「ミリタリー・バランス」は 英国のシンクタンク、国際戦略研究所(IISS、ロンドン)が毎年世界の軍事情勢をまとめている報告書である。現役時代は常に机上に置いて何かと参考にしていた。退役してからはほとんど見ることもない。
対峙している国家、地域ごとの軍事力比較を詳細に示しているが、その比較(バランス)が崩れると、その地域は不安定になり紛争が起きやすいことを示しているのだが、戦後77年間“軍事小国”である日本が紛争に巻き込まれなかったのは、日米同盟という強力な“後ろ盾”があったからであり、「平和憲法」や「平和を愛する野党連合」などの存在によるものでは決してない。要は弱肉強食の世界であって、弱いとみれば、手段を択ばず襲い掛かるのが国際関係というものなのだ。
拙著:1998年12月8日出版:かや書房
2018年12月に、韓国艦艇が、日本海で海自の哨戒機にレーダー照射をしたことがあったが、私は乗組員の跳ね上がりものがスイッチを操作したのだろう、と軽い気持ちでとらえていたのだが、何と!軍が指示していたのだというから驚いた。
韓国・保守系議員の申氏によると、【指針は2019年2月につくられた。「日(本)哨戒機対応指針」として、公海上で接近してきた自衛隊機に対し、通信などによる2回の警告に応じずに近距離飛行を保った場合は、標的との距離や高度などを測る「追跡レーダー」(火器管制レーダー)を照射して対抗するよう規定した】というのである。
問題なのは【自衛隊機だけが対象で、ロシア機や中国機に対象を限定した指針はない】という部分だ。
実際に照射するかどうかの判断は現場指揮官に委ねる内容になっており、申氏は「非常に危険だ。日本だけに強硬な措置を講じるのも不適切」とする。韓国国防省は申氏に対し、自衛隊に限定した指針の「破棄を検討している」とも説明したという。
三沢勤務時代、在韓米軍の高官が、韓国軍は信用できない、と漏らしたことがあったが、こんな国と同盟など結んだら、どれほど“迷惑か!”と当時は笑い話で済んでいたが、今回の記事を読んで、弱小国軍にまでなめられたか!と日本政府のふがいなさにあきれてしまう。
次の記事も「日本が手出しをしない」ことを逆手にとって、韓国はやりたい放題であることを伝えているが、気弱なわが「外務省が抗議」すればするほど、彼らは居丈高になるだけだ。
要は、相手になめられているのである。国際関係では「相手になめられるところ」から「戦争は起きる」ことを忘れてなならない。
相手が弱いと見たら必ず襲い掛かるのが世界の通例で、ウクライナに攻め込んたプーチンも、バイデンとの会談でそう判断したからこそ、攻め込んだのだ。
しかしウクライナは違った。プーチンはウクライナ軍(国民)を過小評価していたのであり、バイデンはうまく誘って「ウクライナに代理戦争」?を仕掛けたのかもしれない。ロシアの勢力を削ぐために…
逆に泥沼に落ち込んだロシアは、抜き差しならないところまで追いつめられていると言えそうだ。
一面トップに次のような記事がある。ウクライナのゼレンスキー大統領の下で、クリミア問題を統括するタミラ・タシュワ代表は「北方領土占領、日本は(ウクライナと)共闘を!」と力強く呼びかけた。しかし“紳士”が集まるわが外務省は無視するだろうな!
昔「呼び返そう!北方領土」などと、看板に書かれていたものだが・・・。あれで仕事しているつもりだったのだろう。
いや、今や政府自体が「統一教会問題で頭が回るまい」
そうだった。統一教会も「韓国産」だ!
左下の記事は尖閣海域に侵入し、わが漁船を執拗に追尾している「中国海警局の船」に関する記事だ。
こう見てくると、我が国は、今や周辺諸国の武装勢力から、極端ないじめ?にあっている姿が見えてくる。どこが「四方のうみ、皆同胞…」なものか。
世界の軍事情勢は、相手が弱いとみれば必ず襲い掛かってくるのが常だか、その端緒は「舐められること」に始まる。
子供らの「いじめ」もその子が弱いからいじめられるのだ。つまり「舐められると戦争が起きるという実例」を示しているのであり、子供の間は「喧嘩」で済むが、大人はそうはいかない。「奪い合い、殺し合い、相手が息絶えるまで」戦いは終わらない。
どうやらウクライナも“女性”の方が意志堅固で力強く感じるのだが、TVなどですぐに「怖い」を連発する“優しい男ども”ばかり見せつけられているせいかもしれない。