軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

意図的情報操作か?

昨日の産経は、戦後70年軍事パレードについて「日本は関係があると思うのか、ないと思うのか?」と中国外務省報道官が逆質問したと報じた。
≪中国外務省の華春瑩報道官は24日の定例記者会見で、戦後70年に合わせて実施する軍事パレードなどの記念活動に関し、すでに関係国の指導者へ招待状を出したことを明らかにした。安倍晋三首相を招待したかについて、重ねて問われた華報道官は「日本は第二次大戦と中国人民の抗日戦争に関係があると思うのか、ないと思うのか?」と逆質問し、直接的な言及を避けた。(北京 川越一)≫

どのように質問したか知らないが、戦後生まれの華春瑩報道官が、“中国人民の抗日戦争”などとよく言えたものだ。
シナ人が基準にしているのは1931年9月18日の満州事変だろうが、この地域の独裁者は張作霖だった。その後爆殺(ソ連情報員説が有力)された父の敵を討つべく、張学良が蒋介石西安で幽閉し、国共合作して対日戦に一本化した。おかげで蒋介石に追い詰められていた毛沢東は生き延びた。
その後1945年に米国に敗れてポツダム宣言を受け入れたシナ派遣軍は蒋介石(国民党政府)に武装解除されたが、その武器を手掛かりに毛沢東国共内戦に勝利し,蒋介石が台湾に逃亡したので大陸を統一したのじゃなかったか?

「人民」の抗日戦争などという前に、その人民を虐げている共産党政権の実態をどう弁解する気か?

日本人?記者がどう質問したかしれないが、「日本は中国共産党政権とは直接交戦していないから、対日戦勝記念などという行事には無関係だ!勝手におやりなさい、といってやるべきだったろう。


彼女の“反論”に対して質問者がどう答えたのかを書かないのも不適切だろう。尻切れトンボの記事でどうもメディアの不勉強ぶりが気になるが、次の事件報道は意図的な情報操作じゃないのか?


昨日TVなどで大きく報じられた台湾空港で、日本人俳優が係官に暴行したというニュースである。
親日国である台湾国民に全く申し訳ない…」と私は家内とこぼしたのだが、映像を見た途端家内が、この役者は日本人じゃない!と言い放った。
尤も“この世界”には韓流ブーム”とやらで旧日本国民が大勢入っているから確率的に…?と感じたのだが、今朝私のメールには次のようなものが入っていたので裏が取れた。


黒沢明監督の「影武者」やNHK大河ドラマ軍師官兵衛」といった作品に出演したことで知られる俳優の隆大介氏(58)が、酒に酔った末台湾の空港で入境審査官に暴力を振るった末にけがをさせた。

台湾側の説明では、隆氏は映画の撮影のために台湾に招かれており、映画の製作チームが行政当局の公式サイト上でお詫びの声明を出す事態になっている。

現地メディアは「韓国籍の芸能人」と報じる

台湾の大手紙、中国時報によると、隆氏は2015年3月21日18時(日本時間19時)頃に台湾の桃園国際空港に到着。
機内では大量の酒を飲み、パスポートを出す際に入域カードが未記入なのを入境審査官に指摘されて逆上した。
もみ合いになり、審査官は左足を骨折するなどした(以下略)≫


米大陸でも日本人を名乗った彼らが、相当悪辣なことをしているので在米日本人が迷惑している、という話はよく聞いていた。
日本料理の真似事くらいならまだ笑って済ませられるが、“このような傷害事件を起こすとなれば容赦できないだろう。朴大統領に責任を取ってもらうべきじゃないか。

問題は、台湾が国籍を報じたのに、日本のメディアがそれを無視することだ。チョーニチ新聞ならわからぬことはないが、産経よ、お前もか!といいたくなる。(どこかで公表していたら謝るが)


個人情報だとか差別だとか、日本のメディアは何を恐れているのか知らないが、もっと正々堂々と【事実】を報道してもらいたい。


話は変わるが、先日書いたシナの「地下の万里の長城」に関するニュースが出たからご紹介しておこう。

≪【大紀元日本3月24日】中国の地下にスーパー級の核基地が建設されていると、香港政論誌・争鳴3月号が報じた。1992年2月27日に建設が決定され、1994年3月に着工、2019年の完成を目指している。

「軍事の長城」とも呼ばれる基地は全長9600キロ、10省1都市を結んでいる。北京から始まり、山西省太原市、陝西省天水市、四川省綿陽市、四川省宜賓市、貴州省貴陽市湖南省懐化市、湖北省石門市、河南省許昌市山東省済寧市、河北省保定市を通って北京に戻る、という巨大な環状基地となっている。深さは場所によって50〜180メートルとなっており、1級道路(4車線)、2級鉄道線路(複線)、3級道路(2車線)などが建設されている。

