軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

震災復興は地方から!

震災後2か月半になるのに、連日、福島原発の対応ぶりが話題になるだけで政府の復興計画やその取組がほとんど見えてこない。
北は北海道から南は関東まで、広大な地域が被災したのだが、津波被害が焦点となるのは当然だとしても、聊か復興に取り組む政府の姿は心もとない。

20日夜の報道ステーションで、40年も日本に住む知日派のカーティス教授が現地視察後コメンテーターを務めていたが、被災者の礼儀正しい対応に感動するとともに「日本は国民があまりにも立派すぎるので、政府はそれに甘えている!」「こんな立派な国民だったら誰でも政治家が務まる」と批判していた。
そう、多少のことではくじけないそんな民度が高い国民で構成された日本国だから、教授が言うように、確かに程度が低く、無教養な政治家(屋)でも勤まるのである。議決で手を挙げるだけ、それも親分の言うとおりに上げればいいのだから…。だから外国人の教授に「日本の政治家は甘えている!」と痛烈批判されるのである。


鳴り物入りで何とかチルドレンとしてバッジをつけただけの方々の姿が、この緊急時に全くと言っていいほど見えないのもそういう観点から見れば当然である。そんな未経験で信念もない彼らを、国民のだれもが信頼も期待もしていないだろう。投票した悔いだけは残っているだろうが…
カーティス教授のコメントを聞いていて、誰にも簡単にはできない「戦闘機のり」で終わった34年の私の人生に誇りが持てた!!


報道も一点集中の気配が濃いが、まさか“何か”に向けて扇動しているとは言わぬまでも、どうもピンとはずれ、現場の様子が画像だけでは伝わってこなくなりつつある。もう、お涙ちょうだいレポートだけではなく、復興に向けた地方の動きを強調してほしいと思っていたが、最近になって漁業関係者や農業従事者たちの動きが伝わり始めた。農業は自然が相手である。時期を失すると田植えもできず、受粉時期も失する。そうなると一年間無収入になる。働かなくとも≪歳費≫が手に入る方々とは訳が違うのである。


三陸沖の漁場は海中が意外にきれいで漁獲に期待が持てるといい、漁師たちは残った漁船に乗り組んで出漁する準備中だという。しかし、問題は水揚げの場所とせりと流通が不安定なことらしい。地方自治体は懸命に努力しているが、政府の指導がさっぱり見えないので、見切り発車しているところが多くなりつつあるという。


今の復興会議や政府の動きは「下手な考え休むに似たり」「会議は踊る…」などなど“ことわざどおり”に見えてくるが「兵は拙速を尊ぶ」。現場は決定を待っていては餓死しかねない。ある町長は政府に対して「金さえくれれば地元で復興してみせる」とまで言い切った。岩手、宮城、福島など、甚大な被害を受けた地方を経済特区に指定して、政府は速やかにカネを出して任せたらどうだ?


モタモタしているうちに、自然界はインプットされている成長力で日々成長を続けている。復興計画があろうとなかろうと、放射線量の高い低いなんぞに一向に関係なく・・・。
今年もかぐわしい香りで通る方々を癒している、家内の丹精込めたバラ園を見ていると、つくづく自然界のたくましさを感じるが、同時に自然界には「逃してはならない一瞬」があることも痛感する。水遣りは明日でもいいか…などと手を抜くと、貴重な花が萎れてしまうのである。

≪今年もいつものように咲いてくれたバラの花たち!≫


≪彼女たちの命はこの時期しかない!≫


菅政権の動きはピントがずれているようだから、枯れたり萎れたりした花に水やりすることになるような気がする。被災者の大半はご老人方である。
原発事故の判断を誤って被害を拡大した上に、復興支援が遅れて被災者をこれ以上犠牲にするようなことがあったら、それこそ天は容赦なく菅政権に「天罰」を与えるだろう。


来週、福島の墓修理見積もりと、石巻の友人達に再開してくる予定だが、地方自治体の長たちの復興に向けた采配ぶりに期待したい。

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