軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

本腰入れて『世直し』を!

選挙結果は小泉・自民党の圧勝であった。評論家もメディアも戸惑い気味だが、国民は冷静によく物事を見ているなあとつくづく思う。私は以前、このブログで「投票率向上」を呼びかけてきたが、今回は70%に達するのではないか?と密かに期待していた。結果は67%だったというから今一であったが、無党派層もしくは若年層の関心が高まったことは評価されて良いと思う。その結果が「保守本山の自民党の勝利」だったところが又面白い。
自民党本部の勉強会で「日本国民は本来的には自民支持層」だが、自民党のいわゆる「実力者?」支配という不明朗さや、「女性スキャンダル」に嫌気がさすたびに、それに反発して野党に投票するのだ、と力説し、「自民党は腐った『鰯』だ」と酷評した事を書いた。今回の選挙では『鰯が高級魚』になったようだが、まだまだ油断は出来ない。
『刺客?の落下傘候補』も健闘したようだが、空自のメッカ?といわれた浜松市で、防衛予算を大幅にカットした張本人が当選した事だけは合点がいかない。若い城内実氏の捲土重来に期待したいが、彼に代わって「人権悪法」の去就に注目しておきたいと思う。

  • 小泉改革第1弾は「予想外?」の成果を収めた。特に女性『落下傘、マドンナ?候補』作戦は成功したやに見えるが、今後の彼女らの取り扱い方は、『独身首相』の今後を左右しかねないと思うがいかが御考えだろうか? あの迷外相の田中女史との関係が象徴的であった。テレビで、あるコメンテーターが「小泉首相のセックスアピール度」を強調し、片山女史がそれに答えたシーンを見て、つい心配したのである・・・。今回は異常に人数が多いから、特に老婆心ながらご忠告?申し上げておく。

民主完敗は当然の結果であった。党の政策はもとより、代表の演説に何等訴えるものがなかった。「政権を取らせて下さい!」という台詞は、責任ある者の口にすべき言葉ではない。政権は「自ら奪取するもの」である。信長が「天下を取らせて下さい」と領民に懇願したか? 党代表である彼のスタンスがあまりにも中国寄り過ぎた。「日本国」の政治家としての第一歩からやり直す必要がある。もともとこの党は、極右?から極左までの寄せ集め所帯だから、当然の結果だったといえよう。今後分裂が続くと思われる。
宗教集団をバックにした公明党も苦戦した。投票日が9・4だったらもっと苦戦しただろう。住民票の異動や応援団の割り振りなど、得意とする組織活動が混乱しただろうからである。圧倒的多数を確保した小泉・自民党は、引き続き公明党を与党に組み込むのだから「借り」を返したといえるのではないか?
その他泡沫政党は語るに落ちる。共産党は完全なマンネリであり、社民党は「斜眠党」に過ぎない。かろうじて生き残ったが、これは気紛れな有権者の「御慈悲」であろう。
聊か気になる事象は、「前科者」や、犯罪行為の審判中の者が当選したことである。この実に不思議で不健康?な現象は、法治国家ならぬ「放置国家」のような気がするが・・・。

  • さて、小泉改革第2弾はどうなるか? 法案反対派をどう処遇するか? 党内に隠然として残っている「旧主派」をどうするか? 最大の問題である「媚中派」をどう始末するか?これらの「処分」が終わるのを待つ事無く、可及的速やかに安全保障関連諸懸案を解決して欲しい。日米安保の今後を占う「米軍再編問題」、特措法関連問題、何よりも憲法改正問題と集団的自衛権解決を急いで欲しい。拉致被害者も奪還して欲しい。今回の選挙結果に「周辺諸国」は戸惑っているはずである。そして相当な圧力をかけてくることが予想される。今までは自民勢力が不安定だったから、言うこともいえずに尻尾を巻いてきた。しかしこれからは違う。圧倒的多数の国民が信頼してくれたのである。しかもそれは単に「郵政改革」だけに止まらない。国民は「日本大改革」を希望しているのだ、と私は見ている。自信を持って推進して欲しいと思う。当選した元主計官にも、国会議員としての立場から国際情勢をよく分析し直して、国防力の重要性を再認識し、改めて自分の「軍縮」が日本本土防衛上重大なる悪影響を及ぼしていることに気がついて欲しいものである。

改めて勝利した小泉首相に申し上げる。残り一年、日本の将来を託するに足る「後継者」を選定して育てて欲しい。良好な日米関係がアジア安定の基軸である事を強調して欲しい。そして自衛隊OBとしては、是非とも憲法改正国防省創設と自衛隊を「軍隊」に認定して欲しい。
今後の半年が勝負と見た。12月8日から半年後、無敵帝国海軍はミッドウェーで大敗北を喫して敗戦の遠因を作った。今回の選挙結果も、まるで「真珠湾奇襲作戦成功」を思わせるところがあるが、今後の取り仕切りかた一つでは、「ミッドウエー海戦」の惨敗を喫しかねない事を銘記しておいて欲しい。つまり、民主党が「政権を担当するにふさわしくない」と見た有権者の多くが、やむを得ず「小泉・自民党」に投票したと思われるからである。おまけに中国海軍の、東シナ海での「示威行動」も裏目に出た。国民が真から「アジア周辺諸国」に嫌悪感をもっていることの裏返しとも取れる。単なる「小泉旋風」だけとは限るまい。天敵不在だったのである。油断大敵!勝って兜の緒を締めよ!!