軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

世界は大乱の兆し!

わが国が、安倍元総理の「国葬」で意見が分裂して“混乱”している間に、国際情勢は非常に流動的になってきた。

わが国の場合は「何時もの方々による意図的な妨害工作」だから、世界は「コップの中の嵐」程度にしか受け止めていないだろうからそう影響はなかろうが、ロシア、中国、それに米国という「主流国」の“異変”は穏やかではなかろう。

まず現在気になるのは、ウクライナ侵攻で“大失敗”をしたプーチン大統領が、軍務経験者の30万人に「部分的動員令」を発したという記事である。

古来「戦力の逐次投入」は尤も拙劣な戦法だと言われているが、あれだけ“大見えを切った”プーチンがその戦法を取らざるを得ないという状況の変化をどう見るか?ということである。

この表はいささか古く、平成25年度版の「防衛白書」だが、毎年日本国民はこれを見せられて、ロシアは超軍事大国だ!初めから勝てるはずはない!と思い込まされてきた。

しかし今はどうだ。総兵力85万人?だったと言われてきたロシア軍が、どこに”消えたのだ?”

米国の歴史学者であるE・ルトワック氏は、「ウクライナの反攻は成功する」とし、プーチン氏には3つの選択肢しか残されていない、という

そして「いずれにせよ、ウクライナ軍がこのまま快進撃を続けることができれば、いつかはロシアに占領された領土を完全に奪還し、2月24日の侵攻開始前の状態を回復するだろう」と予測する。さてプーチン氏にそれを押し返すだけの戦力が整うのか?

これを日本では「元の木阿弥」「 虻蜂取らず」という。

9月21日に、プーチン大統領は「重要演説」を行い、前々から準備されていた予備役などを「部分的動員」する大統領令に署名したと発表、同時に高給を謳って外国人志願兵を募り、一部の報道は囚人の動員を行っているという。「大祖国戦争」はどこへ行った??

かっては「米国と並ぶ超大国」らしからぬ有様だ!

 

御用新聞などの報道統制で「勝った!勝った!」と思い込まされてきたロシア国民も「様子がおかしい?」ことに気が付き、徴兵忌避が増えているらしい。馬鹿な大将、敵より怖い!ことにロシア国民も気が付き始めたのだろう。

ウクライナ戦争で、どっちつかずのあいまいな態度をとりつつ“漁夫の利”を得ようとしてきた中共政府にも、異変が起きつつあるという。

 

 宮崎正弘の国際情勢解題(26日)によれば、「ネットならびに華字メルマガ、ツィッターなどでの第一報は「サマルカンド出張にでた習の留守を狙った」クーデター未遂があった。このため習は不在中に党長老たちを監視体制に置いたというものでした。宋平(101歳)など監視対象者の名前までだしたので、具体的らしい情報でしたが、その後、こうした雑音は消えています」とある。

残念なのは、このような貴重な情報が、ロシアや中共、そして北朝鮮という専制国内では一般国民にまで行き届かないことだ。

 

ところが問題なのは、トランプ前大統領の標語が「MAGA(Make America Great Again)」から「SAVE AMERICAアメリカを救え!)に代わったと言うことだ。今、米国内では左右二派の熾烈な戦いが起きており、米国内政治は分裂傾向にある。 

 

 更に「AC 論説No.911」によれば、戦争中のロシア同様、 米軍も深刻な兵員不足だという。「米国陸軍の発表によると、今年の入隊応募者は例年の予定の6万人をはるかに下回り、秋になっても3万人も不足しているというから、”唯一?”の同盟国たる日本も安心してばかりはいられまい。

 自衛隊の場合は、創設以来通例的な「人員不足」に悩まされてきていて、雑務は増えるが人は増えないという「体験的実績?」があるから耐えられそうだが、それにしても「頼りにする米軍」が、こんな有様では日米安保はおぼつかない。

それとも、政府は得意とする「軍政民営化」で、民間委託を増やすのかもしれないが、鉄砲の操作もできない素人兵で太刀打ちできるのかな~

確かにITとドローン操作はうまいだろうが。

 

それよりも、まず自民党を筆頭とする「政治家集団」が「わいろを銃に持ち替えて」加勢することが早いだろう!

資金はオリンピック組織委員会に潤沢にあるだろうから、給料は賄えるだろうし…。

 

冗談はさておき、ロシアが苦境に立ち、中国に内乱が起き、そして肝心の米国政治は分裂して混乱したら、ウクライナ戦争どころじゃなくなるだろう。

安全保障担当大臣方、準備は?心構えは?いいでしょうな。

 

 

届いた書籍のご紹介

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両誌とも、特にコメントはない。