軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

水、旱、疫、蝗、そして…

ここ数日、北京周辺でクーデターか?という情報がインターネット上で飛び交った。中には巧妙な写真つきのものもあったから、いかにも事実らしく見えないこともなかったが、天才的?な写真偽造術を持つ彼の国のこと、南京大虐殺信奉派以外はもう騙されまい。
しかし気になったのは次の様な噂話であった。
1、重慶副市長で失脚した王立軍は、公安警察の名義で5千丁の銃と50万発の弾薬を密かに入手隠匿して私兵を準備していたという。目的はクーデターだったというが、この国は群雄割拠、「国軍」ではなく私兵=軍閥が内戦を繰り返してきた歴史があるだけに、理由なしとしない。


2、それを黙認していたのが梁光烈上将と薄熙来で、中央政府に巻き返しを図っていた?といい、ここ数日、北京への道路は封鎖されていて、ホテルで発砲事件もあったらしいという。それに連動したのが、3月12日、山東省から軍が移動中だという情報であった。しかし日本のメディアも多数いることだから、事実だとすれば報じられないはずはない。


3、さらに、武漢では、軍が人民に≪献血≫を呼び掛けていて、病院に血液が不足しているらしいという噂である。もちろん、人民のほとんどはそれに応じていないらしいのだが、それは入隊する新兵は必ず献血させられているから、軍に血液が不足するはずはない、からだという。そこで「献血を求めるのは軍が戦争準備をしているのではないか?」と問われたのだが、私には答えられなかった。


しかし、私が三沢基地司令だった1991年1月に湾岸戦争が始まったのだが、その半年以上も前から、米軍の軍医と死体袋は次々に本国に集められていたから、軍による「献血」が事実だとすると、あながち紛争と無関係だとは思われない。もっとも、兵士の命を重視する米国のような民主的軍隊ではないから同様に扱われないだろうが、真偽は不明である。
私が気にしているのは、前回も書いたことだが、いかにも“唐突”に、尖閣を巡る動きが活発化していることとの関連性である。


今朝の産経は、≪尖閣巡視は「実効支配の打破」目的≫だと中国当局が表明したと次の様に報じている。

≪日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」。奥は海上保安庁の巡視船「いしがき」=16日午前7時40分、沖縄県尖閣諸島久場島の東南東約27キロ(第11管区海上保安本部提供)≫ 

≪中国国家海洋局の東シナ海管轄当局者が21日までに共産党機関紙、人民日報のインタビューに答え、沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)海域で16日に開始した海洋調査船の巡視活動について日本の実効支配の「打破」を目的にした「定期」巡視と表明した。実効支配排除を明確に巡視目的として掲げるのは珍しい。

 中国には「実効支配が50年続くと国際法判例尖閣諸島が日本の領土として定着しかねない」(日中軍事筋)との強い危機感がある。同諸島が沖縄県とともに米国から日本に返還されてから50年となる2022年5月が近づくにつれ、中国は強硬姿勢をエスカレートさせかねない情勢だ。

 国家海洋局当局者はインタビューの中で「(50年の)実効支配によって(日本の領有権を定着させる)『時効』を取得し、釣魚島を窃取しようとする(日本の)たくらみを打破する」と力説した。(共同)≫


この国は、国内騒乱から人民の目をそらすため必ず外に紛争を求める癖がある。そう仮定すると、今回の『クーデター騒動』も、かなり信憑性を帯びてくる。


大紀元日本(3月19日)は、「上海組崩壊寸前」と題して、≪2月6日、王立軍が成都米領事館に駈け込み、政治亡命を求めた。次期総書記とみられている習近平国家副主席が訪米中の2月15日、米国のベテランジャーナリスト、ビール・ガーズ氏が、米官員の証言を引用し、王立軍が米国に渡した機密情報の一部として、薄煕来と周永康習近平の次期総書記の就任を妨害する密約を交わしていた事実があったことを発表した。

これまで、周永康は何回も重慶を訪問し、薄煕来の「唱紅打黒」運動などを全力で支持した。2010年11月12日、周は重慶を視察し、「重慶の革命の歌を歌い、経典を読む運動を、全国の司法、公安、警察、裁判所などの政法戦線に広げていく」と強調した≫としている。


≪3月開会した両会で胡錦濤と握手をする中共ナンバー2の呉邦国全人代委員長:大紀元時報から≫


黄文雄氏は「中華帝国の興亡」に、「帝国崩壊の歴史は水、旱、疫、蝗の循環でつくられてきた」と書いたが、その他にも「帝国崩壊の種」になるのは、1、領土の拡張、2、人口の過剰な増殖、3、天下統一が避けられない悲劇、4、避けられない同時崩壊の歴史法則、5、時代が変われば国家の寿命も終わること、を付け加えている。
そして≪一君万民制の否定から始まった中華民国中華人民共和国において、国民党も共産党もともに、循環から抜け出ようとして西欧モデルの近代国家の国づくりを目指した。だが変化したのは表層部分の形式だけであって、社会の「進歩」「発展」は乏しい。近代中国の政治指導者は、中華帝国の伝統を否定していながら、結局は第三中華帝国再建という大望を抱きつつ彷徨を続けているのである≫と書いているが、気になるのは≪ソ連の寿命は七四年で終わり、中国はひょっとしたら七〇まではいかないという警句を発したのは、胡錦濤だ≫と指摘していることである。

既に「水、旱、疫、蝗」は大陸内に蔓延している。胡錦濤の“予言”が的中するのも間近なのかもしれない。

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