軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

習近平主席、孤立無援か?

今朝の産経一面トップは久しぶりに気持ちがよかった!
「閣僚の靖国参拝:首相《脅かしに屈せず》」とある。
やっと本来の指導者が現れたか、と嬉しくなったが、この答弁を引き出したのが、民主党徳永エリ議員。
地上波TVでは答弁する首相のみが報じられたが、メールに届いたUチューブを見て、徳永エリ議員は日本の国会議員じゃないと思った。選挙区はどこか知らないが、少なくとも中国と韓国から指示を受けている様に見えた。この手の“国賊”議員は過去にいくらでもいたが、早く消滅してほしいものだ。


≪答弁する安倍首相=産経から≫


さて、彼女が“支援?”する中国では未だに陰湿な権力闘争が続いているが、その時々のトップが何をやったか大まかに整理してみると、新主席が取るだろう戦略?が読めてくる。
毛沢東は「文革」で、年端もいかない子供たちを使って政敵を殺させた。
トウ小平は「天安門」で軍隊に学生らを虐殺させた。
江沢民は気功集団である「法輪功」を恐れて虐殺・排除した。
胡錦濤ウイグルチベット少数民族の滅亡を図ったとされる。
そこで習近平主席だが、着任早々なこともあってまだまだ政権は固まっていない。
むしろ、短期間に大気汚染、水資源枯渇、PM2・5や鳥インフル四川大地震など、天変地異が相次ぎ、席の温まる暇もない。
彼自身は、どうやら自分の代で共産党が消滅するのでは?という恐怖観念にとらわれているように思われる。そこで人民の気をそらすために「尖閣」を目標にしてみたが、軍事的に今のところ勝ち目はないことが判った。


確かに日本の歴代政府は弱体で、議員はハニートラップには引っかかるし、少し脅せばすぐに「犯人」さえ引き渡すほど弱気だった。それに友好メディアは政治経済、それに軍事に関わる貴重な情報を積極的に提供してくれる。
更に国会では、彼らが書いた原稿?を下敷きに質問する「友好議員」が、北京政府に代わって日本の閣僚を苛めてくれる。そして予期した通り「民主党」という、実質左翼政権が誕生したので予定通りに日本併合が出来ると踏んでいたところ、12月になって日本の政治は急変し、あろうことか「安倍右翼政権」が再登場、そして矢継ぎ早に、旧弊打破に取り組み始めた。デフレも解消、経済環境は上向きになり、子分の韓国では経済が落ち込み始める。
そこで再び「歴史問題・靖国」を持ちださせてみたものの、今度は首相自ら「脅かしに屈せず」と一蹴される始末。
全てが予想と反対に動き出したから、おそらく焦っているに違いない。

≪難しくなってきた?=インターネットから≫

そこで2月には、国際情勢を見て北朝鮮への原油を止めてみたものの、どうも形勢不利、北製ミサイルは身内に飛んでくる危険はあるが、やはり日本を脅かすためには必要だと考えて、3月に10万6千トンの原油援助を再開した。
これを見た北は、航空機用燃料や灯油も要求したから、おそらく原爆開発に血道を上げるだろう。北の方が一枚上である!
そこで大陸に対する「恐怖のDNA」を持つ韓国を利用する。幸い大統領は国民に不人気な女性だから、靖国歴史認識…とたきつければ乗ってくるに違いない。ところが伊外相訪日をドタキャンさせ、反日姿勢を強調させてみたが、安倍首相は動じなかった。


別所浩郎駐韓大使(左)に抗議する韓国外務省の金奎顕第1次官=25日、ソウルの韓国外務省(共同)=昔も今も大陸の使い走り≫


どうも打つ手がなくなってきた所にウイグルで“不穏な動き”が生じた。


≪【北京=川越一】中国国営新華社通信によると、中国新疆ウイグル自治区カシュガル地区巴楚県で23日午後、不審な武装集団と警官らが衝突し、合わせて21人が死亡、2人が負傷、8人が拘束された。中国外務省の華春瑩報道官も24日の定例記者会見で認めた。当局はテロを計画していた集団と断定、身元や背後関係などの解明を急いでいる(産経)≫

