一方になる。

 その上当事者たる現場部隊によく聞き取りはしない。威圧的に現場を黙らせるのである。


 こんな反自衛隊活動が、今までず〜と野放しにされてきたのが、戦後自衛隊の歴史だともいえた。そしてその被害者は常に現場の部隊隊員とその家族であった。

 
 3・11で自衛隊が評価されて少しは国民の目も変わったのでは?と言う方もいるが、とんでもない。
 これらは軍事的に言うと、見事?な謀略活動なのであり、今日の産経抄の様にどこかで必ずしつこく繰り返されるのである。

 問題は、石破氏が大臣だった時に起きた「あたご事件」の様に、隊を統括する役所が事勿れだから、役人は自己保身に走り、事を荒立てまいとして、まず幕僚長を相手に謝罪させ、続いて身内を罰する。
 政治家は、普段は物わかりがいいようでも、いざとなると豹変するから勿論頼りにはならない。むしろ初めから“敵方”に通じていると見た方がよい。

 自衛隊“ファンクラブ”もいいが、市民団体に対抗する「国民団体」が生まれて、市民団体を“征伐”してほしいものだ。


 処で、8月25日に同じ産経抄に、“市民団体の黒幕”がこんなことを言ったと出ていた。


≪自らのイデオロギーや独特の歴史観を端的に示している。共産党志位和夫委員長は23日、ツイッター昭和天皇を批判した。「中国侵略でも対米英開戦決定でも、(中略)侵略戦争拡大の方向で積極的に関与した」「戦争末期の45年(昭和20年)に入っても戦争継続に固執して惨害を広げた」。

 ▼志位氏は「歴史の事実だ」とも記すが、果たしてそうか。実際は、昭和天皇は日米開戦には非常に消極的だった。開戦も辞さないと決めた16年9月6日の御前会議では、明治天皇の御製(ぎょせい)を詠じて平和を望む思いを訴えた。「よもの海 みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」。

 ▼同年10月17日、東条英機を首班とする組閣の際には「白紙還元の御諚(ごじょう)」を発し、9月6日の決定を白紙状態から考え直すよう求めている。20年6月には、軍部の本土決戦の方針を見直すよう「異例の干渉」(現代史家の秦郁彦氏)もした。

 ▼当時、天皇への上奏には「拝謁」と「書類」とがあった。元大本営陸軍部参謀の故瀬島龍三氏からは、日頃の昭和天皇の振るまい方についてこんな話も聞いた。「書類上奏で裁可が下りなくても、軍部は何度も同じ書類を出した。すると、立憲君主であろうとした陛下は最後は裁可された」。

 ▼登山家の野口健氏は、志位発言について「どのように解釈したら…」とあきれていた。ただ共産党の姿勢に関してはこうも指摘している。「『天皇制の打倒』『人民共和政府の樹立』を掲げた経緯からして、今更ながらこのような発言に特段の驚きはありません」。

 ▼共産党の綱領はこう明記している。「天皇制の存続を認めた(憲法の)天皇条項は、民主主義の徹底に逆行する弱点を残した」。この政党の異質さを感じる。≫


 産経抄子は「異質さ」と書いたが、共産党と言えば、国家転覆を図り、コミンテルンに国を売りとばそうとして“非合法団体”に指定された経緯もある。だから、それを受け継いでいるだけのことはある。

 戦後日本人はその正体を知らないだろうが、このコラムに書かれているようなことを平然と言う組織であることを、改めてふり返ってみることも大事ではないか?

 オウムによる「国家転覆テロ計画」は一応終わったが、それに似た残債はまだ残っているのである。


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≪HANADA10月号≫
ポンぺオ長官の訪朝がドタキャンされたが、北(正恩)にとって<核>は命よりも重いものだ。失ったら生きている価値もない!
どうやってそれを≪非核化するか≫それが問題だろう。
中朝研究の第一人者である二人が分析しているが、トランプの腹には“外科手術”もまだ残っているのでは?
愈々金王朝は追い詰められてきた気がするのだが…
それにしてもボランティアの活動が脚光を浴びていたが、被災地で黙々と活動する自衛隊員の姿をとらえた10枚の写真は心を打つ。
被災者の中には“市民団体”もいたろうが、自衛官は一切“差別しない”から少しは自分がいやらしく感じられたかな〜


≪WILL10月号≫
「日本よ正気を取り戻せ!」の二人の対談は今日の私のブログを支える一文であろう。本当に最近の日本人は“正気”を見失っている。
そして“正気”を失った連中が、如何に世間に目立ちたがっているかも浮き彫りになっている。縁の下の力持ちはこの国から消滅したか!
そんな中、スーパーボランティアの尾畠氏が一人気を吐いている図式になっているが・・・

「米中戦争勃発!」も読ませるが、私はレーガン大統領時代のSDIに替わって、トランプ大統領は「中国のバブル崩壊を誘発する作戦」に出たとみている。「中国製造2025」は「中国崩壊2025」になるのでは?


≪航空情報10月号≫
MRJもなかなか離陸できないでいるが、この時期の会社人事構成が障害だったのでは?


≪戦史に学ぶ人のためのミリタリー総合誌「丸」10月号≫
幻のスーパーファイター特集は感動的でさえある。「中島キ87試作高高度戦闘機」は、大戦末期であったにもかかわらず、2500馬力の発動機を装備した我が国最後の大型戦闘機であった。
戦闘機開発の主導権を握っていたのは海軍であって、航空戦力を補助戦力と考えていた陸軍は、エンジンなどの開発は民間企業に一任していた。
この様な技術開発の差も影響していたのだが、ここでは陸海軍が共同計画をしたものだと言える。時すでに遅かったが・・・
しかし国を守ろうとする先人たちの気迫と努力には頭が下がる。
若い方のご一読を勧めたい。

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