軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

シベリア抑留者の会

5日,岐阜県土岐市で行われた,岐阜県シベリア抑留者の会に『講話』を依頼されて行ってきた.
新幹線が,『不審者が線路に入った』とかで,名古屋着が30分以上遅れ,中央線は多治見まで「普通電車』で進出,あと一駅なのに列車が無いので結局1時間遅れてしまった.
しかし,会の皆さんは昼食を先に済ませるなど,極めて適切な対応を取ってくださったので,約1時間充分にお話できた.
シベリヤ抑留者の会というのはその名のとおり、大東亜戦争終結と同時に、「日ソ不可侵条約」を一方的に破って『終戦後まで』侵略してきたソ連軍に不法に「抑留」され、極寒のシベリア各地で強制労働をさせられた方々の会である。皆さん80代以上の御高齢者ばかりで,総会の議長は何と95歳の方だったが,堂々と規定どうりの進行をされ会場から拍手が沸いた.

ロシア軍に『捕虜』として扱われた『屈辱』を忘れず,仲間の犠牲者達の遺骨収集を続けておられる.青春時代を棒に振った方々の集まりだが,今の日本人にどれだけ理解されている事だろうか.
彼らは決して『捕虜』ではなく,ソ連による一方的な『不法抑留者』である.
それにしても『ソ連共産主義者』のやり方は卑怯な事この上ない.政府は国際法違反として厳重に抗議すべきだが腰が引けている.北方領土も然り,私の生誕の地、樺太始め,固有の領土は言うに及ばず,彼らが占領するいわれは無い.ヤルタの密約なんぞ,国際的に通用するはずは無かろう.
有効期限を残していた『日ソ中立条約』が優先するはずだ.
御当人方はもとより,御家族の方々も御高齢になった.『あとどれだけ遺骨収集を続けられる事か・・』とつぶやかれた心境が思いやられる.
日本人の若者の中には,日本兵が戦地で『悪業の限り』を尽くしたかのように中国政府から言われつづけ,自信を失っているように見えるが,そんな事はありえない.中国やソ連の方がどれだけ非人道的行為を重ねているか.シベリア抑留はその例である.
日本人の『犠牲的精神』の権化を見るようで,物静かで礼儀正しい方々の集まりであるこの会には何時行っても頭が下がるのである.