軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

南京事件について(その2)

上海方面陸軍最高指揮官松井石根大将が「支那民衆が東亜の道義に還り三省すべきことを戒告した」談話、『中華民国人士に告ぐ』を、東京裁判却下資料から転載する。

1、最近北支事変の勃発と共に、日支間の感情、頓に激発し、勢いの赴くところ、ついに戦線を拡大して、正に東亜百年の危局を招来せんとしつつあるは、両国の為に寔に遺憾に堪えない。予は中国官民が、夙に内外の情勢を静観大観し、東亜の道義に還り、再省三省することを広く朝野の人士に望む次第である。独善自己に陶酔して、日本の実力を軽視し、或いは赤化勢力と苟合して、その存在を危うし更にまた、民族復興運動のため、排日、抗日を力説して、国論統一、政権強化の愚に供する等の如きは、正に国際道徳の破壊であり、東洋平和の撹乱である。諸氏が口を開けば、言わんとする『打倒日本』が仮に実現し得たりとしてそれが中国五民族が幸福に生存し得ると思わるるか。こんな見やすい道理さえ認識し得ない筈はないのであるが、之を口にするを得ない状態に置かれてあるのは、実に嘆かわしく思う。予が諸氏の反省を望むのは、実にこの点である。曾て民国創立の先哲、孫中山氏が、中国の復興と常に東洋の平和を念願努力した事実を想起する必要がある。

2、日本が真に庶幾しある所は日中の提携であって、之が真に東洋平和を招来する大道なりと確信する。然しながら中国朝野の思想,乃至対日感情が現在の如くならんか、遺憾ながらその排日抗日運動を根絶し、今次事変の如き不祥事発生の根因を芟除するの要がある。軍の目的は茲に在るに外ならぬ。皇軍は容易く動くべきではないが,然しその一度起たんか、徹底的に敵を撃滅し、出師の目的を達成せんとするのが吾人の信条である。軍の目標とするところは、南京政府と抗日軍隊とであって、一般民衆を作戦の対象とする考えは毛頭無い。即ち従来南京軍閥政権の扶植に狂奔し来たった支那官民が、既往の迷夢から覚醒して正常に還るべき機は来たのだ。即ち真に東洋和平の為、我に伍せんとする者に対しては、軍は相携えて、喜んで興亜の大業に従うに吝かではない。然し乍ら若しそれ未だ悪夢に迷いて我に抵抗し、或いは我行動を妨害する者あらば、何等の仮籍なく、断乎之を膺懲するは、已むを得ないところである。
無辜の一般大衆中、直接戦禍に遭い、或いは生命財産の危機に曝されある者に対しては、予は深く同情を表すると共に、諸子が此際、何等流言に惑わされることなく、須らく帝国軍隊に信頼して、暫らく戦塵の圏外に在らんことを希望する。

3、作戦地方の農民諸衆は、恰も五穀成就の収穫期に際会しながら、自己安住の地を離れて、生業を休止するが如きは、正に天地の恵沢に応えざるものであって、予は深く遺憾に思うところである。また軍は曟に農家に残れる穀類を一部徴用したところもあるが、当時、住民不在のため、直接交渉する相手無く、已むなく今日に及んでいる。これら徴用品に対する代償は、欣然軍において支払うべきことを欲し、その機会の来るのを待っている次第である。敵意なき民衆に対しては、軍は何等含むところなきは、前縷述の通りであって、寧ろ進んでその安全を保障し生業を保護すべきは夙夜予の顧念するところである。戦場後方、我軍守備地域の良民は須らく日本軍に信倚し、父祖英霊の眠る卿邑を思慕して、速に農に帰り、安んじてその業に復すべきことを勧告する次第である。


シナの文化に人一倍愛着を持ち、その良き理解者であった松井司令官の、この切々たる訴えを、当時の中国人はどう聞いたか?無辜の農民達は、読み書きを知らないものが殆どだったというから、(現在でも人口の約一割は無学文盲だ、と中国の専門家が私に語ってくれた。一割というと1億3千万人、我国の人口に匹敵する!)文を読めたものは殆どいなかったに違いない。然し、日本軍の対応振りから、その意図するところは伝わったと考えられる。だから南京城攻防戦が終了し、盛大な慰霊祭が終了すると、南京市内の人口は急激に回復したのである。
松井司令官の当時の『談話』は,現在の中国にも完全に当てはまると思う.そっくりそのまま、中共政府に提示したいが、この位の「情熱あふれる談話」を、現代日本政府高官が、誰も発言できないというのは、如何に当時の文武両道たる軍人の高い教養に比べて「人材が劣化し教養が身についていないか」を如実に示していると思う.

次回は、南京周辺の文化保護措置と、シナ軍による徹底的な破壊と、非人道的なシナ軍の暴挙を報じる、当時の大阪朝日新聞記事を紹介する。

PS:『まさ』殿へ
国府軍のみならず,共産軍も残虐ひどい『軍隊?』であった事は当時から証明されています.貴コメントの事実は事変前10年前の事件ですが、日本人の殆どは知らないでしょう.教科書に書かれていないからです.自分がそうだから,日本軍もそうだ!と決め付ける,シナ人特有の常套手段ですが,これに反論しないばかりか,『賛成する』奇妙な日本人?がいるのが不思議でなりません.北朝鮮拉致事件に関しても全くうりふたつです.