軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

入院日記 第2幕「極楽篇(その6)」

 味気ない夕食をとりつつ思ったのだが、病院では入院患者に厳しい食事制限と管理をする。回復させるための当然の処置なのだが、普段の一般家庭ではそんなことはほとんどしていないのが実態だろう。我が家でも、家内が一ヶ月間の「献立表」をきちんと立てて、毎日食材を買いに行っているわけではないし、その日その日の“思いつき”で献立は作られている。スーパーで、今日は何にしよう?という問題提起から始まり、肉か魚か、和食か洋食か、それとも中華か・・・、或いはその日のスーパーの「特価品」に左右されるか、せいぜいそんなところかと思う。
 入院して始めて「食事管理」の重要さと、それを継続することの偉大さを痛感した。現役時代は、部隊では病院と同じく、専門の栄養士が月間の献立表を作る。それを各階級、各部隊から選ばれた給養担当者が目を通し、献立が決定される。どうしても「若者向けの献立」が中心になりやすいから、昼食で出された食事を“もったいない”と全部平らげると、上級幹部は「メタボ」になりやすい。
 献立表を作るか作らないかに限らず、一家の食事を担当する「主婦の偉大さ」を思い知った。まさにそれは“芸術”であり“科学”である!

 SさんがYさんと話し始めた。
Sさん「Yさんよ、近頃の若い連中は“照る照る坊主”も知らないんだぜ」
Yさん「ほんとかい?」
Sさん「ほら、俺リハビリで外を歩き回るから、雨じゃ困るから照る照る坊主をここに吊るしてんだ」
Yさん「ホントだ・・・」
Sさん「それを看護婦が見てさ、鼻かんだティッシュ丸めてこんなところに吊るしちゃダメッ!ていうんだ。鼻かんだティッシュじゃない、照る照る坊主って言ったら、何それ?てんだから参っちゃうよ。本気で知らねーんだ、最近の若い子」
Yさん「日本文化も終わりだね」
Sさん「ところで今日散歩して本屋に行ったんだけど、こんな本が百円だぜ」
Yさん「どれどれ」
Sさん「こんな男が女をだめにする・・・とか何とか言う立派な本よ。文庫本じゃないよ。本屋のオヤジと立ち話したんだけど、話好きなオヤジでツイ買ってしまったんだが、百円じゃ惜しくないもんな」
Yさん「池田・・・、芸術家かなんかだったが、まだ生きてるかな?確か死んだと思うが」
Sさん「知らねーが、なんでも彫刻もやるんだって」
Yさん「確か死んだと思うな。ナニナニ、『人間らしく個性豊かに生きた作者・・・』旨いこと書くね。上品に言えばこうなる・・・」
Sさん「早く言や〜『やりたい放題のデタラメ人生』ってとこ?俺のオヤジと同じジャン」
Yさん「そういうこと。ところでオヤジさんいつ死んだの?」
Sさん「3年前、俺死に目にあえず、駆けつけたら地下の霊安所に寝かされてた。病院と葬儀屋は提携していて、すぐにかかりつけの業者が来てさ、ご愁傷様ですとか何とか言って、葬儀の相談を始めやがる。真ん中が80万円で、それ以上とそれ以下に分かれますがどのコースにします?って言うんだ。目の前に死体があるのにさ、仕事熱心といえばそうだが、大したもんだぜ。それを聞いたお袋は『一番下でいい』って言う。俺はせめて真ん中ぐらいで・・・と言ったんだが、お袋は『死んだ者に金かける必要はない!散々私とお前に苦労かけたんだから一番下の下で十分』って言うんだ。オヤジが可哀想ジャン、って言ったんだがおふくろは聞かねー。何せ喪主だから従うほかネーもんなー」
Yさん「親父さん、気の毒だったな」
Sさん「そうしたらさ、業者が『分かりました』って軽蔑したように言ったんだが、その夜の通夜の料理が何とも貧相で、コンビニの巻き寿司見たいのがちょろっと並んだだけ、しかも、意外に客が多かったので足りなくなってさ、そのたびにビール2本とか追加する、何とも寂しかったよ。もったいない、もったいないって、お袋は本当のECOばあさんだよ」
Yさん「男ってえのは本来見栄っ張りなところがあるよな。それに比べりゃ、女は割り切ってるから偉いよ」
Sさん「本当、男はカワイソーよ、葬式の時は流石にお袋は泣いたが、翌日からけろっとしてすぐに生命保険取りに行ってさ、親父はどっちかというと“田舎のプレスリー”だったから、酒飲むと気前よくなってしまうバカ、でもちゃんと保険かけてたんだよな。俺も親父には悪いが泣いたのは一日だけだった。父親と母親って、ホントに違うよな」
Yさん「それはいえるな、だからうまくいくんじゃない?」
Sさん「確かに・・・、でも俺、お袋が死んだら泣くと思うよ」
Yさん「昔から、男はお袋に、女は親父に泣くって言うじゃない」
Sさん「そうかな、でも親父には悪いが、俺、間違いなくお袋の時にはじゃんじゃん泣くような気がする」               (続く)



 中国・貴州省の暴動は、オリンピックを控えた北京政府にとっては速やかに“始末”せねばならない重要案件だろう。少女暴行に地方官憲の息子らが関与したことを隠して、彼らは少女と“腕立て伏せ”をしていただけだというから笑止の沙汰、その後彼女の産道や子宮が切り取られ“証拠隠滅”を図った形跡があることなどが、遺族達の激怒を買ったらしいが、真相は徐々に明らかになるだろう。
 コロンビアの“見事な”救出作戦の裏話が、既に暴露され始めているという。今朝の産経は「スイスの公共放送局」が、信頼できる筋の情報として、解放に当たって犯人側に身代金約2000万ドルが支払われていた、という。私もCNNの長時間にわたるライブを見ていて、作戦の詳細を事細かに語る将軍に違和感を感じていたのだが、これもいずれ真相がわかるだろう。ただし、大統領が部下(軍人)を信頼すべきことは当たり前のことだから、その点だけでも日本の「シビリアン」は学ぶべきである。

マオ―誰も知らなかった毛沢東 上

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