軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

新聞・テレビの限界

地デジ化した最近の地上波テレビはほとんど見ない。見るべきものがなくなったからだ。
3・11以後は被災地情報を提供していたから情報を得るためにも有効だったが、半年たった今、TV各社は節電どころか、以前にも増して“痴情派?”番組のオンパレード。安上がりな下請け番組の垂れ流し、これじゃ『テレビ局に対するデモ』も理解できるというもの。
基本的には私のように極力見なければいいのだが、一般的にはそうもいくまい。
無意識に見ていると、“脳内革命”が進行して、茹でガエル状態になることは必至だと思う。
私が加入しているケーブルテレビのいいところは、ナショジオ、ヒストリー、ディスカバリーなど、種々の番組が選べることであり、たまに地デジを見ても≪昭和30〜40年代の歌謡番組≫を楽しむくらいで、人生の終末点に近づいていることを自覚する!


ところで聊か旧聞に属するが、手元にSAPIOの8月3日号がある。その表紙がこれである。

≪表紙≫

≪そのグラビアページ≫


8月3日号は、≪新聞・テレビ「グロテスクな」限界≫を特集しているのだが、なかなか読ませるところがある。しかし大方の方々はそんな事とはつゆ知らず、頭から画像と記事を正しいものとして信じているに違いない。「だって、私たちは知りようがないじゃん!」と…


先日、中国情報について、大紀元時報から、「天安門広場事件」に参加した解放軍兵士のことを紹介したが、この事件は、わが国の大手メディアは≪なかったこと≫だとして葬り去った。

2000年9月、大陸内を旅行した私は、この運動を支持し、その後危険を感じて国外に一時亡命した青年から、詳しい話を聞いたことがある。
そこに大紀元時報に参加した兵士の証言が出ていたので紹介したのだが、今日はたまたま愛読している「宮崎正弘氏のメルマガ」の読者のコメント欄に、その動画を入手したとしてURLが紹介されていたから、早速見て気分が悪くなった。

何時消去されるかわからないので、私のブログでもご紹介することにした。繰り返し場面が入っているが、実写記録に間違いないと思う。中には死体が重なる残酷なシーンがあるので、その点を御了解してご覧いただきたい。


≪読者の声1・・・宮崎正弘のメルマガから
暴動が頻発する中国ですが、動画サイトで見つけた、「NHKと朝日が絶対に放送しない映像」、といえば1989年の天安門事件
http://www.youtube.com/watch?v=UB2oX07FpnI&feature=related
動画・静止画を組み合わせた11分ほどのものですが、逃げ惑う学生・市民、病院に運ばれる多くの死傷者、モロトフカクテル(火炎瓶)で燃え上がる戦車や装甲車など、動画ならではの臨場感があります。≫


さすが【南京大虐殺】を実行して他国に責任を転嫁した国だけのことはある、と絶句する。しかしながら、文化大革命のときもそうだったが、日本の一部メディアはなぜかかの国を“美化して伝える”けれども、その残虐性は報道しなかった。

SAPIOの特集は、理性を働かせて記事の裏を読むようにしないと、なかなか真相には迫れない、ということを示しているのだが、だからと言って、自ら現場に飛んで取材できないハンディが読者にあることも事実である。それを少しでも減少させるためには、広く情報を求める以外にはないということになる。


軍事作戦では偏った情報で行動すると部隊は全滅しかねない。そこが情報担当者の苦労する点なのだが、最後には情報素材を提供された指揮官が、その真偽を確かめて、作戦行動をどう決心するか、判断力が求められることになる。しかも誤判断は許されない。部下兵士たちの命はもとより、国家の運命がかかっているからである。

そのために指揮官たる者には限りなく「修養」が求められるのである。昔の自衛官手帳には「常に徳操を養い、人格を向上し…」と明示されていたが、今の手帳にはどうなっていることか? 防衛白書によると、防衛省は改革ばやりのようだから“改革”されてしまっているのでは?と気にかかる。


ところで、私が今気にしていることは、世界第2?の経済大国になり、軍事力の大幅アップを継続していて、次期主席が所属する派閥=軍という構造になりつつある人民解放軍トップの判断力である。

同じSAPIOの一面にこんな記事が出ていたのだが、これが今、聊か力に陰りが見え始めている米国に変わって、アジアを席巻しようとしている人民解放軍のトップの考えなのだという現実をどう受け止めるか。
来年のこの国の世代交代時に起きる公算が高い“混乱”は、天安門広場だけに止まらないのではないか?という悪い予感がするのである。

≪同、SAPIOから≫

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