軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

指導者には「慎重な発言」が求められる!

バイデン米大統領が、ワルシャワで行った「重要演説」はまるで窮地に立つプーチン氏とロシア国民を「それ見たことか?」とばかりに非難した、超大国の大統領らしからぬ不手際発言だった。演説後、閣僚たちが慌てて「弁明」に走ったが、大国?の指導者たちはどうしてこうまで「迂闊」な発言をするのだろう。バイデン氏だからか?

確かにウクライナに攻め込んだP氏の行為は許せるものではないから、今や世界中が彼に猛反発しウクライナを支援しているように見えるから、P氏は完全?に孤立しているといえる。だからと言って「他国の大統領を排除しなければならない」ということまで公的な場で口走るのは、いかがなものか?

それじゃP氏のシンパでなくてもロシア人は敵に回るだろう。ロシアのペスコフ報道官は直ちに「ロシアの大統領はロシアの国民が選ぶのである」と反論したが、米国式の選挙ではなくとも、ロシア式のものもあるから当然である。本来の”米国式”ではない方式で自分が大統領職をつかんだからか?と発言の真意を疑いたくなる。

「勇み足」などと言って済ませられることではない。

どうも「2超大国(3超大国?)」の指導者は少し(かなり)おかしい。やはり彼らは「側近」に恵まれていないせいだろうか?

折角勝ち戦に向かっていたこの戦争に、若干“味噌”をつけて、勢いを鈍らせた感がする。ゼレンスキー大統領にとっては”有難迷惑”だったのじゃないか?「窮鼠、猫をかませてはならない」時なのに。

 

わがメディア(と言っても産経だが)には、ほぼ冷静な意見が出ているが、日本の週刊誌に任せておいた方がよかったのに…

しかしながら、北方領土を「不法占領」されているわが国にとっては、バイデン氏の発言は理解できる。そこで第2次大戦後に「ソ連が日本の領土を不法占領した例」を挙げたらよかったのに…産経抄氏はこう書いている。

 

他方、登山家の野口氏は、ウクライナ人が、ロシア(ソ連)に支配されていた時、どのように絶望的な苦しみを味わったか、とウクライナ国民の過去の体験を示唆しているが、上っ面だけの『平和論』を唱える方々には理解できまい。

ウクライナ“戦争”は、すでに1か月を過ぎた。これが「超大国」として同じ米国と肩を並べた経験を持つ国の実像であることを、わが国の識者諸兄には理解してほしいものだ。

 

届いた書籍のご紹介

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WILL5月号

周回遅れ?の核議論はさておき、「バイデン政権を操るネオコンの正体」と「プーチンを狂わせた戦争の仕掛人」は読みごたえがある。”上っ面だけの平和主義”の方々にもご一読をお勧めしたい。