総工費は5兆5000億元(約106兆円)。当初、2020年に完成する予定だったが、2019年の中国建国70周年記念に合わせるため、工期を前倒しして進められている。


同基地について、中国国防報は09年、核兵器を管理する第2砲兵部隊が中国北部にある山岳地帯の地下で、核兵器を保管する「大規模なトンネルを複数の地域で建設中」と報じ、存在を認めていた(以下略)≫


≪816地下の核基地工事現場(看中国)=大紀元日本から≫


≪第2砲兵部隊部隊による地下トンネルでの訓練(看中国)=大紀元日本から≫


ネット上では「なんで今時公表したのか?」と話題になっているようだが、資金繰りに困って、援助がほしいのだろう、というのが一般的らしい。


そこで気になるのが、唐突に出現した中国主導の「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)問題である。
先進7カ国(G7)を含む国々が次々と参加の意思を示しているが、ウォチャー等は「軍事費を補てんしているようなもの、人民と経済立て直しに寄与するところは皆無だろう」という。
今月末までに参加を表明した国が「創設メンバー」に名を連ねる見通しで、中国では「米国の姿勢に勝った」という趣旨の論評が出ているようだが、日本からもかっては江沢民主席の大ファンだった方が、3000人の財界人?を連れて朝貢されるというから、「地下長城」の資金繰りに貢献するのかも…
私は経済の素人、麻生副総理の慎重さに期待したい。


最後に、先日も書いたが、大紀元香港支社の郭君支社長が先日来日して新宿の京王プラザホテルで講演会を開いた。

一部を書いたが、今日の大紀元日本は、次の要領で講演内容のダイジェストを連載するという。

≪「3月24日」 編集者注:1989年の学生民主化運動「六四天安門事件」から今日まで、中国では一連の重大事件が発生し、未曽有の変化が起きた。しかも、それは引き続き、中国、ひいては全世界に長期かつ強い影響をもたらしている。こうした中、中国政府は巨大市場を餌食に外交ルートを通じて、各国政府、報道機関、企業及び投資家に圧力を講じ、国際報道機関に対し、「極めて敏感な事件」の真相を伝えないよう報道自粛を迫ってきた。それにより、国際社会が中国情勢を適正に判断できず、関わり方を間違ってしまい、歴史的な機縁を失ってしまう恐れが生じている。

大紀元香港支社の郭君支社長は中国情勢のキーポイントとなる問題を解説、激変を遂げる中国が日本及び香港にもたらす影響を分析した。本サイトはその講演の全文の和訳を連載する≫

詳細は大紀元日本のHPをご覧になっていただくとして、今日はその発言の一部を取り上げておきたい。

「★共産党専制体制の継承に構造的な欠陥があります。継承の合法性が乏しいことから、内部及び社会の問題を引き起こしています。その運営の過程においても、最高指導者が絶対的主導権を握るのがとても重要なことで、主導権が弱まっているときに、国民の結束を高めさせるため、最高指導者は必ずといっていいほど、対外に強硬姿勢を示します。逆の場合、内部の不安定要素を十分に制御できる時には、余裕をもって外交関係に対処します。
以前、毛沢東氏や�殀小平氏が日本に対して温和な態度をとったのも、強い主導権を握っていたからです。

こうした理由から、中国共産党政権の内部に不安が生じ、権力闘争が激化する時期に、往々にして対日関係が冷え込みます。

私個人の認識では、中日関係はアジア(主に東アジアと東南アジア)諸国の今後の発展の動向を決めてしまいます。両国は、政治と経済の協力だけではなく、文化、芸術、哲学、文学、文化心理学、歴史研究及び科学などの多分野で連携を深めるべきです。しかも、政府レベル、または政府主導の民間レベルに留まるべきではありません。

協力するには、まず和解しなければなりません。しかし現状では、全面的な和解は恐らくとても難しいでしょう。実現するには、中国がもっと寛容的な社会環境、もっと自信のある国民文化などを築かなければなりませんが、これらすべては共産党専制体制下では不可能なことです
何とも示唆に富んだ分析ではないか。華春瑩報道官の見解が聞きたいものだ。


≪講演中の郭君・大紀元香港支社長。2月18日=大紀元日本から≫


最後に、ここ数日で読破した書物のご紹介、良い頭の体操になったし、≪勝てば官軍≫の意味が分かった気がした。

土漠の花

土漠の花

明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト

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偽りの明治維新―会津戊辰戦争の真実 (だいわ文庫)

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会津落城―戊辰戦争最大の悲劇 (中公新書)

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