軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

動き出した?米国

来日したヘーゲル米国防長官が、集団的自衛権の行使容認に向けた政府の動きを歓迎し、「平和と安定に貢献するため積極的な役割を果たそうとする日本の取り組みを歓迎する」と述べ、尖閣諸島が日本の施政権下にあり、日米安保条約の適用範囲になるとする米国の立場を確認し、北朝鮮に対する抑止力を向上させるため、イージス艦2隻を2017年までに追加配備する計画を明らかにした(産経)。

ヘーゲル米国防長官と小野寺防衛大臣=産経から≫


我が国周辺情勢は、北朝鮮の政局不安定と韓国に対する軍事偵察などの常態化、核開発宣言など、日本との交渉継続中にもかかわらず、強硬な姿勢を崩していない。さらに今回、ラジコン機まがいの無人偵察機を韓国内部深くに侵入させていたことも判明した。若い第一書記様はやる気満々なのである。

≪発見された3機目の無人偵察機=産経から≫


他方韓国は、奇妙な反日宣伝に明け暮れている女性大統領の常識を疑うような行動が続いていてるが、その間のすきを突いた北が、軍事的行動準備態勢を築いていたことが判明したから、国防部はあわてている。

元々北朝鮮は、昔からレーダーに映らない布張り航空機やセスナ機に爆弾を抱かせて侵入し、青瓦台に突っ込ませようと研究していたほど奇想天外な戦術を持っている国なのだ。
日本に負けまいとF−15Kを導入したり、イージス艦や「独島」号を建造したりと、韓国は意図的に南方に敵を作っていたが、真の敵は北にあり!ということを忘れてしまっていたらしい。在韓米軍がいなければ、とっくの昔に北に併合されていただろう。
悪いことは言わないから、本来の敵に向かって吠えなさい、と大統領閣下に助言しておきたい。

≪設計通りに動かない韓国海軍の「独島」=インターネットから≫

万一第2次朝鮮戦争が勃発しても、今度ばかりはわが国は韓国支援からは手を引かせてもらうことになるだろう。国民が納得するまいから…


シナは、江沢民一派の殲滅活動で大多忙、軍の高官らは証拠隠滅と保身で手一杯だから、とても組織的戦闘行為はできまいが、逆にその状態の方が危険極まりない。群雄割拠して昔の「匪賊大国」に戻りかねないからだ。


その匪賊大国に飲み込まれる危機感を抱いた台湾の青年らは、国会を占拠して危機を脱しようと懸命だが、さすがは民主自由国家、シナ大陸の様に軍事力で学生を虐殺することはなかった。
228虐殺を体験している台湾人は、馬総統がどう出るか気になっていただろうが、それだけに学生らの行動は勇敢だったといえる。シナ大陸の学生たちだったら「天安門事件」を思い出して二の足を踏んでいただろうから。

≪6日、台湾の立法院を訪れ学生らと話す王金平立法院長(中央)(ロイター=共同)≫


そんなアジアで局地紛争が起きれば、ただでさえウクライナ問題で手を焼いている米国にとっては身動きできない状態に置かれる可能性がある。

そこでヘーゲル長官は先手を打ってきたとみる。23日にはオバマ大統領も来日するから、アジア情勢を安定させておかねばならない。
一定の成果を上げたところでウクライナと対ロ、欧州情勢に取り組むのだろうが、そこまで米国の力は減退しているという証明でもある。

軍事の常識として、「腹背に敵を抱えない」という鉄則がある。2正面作戦ともいうが、第2次世界大戦では、ヒトラーは一気にフランスを降伏させて西部戦線を収束し、返す刀で東のソ連に侵攻した。しかし冬将軍と、米国の強力な軍事援助で復活したソ連に反撃されて壊滅した。これも結果的に腹背に敵を抱えたからである。

我が国は後ろから攻撃されることを極端に恐れていたスターリンの牽制に引っかかって、張子峰、ノモンハン事件で中途半端な停戦をしたが、それでも関東軍特別大演習を計画してスターリンを牽制した。しかしゾルゲに情報をつかまれてこの演習は「こけおどし」であると見抜かれ、昭和15年、ついに北進ではなく南方作戦を決定して南進し、日米開戦に陥りドイツ同様敗戦の憂き目にあった。

オバマ大統領は「世界の警察官という立場を放棄した」と宣言した。シリアでは軍事力行使を躊躇し、この時点で米国の威信は揺らぎ国際情勢は極めて流動的になったのであり、ロシアもシナも“金メダル”を狙って動き出したのである。
ミリタリーバランスが最も崩れたのはアジアであり、それを埋めるのは“アジアの大国”であるはずの日本以外にはない。
にもかかわらず、戦後半世紀以上も、世界の平和に貢献しようという自覚ある政府は生まれなかった。商売人に徹するのが国策になったのである。
つまり憲法前文にある≪われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する≫という“崇高なる”使命にはとんと興味を抱かなかったのである。
本気で憲法を守るのであれば、アジアの危機に臨んで、前文にあるように一肌脱いだらどうだ!


自国の安全を同盟国に一任し、アジアのアンバランス解消にも貢献しようとはせず「生活が一番」だとか、「福祉第一」だとか世界の常識から逸脱した項目にうつつを抜かしているようじゃ、同盟国からも見放されるだろう。


爆弾を抱いて突撃した青年や、矢弾尽きても銃剣や日本刀を振りかざして敵陣に突撃してきた勇猛果敢な大日本帝国陸海軍将兵と血みどろな戦いを経験した“同盟国人”は、いまや全くの“甘えん坊”に成り下がった現代日本人を見て信じられない思いだろう。

特攻機、米空母に突入≫

沖縄戦で戦死した米軍兵士:合掌≫

≪万歳突撃で戦死した日本軍将兵:合掌=サイパン戦≫


北と南の朝鮮からも、シナやロシアからも、舐められっぱなしである原因はこんなところにあると私は思っている。

クリミヤ問題で惨めな思いをした米国は、少しは反省したらしく本格的に動き出したかのようであるが、民主党政権下である以上、カーター大統領時代の轍を踏まぬとも限らない。
アジアの軍事的空白をどう埋めるか、安倍政権に問われている大きな課題である。

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

金正日は日本人だった

金正日は日本人だった

ジェットパイロットが体験した超科学現象

ジェットパイロットが体験した超科学現象

日本を守るには何が必要か

日本を守るには何が必要か

ある駐米海軍武官の回想

ある駐米海軍武官の回想