しかしこの事件の発端は、数日前にウイグル人の幼児が数人、歯を抜かれて放置されるなど“虐待”された事に怒ったウイグル人が、犯人追求しようと集まっていたところを官憲に襲撃され、警官が先に発砲したのが原因だ、といわれている。
その伏線で次の記事を読むと理解できる。


≪地元メディアによると、23日午後1時半過ぎ、地区の職員3人が民家で刃物を携えた不審な集団を見つけ、通報した。警官らが駆けつけたところ、職員3人は殺害され、民家には火が放たれていた。

 警官が集団の6人を射殺。当局側も警官ら計15人が死亡した。当局側の死者はウイグル族10人、漢族3人、モンゴル族2人。武装集団の身元は不明だが、現場は少数民族が多い地域という。

 同地区などの中級人民法院(地裁)は3月下旬、テロ集団を組織した罪などでウイグル族の被告20人に、最高で無期懲役実刑判決を言い渡したばかり。ロイター通信によると、世界ウイグル会議の報道官は冤罪を主張し、「テロを口実に重刑を科すのは中国特有の抑圧手段だ」と判決に反発していた。

 殺害された職員は犯罪取り締まりの一環で民家を訪れたとみられる。華報道官は「小規模テロ集団があの手この手で新疆の安定と発展を妨害、破壊しようとたくらんでいる」と述べた。当局の対応は、同自治区ウイグル族の弾圧が加速している可能性を示唆している≫


中国は、国内少数民族の独立を抑えるため、彼らを≪テロ集団≫と規定して米国と同一歩調を取り、公然と“取り締まって”きた。
今回もボストン“テロ”を利用して、米国の理解を得ようとしているようだが、米国務省のベントレル報道部長は24日の記者会見で、
≪中国の新疆ウイグル自治区での衝突で21人が死亡したことに「深い懸念」を表明した。中国政府が、警官隊と衝突した武装グループの背後にテロ勢力がいるとしていることについては、情報収集中とした。

 同自治区では、漢族支配などに対する少数民族ウイグル族の不満が強い。ベントレル氏は衝突の「徹底捜査」を促した上で、ウイグル族に対しても国際人権法の基準を満たす適正な手続きを保障するよう中国側に求めた。また、ウイグル族によるイスラム教の信仰が規制されているとして懸念を示し、中国政府に政策の変更を強く要請した。

 また、ノーベル平和賞受賞者で中国の民主活動家劉暁波氏の妻劉霞さんが2年以上も自宅軟禁下にあることには「正当化できない」国際法違反だとの認識を示し、2人を自由にするよう改めて求めた。(共同)≫


お忘れだろうか、昨年10月、四川省で1万人が暴動を起こしたことを。
17日午後、四川省瀘州市内でトラック運転手が警察関係者の暴行で死亡したのを発端に、1万人参加の暴動が起きた事件である。

この時地元当局は記者会見で、警察関係者の暴行を否定し、死因は心不全で「交通整理に従わない運転手が警察関係者と小競り合いを起こした。その最中、運転手は体調不良を訴え、所持した薬を服用したあと、救急車で運ばれたが、間もなく死亡した」と言い逃れしたが、人民は誰も信じてはいない。

今回のウイグル事件も、やがて大火事に発展する予感がする。


毛沢東時代にもこれほどの多事多難な状況は起きなかったから、新任の習近平主席は困惑していることだろう。

案外、「ボクチャン主席になんかなりたくなかったんだ!皆が選んだから仕方なくなっただけだ」などと言っているのじゃないか?
下手をすると、ソ連が解体して「ロシア」になったように、中国も解体するかもしれない。ボクチャン、最後の「皇帝」になりたくない、なんて…

