軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

8月15日を世界は注目する.

国際情勢は極めて不安定になってきた.世界のリーダー・米国は,イラクの自立を急ぎ,中東からアジアに矛先を変える可能性がある.勿論,イラク情勢がポイントだが,将来の『覇権』争いを考えると,中国情勢は気を許せない.『不安定な弧』の中心のインドにはすでに手を打った.中央アジア民主化にも『協力』している.北朝鮮問題は,いざとなれば直ちに実行できる.やはり今後のターゲットは『中国』である.その中国は,ロシアと『蜜月振り』を強調し様と躍起である.ロシアと組んで,日米安保を揺さぶり,気が弱い『日本』の動揺をもくろんでいる.自分が『自治領』とかってに称するチベットやモンゴル,ウィグルに対して行っている『強制行為』は棚に上げて,『主権国家に社会・政治制度を無理に押し付けてはならない』と共同宣言するあつかましさである.明らかに,中央アジアに対する米国の『民主化協力』を批判している.それほど中国にとってウィグルの独立運動阻止問題は緊要なのだが,ロシアにとっても,ソ連崩壊の悪夢を,CIS崩壊という形で再現する事は絶対に避けなければなるまい.その点で両者の利益は一致した.
さて六者協議の取りしきりを任せた中国は,『核拡散防止』という重大な問題にもかかわらず,北の開発防止には消極的で,国際的な役割を果たすには不充分だと米国始め先進国は見て取った.これで中国の国連常任理事国としての立場も後退することは避けられまい.おまけに中国は,例の『反日デモ』が不評だったため,サミット加盟も見送られる事になったが,『大国意識過剰』な中国としては,予定外で不愉快な事であろう.そこで我国である.
国内は,『郵政法案審議』でギクシャクしているが,政治に素人の私の目から見れば,小泉首相自民党総裁選で公約した「抵抗勢力の排除」を意固地になって実行しているように見える.何がそんなに『憎いのか?』。多分「利権の巣窟だ」と睨んでいるからであろう.
法案審議を通じて「踏絵」を踏まざるを得ない自眠党員は,内心気が気ではあるまい.小泉につくか,反対派として『玉砕』するか,関が原の戦いが続いているが,郵政事業そのものよりも,本人の『利権』と『政治生命』がかかっているから,以前の防衛法案審議よりも迫力?がある.
彼らは世界情勢など無関心で,国内派閥維持と『票と利権』確保に汲々としているが,その間にも我国周辺情勢は劇的に変化しつつある.
そしてこの『お祭り騒ぎ?』が無事?終わると,8月15日を迎える.
中国,韓国の対日威圧戦略が、小泉首相の参拝阻止に効を奏するかどうかだが、今までの中国政府が取った『反日愛国』デモに代表される対日戦略のことごとくは裏目に出ているし、傲慢な内政干渉に国民は怒っている.恐らく,小泉首相は,8月15日に正々堂々と靖国に参拝し国民との公約を実行するであろう.そしてこの問題に決着をつけるに違いない.
もしそうなれば,小泉首相は歴代首相で最高の『人気』を博することになるから,見事な『花道』を退場できる事になる.その結果,歴代首相達がいかに首相として不甲斐なかったかが国民に明示されるので,元首相達はそうなるのが嫌で嫌で仕方ないに違いない.だから河野衆院議長は焦って奇妙な動きをしたのであろう.しかしその後が問題である.だから『彼ら』は,その昔森総理がそうであったように,自分に都合の良い誰かを担ごうと今から暗躍しているのではないか?
万一『親中派の人物』が,後継者に指名されたら,日本が『米国を取るか,中国につくか』を注目している米国は,日本が『米国を裏切って,敵側についた』と判断するであろう。
小泉首相の後に,ブッシュ大統領も退陣する.米国も仮に民主党から大統領が選ばれるような事が重なったら,日本は決定的な孤立を強いられる事になる.中国は,民主党から選出された『新大統領』に急接近するだろうから,その間でうろうろする日本の『新首相』など眼中にはない.いくら『私は親中派です!』と絶叫し様とも,中国が振り向く事はまずあるまい.仮に共和党から選ばれたとしても,今までのような親密さは失われるだろう.
『国際情勢は複雑怪奇』である事は,大東亜戦争開始直前に味わったはずである.21世紀にもう一度味あわねばわからない、というのは愚の骨頂である.そう考えれば,小泉続投の方が日本にとって好ましい選択になるのではないか?
とにかく,小泉後に誰が首相になるかに我国の将来はかかっている.国民は政治の混乱から目を逸らすべきではないと思う.