軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

地方の落ち着きと中央の乱れ

20〜21日と北陸地方を“巡業”してきた。最寄駅を午前7時に出て、9時過ぎに羽田空港につき、10時15分にゲートを離れ、33分にテイクオフ。
小松着陸は1115だったから飛行時間はわずかに40分弱、しかしその前に3時間以上も地上をうろうろしたのだから、アインシュタイン相対性理論じゃないが、時間の使い方という点では深く考えさせられた。


日本の伝統が残る金沢は小雨、翌日の富山は曇り、昭和11年に建てられ戦災を免れた電気ビルは何とも威厳に満ちたゆとりある建築物で、私より3年生まれが早い。富山県庁も焼け残りだそうだが、昔の建造物はゆとりがあり威厳があり、なんとなく落ち着くのが不思議だ。昔の日本社会には人間性があふれていた?という証拠かもしれない。
講演会はいつも通り“脱線転覆”で失礼したが、何故か皆さん方「すっきりした!」と、まるで“便秘薬のコマーシャル”のような感想だったから恐れ入った。金沢には、工学博士の学位を持つ陸の防大同期生がいて、久しぶりに歓談したが、「今の若者教育で痛感するのは我々大人の『教えざるの罪』が大きい」という話で、私も同感した。もっとも教えることが出来る実力(自信?)がない“大人”が増えたのも原因だろうが…


金沢から富山に向かうJR特急の乗客は閑散としていて、窓外の風景も実にわびしい…、とそこでふと思った。
車内で気分が悪くなった乗客対応で遅れたり、新宿・品川等乗りかえ駅の混雑ぶりはまるで黄色スズメバチの巣に群がるハチのような混雑で、自分の意志で歩けない状況だったことを思い出したのである。
途端に私が今見ている風景こそ、本来あるべき人間社会じゃないか?と思った。東京にあこがれて人が集まるのは仕方なかろうが、地方の生活も素晴らしい。気が付かないだけなのだ、それとも年のせいか?と考えた。
つまり、メディアの宣伝で、地方は「過疎」で「経済が低迷していて」「遅れている」という思い込みだ。


大混雑を抜けて40分で北陸の地に移動した私には、地獄から天国ほどの変化があった。金沢も富山駅も、来年3月の新幹線開業に向けて工事中であり不便ではあったが、逆に新幹線開通で有象無象がなだれ込み、この日本の原風景が破壊されないことを祈った。
そう、人口減による地方都市の過疎化は、考えようによっては失われていた人間性回復に役立つに違いない、と思ったのである。
石破大臣よ、地方創生には、金銭的な悲観的現状を改善するという発想ではなく、地方に残されている人間らしさ、日本らしさを生かした経済活動向上に目を向けてもらいたい。


この2日間の新聞TVは、大臣辞職に群がる“ハイエナたち”の騒々しさでいっぱいで、ホテルの新聞全国版(朝日新聞はなかった!)は無味乾燥だったが、地方紙は内容が豊かだった。地方色豊かな記事に感動することしきりだったが、そのうちの一つを紹介しておこう。


≪「北国新聞」10月20日付≫
「ANCA関連腎炎という難病を持つ北大附属病院の若い歯科医夫人が懐妊、出産は無理と中絶を宣告されたが、「可能性が0%でない限り生かす道を探したい」という夫婦の決意で可能性がある金沢大附属病院を探し当て、無事出産にこぎつけた。
「母体が危険だからと諦めていたら、この子はいない。この場所で医師として恩返ししていきたい」という夫は金沢に転居を決意、そして同病院に就職したという愛情ドラマである。母子とも健康、一家の笑顔が素晴らしい。全国紙には期待できない人間ドラマだろう。地方紙万歳!≫


“下ネタ”ネギ事件に揺れた小渕大臣は潔く辞職したが、彼女を支えてきた地方事務所の“田舎人的発想”ぶりにはあきれるほかない。おそらく父親時代からの「ローカルボス」の一存で、やりたい放題だったのだろうが、群馬県民の民度が試されそうで、何ともお気の毒。
一方「ウチワもめ」した女性法務大臣もスパッとやめたから、メディアは逆に困ったろう。それ以上に臭い問題を抱えている野党連合は、支持者に訴訟などを起こさせて安倍政権を揺さぶる気だろうが、彼らの方はよほどたちが悪い「下ネタ」ネギを抱えている。やがてブーメラン現象で身に降りかかるだろうから、目くそ鼻くそ、論じるに足りないが、今朝の曽野綾子女史の論評「女性2閣僚の辞任」でまとめとしておこう。

