軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

国民の覚悟と「勢い」を背景に指揮するゼレンスキー大統領

昨夜は東北地方で大きな地震があり、交通網などにかなりの被害が出たが、関係者の努力で、解消されつつあるのは喜ばしいことだ。西で戦争、東で天災と最近の地球はめまぐるしく変化している。

しかし、今日の雨は、関東南部に住む者にとってはまさに「慈雨」と言ってもいいだろう。連日の水やりから解放され一息つけたが、それに呼応したかのように木々の芽吹きも一層盛んになった。

 

さて、膠着しているロシアとウクライナの停戦交渉だが、プーチン氏の目的は「ウクライナNATO加盟阻止」であり、ゼレンスキー大統領の方は「ロシア軍の速やかな撤退」というものだから、簡単には合意できまい。

ロシア人、というより国際的には「一度獲った領土は返さない」から取られた方は力で奪い返さねばならない。アメリカが沖縄や硫黄島などを「返してくれた」様なことは国際的には稀有なことなのだ。

それが「ロシア人の法則?」だから北方領土も“絶対に?”返さない。

だからロシア軍の完全撤退というウクライナ側の要求をプーチンが聞くはずはない。聞けば明らかにプーチン氏の敗北だからだ。だが戦いには「勢い」というものがあるから、国際世論を味方につけて、勢いを増している”有利な”ゼレンスキー大統領も簡単には譲歩出来ないだろう。

こうして「会議が踊っている間」にも、双方に犠牲者が増えていく。

マンネリ化した「ワイドショウ」にも疲れが見えてきていて、この侵攻を起こしたプーチン氏の代弁をする者も散見されるようになってきたが、あくまでもそれは「外野席の意見」に過ぎない。

昔から「兵は軌道なり」と言われていて、闘いは双方が如何に「敵を欺くか」という一点にかかっている。

その昔、日米開戦を煽ったのも日本のメディアだったように、裏で儲けようとする“輩”は古今東西絶えるものではない。

特に生きるか死ぬかの現場で戦っている者にとっては、そんなきれいごとを言っている暇はないのだ。ウクライナ国民もそうだろう。

ところで、昨日のブログにロシア軍の規律の乱れを少し書いたが、今朝の産経はこう伝えている。

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親ロ派や喧嘩両成敗派の評論家は「フェイクだ」というかもしれないが、私にはそうは思えない。

プーチン氏が作戦の遅滞に苛立ち、将官8名を更迭した」という情報も正しかろう。同じ“性格”を持ったどこかの国の最高指導者が、叔父を銃殺したという事例に近いし、日本でも福島原発事故の際、怒り狂った総理が社長以下を3時間以上も難詰した、という例もあるのだから。

2月24日に意気揚々と?作戦を発起したプーチン氏は、部下の余りの体たらくに業を煮やして「更迭」ぐらいするのは当たり前だろう・・・。

今の日本にとって大事なことは、台湾問題である。村井教授がいいことを書いていたから、ついでながらご参考までに提示しておきたい。

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日本人にも、台湾人と同じ覚悟があることを信じたい。