≪行く手は険し!=産経から≫

そう勘ぐると「中国外務省アジア局の熊波副局長は24日、「現在の困難な局面をつくった原因ははっきりしている。両国関係に障害となっている問題を直視すべきだ」と述べ、安倍政権の閣僚による靖国神社参拝や、沖縄県尖閣諸島をめぐる日本側の対応を非難した(産経)」ことも理解できる。また、
新華社電によると、中国海軍の宋学副参謀長は23日、「中国の空母は1隻にとどまらない」と述べ、中国初の空母「遼寧」に続く新たな空母の建造を表明した。

 宋氏は「国家の海洋権益擁護というニーズに基づいて(新たな)空母の規模を決める」とした上で、遼寧より大きい空母を建造したいと述べた≫
という記事も理解できる。


日中安保対話の席上空母は6隻作る、と息巻いた軍人がいたから、「6隻といわず10隻作りなさい。大日本帝国は70年以上も前に10隻の空母艦隊を持っていて米国と戦ったのだ。米国だって“僅か”11隻だ。経済大国中国にできないはずはない」とけしかけたら、夕食後に海軍少将が「4隻の計画があるがかなり無理…」と本音を語ってくれたことがある。
空母艦隊は、すくなくとも1隻当たり15隻の護衛艦隊を伴わねば戦力にならない。6隻揃えても可動は半数だろう。
何よりも空母はただの「ドンガラ」に過ぎず、戦力は搭載する航空機の実力が左右する。
そんな軍事の現実を知れば知るほど習近平主席は“絶望”し、それを察した中国海軍の宋学副参謀長が景気づけのアドバルーンを上げた…


ただでさえ景気が斜陽化しつつある現在、空母建造を知れば人民がどう思うか。地震救援でも、空軍ヘリが峻険な山岳地帯で降下着陸できず、地上では13軍団の軍用車が谷底に転落して10数名が死亡するなど、救援活動もままならない解放軍の実力を目の当たりにした四川省の人民は特に怒るだろう。


民心はバラバラ、権力争いは執拗で陰湿、おまけに天変地異が連続し、鳥インフルでは5000名以上も死ぬことが予想されている。
そうなればいかに抑圧された人民でも、怒り心頭に発して行動に移るだろう。
そこで彼は、歴代主席に倣って弱腰日本の領土である「尖閣」を突破口にしようと決意してみたが、日本の海上保安庁でさえも国民を守るために勇気ある行動をするし、その後ろには自衛隊がついている。勿論米海軍の第7艦隊も…
おまけに日本の親中メディアを使って、靖国問題で安倍首相に揺さぶりをかけてみたものの、逆に「脅かしに屈せず」という強固な意思表明を引き出してしまった。


どうもことごとく予想が裏切られてきた…。そんな孤立無援の立場にある主席が目に浮かぶ。
しかし、それは中国の内政問題、我々は断固として自国の主権と領土を守る手段を整えておくことだ。

何となくそんな「夢想」が浮かんできたのだが、当たるも八卦、当たらぬも八卦、油断することなく、やるべき処置をしっかり取っておくことが大切だろう。
ところが2年前に60歳で定年退職し、再任用されていた防衛省の女性事務官が“逆ハニートラップ?”に引っかかったとか。オイオイどうした?防衛省。何とも女性に対して「脇が甘すぎる!」
週刊文春には「彼のために綺麗になりたい」だとか。
以前女性外務事務官が新聞記者と“情を通じて”機密文書を流した事件や、女性銀行員が巨額の金を男に貢いだ事件を思い出した。
ああ何とも哀れなり、女心…とでもいうべきか。
その点からは、中国の味方をする国会議員もそうだが、国家防衛を預かる役所としては実にお粗末、防衛省よ足元を固めよ!と言っておきたい。

≪A子退職の日に撮られた写真(白い服がA子、右端が木野村情報本部長)というキャプション付=週刊文春:2013・5・2・9号から≫

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