軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

警備対象が反対では?

 万景峰号が5ヶ月ぶりに入港し,19日午前に新潟港を出航した.
「旅客約200人、雑貨約80トン」を積みこんでいたそうだが,”首領様”がお好きな『寿司ネタ』や,メロンも積み込まれた事であろう.

 ところで,入港した時に,埠頭では拉致被害者団体が大勢集まり,『入港反対』を叫んでいたが,ニューステレビでそれを見て『オヤッ?』と思った.
 新潟県警の機動隊員達?が,万景峰号を背にして警備しているではないか! 一般的に,警備態勢は,警護対象を背にして行うのが常識である.
 例えば,外国から来日した要人が公道を通過するときには,沿道の人垣に向かって立ち,VIPには背中、というか『尻』を向けて立つ.たとえ天皇陛下であっても,失礼をも省みず『背』を向けて立つ事によって,お護りする.
 考えてみるが良い.動物達,例えばカラスでさえも,雛を護る時には,羽の下に雛を抱えて,人間や動物に向かって威嚇する.
 
 そう考えると、今回の警備体制は、北朝鮮の「万景峰号』がVIPとしての警備対象であって,不審者は拉致家族達の中にいる、ということになる.これはどう考えてもおかしい.
 警備隊員は,『不審船母船』万景峰号に向かって立つべきである.どうも警備担当者は『何か勘違い』している.こんな事だから,拉致被害者家族が,いくら捜索を依頼しても『なしのつぶて』だったのではないか?と疑いたくなる.
 自国の被害者,少なくとも『納税者』を『敵視』し,世界中から『悪の根源』だとみなされている北朝鮮の貨客船を護るような『奇妙な』態勢は,次回から是非改めて欲しい.
 
 次回は5月23日に入港予定だという.入港する事が許されている事自体が『信じられない』事だが,とりあえずどちらが『敵』か,警備体制を国民挙げて厳重に監視すべきである.