≪2閣僚辞任=産経から≫


安倍首相にも「輝く女性…」などと変な人気とりはやめた方がいい、と助言しておきたい。男には男の、女性には女性にしかできない使命があることを忘れてはならない。
確かに今は「男でもなし、女でもなし」という摩訶不思議な人間が増えているのも事実だが、「古事記・上巻」の冒頭部にあるイザナギイザナミのミコトの「我が身は、成り成りて成り余れる処一処あり。故に、この我が身の成り余れる処をもちて、汝が身の成り合わざる処に刺し塞ぎて、国を生み成さむとおもう」という故事を思い返すべきであり、西洋の創造主も「アダムとイブ」をこの世にもたらされたのであって「アダブ」を作られたわけではないのだ。
この世に生を受けた男性と女性の使命をもう一度考え直してみるべきではないか?


自衛隊に女性自衛官が入ったのは「男女雇用平等法」という“法律”を敷衍するため制度化されたもので、決して軍事的合理性を検討した結果ではない。
空自は女性パイロットを育成したが、これも役所の“目玉”的要素の結果で、筋肉力が出産のために男性の10分の1であるにもかかわらず、空中操作で筋力を必要とするためかなり本人に無理強いしているところがあるのだ。
勿論男女それぞれの「能力」には差はないし、むしろ学力という点では女性の方が優れている。しかし役には向き不向きがあるのは避けられない。

「受け狙い」ではなく、真剣に研究検討して結果を出さねば、あたら優秀な女性の能力を、逆に今回のように潰してしまう結果になりやすいことを学習してほしいものだ。


女性の社会進出は、どちらかというと「家のローンや子供の学習費用の埋め合わせのために」社会進出せざるを得ない状態に、政治が仕向けたのではなかったか? 日本では昔から優秀な女性の社会進出はだれも阻害してはいなかったはずだ。女性教育家や作家などはどんどん進出していたように私は思っている。政治だけがそのバロメーターじゃあるまい。
女性本来の使命を放棄?して、社会で“輝いている”間に、次代を担うべき子供たちがどんどん劣化していっているような気がしてならないのだ。

曽野綾子女史は文の結びに「…このお二人は美人で素敵な女性たち…」と書いたが、美人であろうとなかろうと女性の使命は大臣になるならないの問題じゃない、というのが私の考えだ。
当然曽野女史も「(このお二人は)政治以外のことなら、ほとんどどんな分野でも、才能を発揮されるだろう」と結んでいる。同感である。

≪産経から≫

我が国の周辺情勢は、ネギやウチワでもめている場合じゃない。シナ大陸では重大な決断が下されつつある。
三つ巴の政争に決着がつくのかつかないのか?
香港の民主化デモは、習政権の命取りにならないのかどうか?


≪この親にしてこの子あり!
「殴ってこい、バカ」「私のドレスは税金」……香港デモの火に油を注ぐ「行政長官の次女、斉●(日ヘンに斤)氏(フェイスブックから):香港の扱いで習政権は危機に直面するだろう。=産経から≫

イスラム国やエボラとの戦いを抱える臆病な米国は、世界情勢にどれほど責任を果たせるのか?
米中とも、共に抱える経済問題の出口はあるのか?


他方、わが国では野に下った「民主党」が、そんな国際情勢の危機対処よりも、安倍政権を揺さぶることによって、シナ政権に貢献するしようとしているかのように見える。しかし国民は2度と騙されないだろう!
民主党政権時代に、こんな大臣方がいたことをお忘れか?


≪これが外務大臣?≫

≪これが防衛大臣?≫

≪以下、閣僚たち…≫


秋篠宮ご夫妻に「早く座れよ」と暴言を吐いた有名なロチュウ議員≫

≪これが有名なルーピー総理…≫

≪そして民主党はこうなった…・≫


ブログが穢れるから此の辺でおわり、お口直しに日本人として嬉しくなる国民の勇気ある活動。(友人から送られてきた「素晴らしい日本人たち」)
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=aQcSwMhxp5w

と、戦後の「新憲法」策定に至る経緯をわかりやすくまとめた田久保忠衛氏の新著紹介。

≪「憲法改正、最後のチャンスを逃がすな!:田久保忠衛著=並木書房¥1500+税」≫

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