軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

半島と東アジアの歴史

 「ぽつんと一軒家」は、私の好みのTV番組の一つだが、最近この種の番組が増えて、見るものが多くなった気がする。

 16日のテレビ東京の「なぜそこに日本人!」も面白かったが、登場人物が97歳の孤独老人で、現役の「かやぶき職人」だというので恐れ入った。しかもスマホを片手に「世界と繋がっている」と言い、炊事洗濯は元より自分でこなす。訪問してきたレポーターに、具だくさんの味噌汁を提供し、「野菜は毎日とることが大切」と説教する元気さである。

 私も‟おさんどん”は欠かさないが、これは現役時代に通算10年間も「単身赴任」した成果だと思うものの、今孤独老人を味わっている中で彼から「実験的成果報告」を聞かされた気がした。

 家内が開発?した「野菜スープ」は、毎朝欠かさないが、10種類を超える‟野菜屑”入りで、最近は家内を思い出して「トマトピューレ」を入れた野菜スープに進化し、トーストのパンは「森のバター」と言われる「アボカド」にハマっている。

 これで一日分の野菜を取った気がしていたのだが、97歳の彼には敵わない。上には上がいるものだ!と教えられ、その上未だに「彼が世界と繋がっている情報網?」に刺激された。

 そんな時、新聞の「片隅」に、懐かしい記事を見つけた。

 この記事には少し説明がいるだろう。

 

 私は退官後、収集していた記録などをもとに、何冊かの書籍を出版したのだが、これは2009年10月28日の講談社から上梓した金正日は日本人だった」という刺激的な本である。

 実は現役時代から「朝鮮戦争」について、可能な限り資料を集めていたのだが、当時は関心がある在野の“友人たち”も多く、そのきっかけとなったのは「日本海北朝鮮金策号」が出現した事にある。

 講演会の席上で、「不法行動をする船舶にはさっさと射撃して追い返せばいいのだ。どうだ、あれ以降、不審船は出てこなくなっただろう」と能登半島沖不審船事件について言い放った時、会場にいた「上空を監視飛行したP3Cの乗組員」から「いや先輩、その後も出たのです。しかもなかなか逃げないで、不思議なことに我々が近づくとまるで船体番号と船名をわざと我々に見えるように動くのです」というのだ。

 大方の者は偶然だろう、と一笑に付していたが、私は金策」という船名が気になった。そこで調査に入ったのだが、不審船の行動は意図的な行為だった、と思われてきた。

 そしてついに「金策」とは日本軍が半島に残した「残置蝶者」だということに行きついた。そして朝鮮戦争はもとより、日米韓の奇妙な連係に話がつながったのである。

 

 その後平成21年12月25日のある新聞に、評論家の宮崎正弘氏が「衝撃的なタイトルだ」という書き出しで評を書き、時代が時代だけに私の母校(修猷館)の玄洋社や関連人物が出て来るので、最後に宮崎氏は「さて、本書に書かれていることは真実なのか、真じるか信じないか。筆者はこの本を「小説」として楽しく読んだ」と書いてくれたから、これが契機となってその後「大東亜戦争は昭和50年4月30日に終結した(青林堂)」出版に結びついたのである。

 

 それにしてもこのころはいろいろな旧軍人、軍属らに仲間が多かったから、今考えるとさしづめ「消えさせられた?日本の戦中戦後の歴史」を“強制的に”学習させられていたような気がする。

 

 

 記事に出た朝鮮労働党重鎮・金己男氏は、金策の次男と言われ、金正日氏死去の時には葬儀にあたっていたし、彼の兄とされる金国泰氏は、もっぱら米国に滞在して、北朝鮮と米国間の政治的結合の役を果たしていて、オルブライト国務長官(当時)の訪朝につながった。

 隠された日朝韓の歴史を紐解けば、半島の歴史の謎が見えてくる。もちろん「統一教会」と当時の自民党首脳人、特に金丸信小沢一郎らとの間の交流も明らかになり、オウム事件の裏にも迫ることになったろうが、もうほとんどそれらに詳しい関係者たちは消滅してしまったようだ。

 拉致問題と小泉訪朝の大失策の問題も、パーティ券問題で揺れる今の軽い自民党じゃとても手に負えまい。

 こうして歴史は書き換えられていくのだろう。

 

 今一度落ち着いて当時の資料に目を通してみたいが、視力が落ちで、体力も落ちた身では、97歳の現役かやぶき職人にとても太刀打ちできない。

 しかし時間はある。そこそこに頑張ってみようか!

 

 

届いた書籍のご紹介

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「Let it be,(あるがままに)保江邦夫著・明窓出版¥1800+税」

友人の保江先生の新著である。世界でただ一人「無農薬リンゴ」を栽培する木村秋則さんの話から始まり、未知の世界に導いていく手法なさすがだ。

思わず引き込まれたのは、私もその昔、木村さんの話に家内ともども聞きほれて早速本を買って「恐るべき農薬の害」を知ったことによるが、UFOと戦闘機・鍾馗に結びつくとは思わなかった。非常になじみ易い文章だから、眼鏡をふきふき、ゆっくりと読破しようと思う。

 

島嶼研究ジャーナル・海事の専門書」

 

今月は「1940年に竹島で撮影された8ミリフィルムの検討」が有益だ。韓国に迄不法占拠されたままの島だが、国民の関心はあまり高くないのが不思議だ。こうして日本は「歴史上から消えていく?のか」