軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「政権後退」は確実!

 コメントの「政権後退」という表現には感心した。今朝の産経はトップで「政権交代は確実」「民主300議席確保へ」と報じている。FNNと合同で調査した結果だそうだが、「民主党は選挙区と比例代表双方で優位に立ち、単独で300議席を確保する見通し」だという。そうなると、参院も民主優勢だから、政権奪取後に提出するという「人権法」「外国人参政権」など等、「日本人だけの国ではない」という鳩山氏の政策が一気に加速し、実現してしまうだろう。

 それを予測したからか?「ちょっと江戸まで」という欄に、田中優子・法政大教授の、私にはさっぱり理解できない「戦争回避論」が出ている。
「歴史的に見ても、あるいは核抑止力論の甘さから考えても、戦争を回避するには、税金を防衛や軍事にではなく、新しいエネルギーと産業に投入すべきなのである」というのである。この文章は、マスクそっくりで「甘い、甘い!」
 産経も、政権交代後に備えてこんな方を登場させ出したのか?と勘ぐりたくなった・・・


 圧巻は7面「話の肖像画」の野中広務官房長官の談話で、かって知ったる自民党内部の“出来事”を、包み隠さず吐露している。「政治家は大きな視点から日本の行方を考えず、党利党略で来た。(小選挙区制は)小沢氏が中心の7党1会派による細川内閣で導入され、政党の離合集散があり、混乱は増幅しました。・・・日本の風土に合いません。しかし、マスコミが『反対するものは守旧派』とレッテルを貼り、非常に厳しい指弾を受けたわけです。やがてわかるときが来ると思う」
有権者自民党を支持しない選択は)「・・・(自民党は)政治したんかなと思うんです。ここ数年本当の政治したんかなあと。なんかこう、政争に明け暮れて、党内の議論も一致しえず、小泉氏の改革以来、反対するものは抵抗派だと排除する。米国の市場原理を日本に移して、一部の利権者が生まれ、ほとんどの人は無視され、貧困への道をたどり、最悪の事態になってきておる」
「天下を騒がせたリクルート事件では多くの政治家が傷つきました。・・・一方で、事件に関与した財界人は素知らぬ顔で経済財政諮問会議や政府の各種委員にカムバックして改革を叫んでいる。こんな無責任さが世の混迷に影響しています」
(小沢氏への西松建設献金問題について)「岩手だけでなく、東北の小沢氏の建設関係の処理はもう見事なもので、西松建設ひとつではないんです。すべて仕切っていた。かって建設省は小沢学校があった。僕ら入れてもらうと往生したもんですよ。予算編成期、事務次官室の奥の技監室が解放されて地方の産物と酒を持っていった。上座に小沢氏が座って課長以下の幹部が報告に来る。事務次官も来た。小沢学校に入らなければ建設省に通じない時代が続いたのです

 この際洗いざらい話して欲しいと思うが、今日が第一回目らしくタイトルに『天下を分けて(上)』とあるから、少なくとも(中)(下)と続くのだろう。有権者は鳩山氏の『故人献金問題』もさることながら、西松建設疑惑については、マスコミが全く報じないから知らされていない。
 野中氏の話を聞いていると、政権交代後には「小沢学校」が復活し、リストラされまいとする各省庁のお役人達の行列が復活しそうだが・・・。明日以降の野中氏の“時事放談”を期待しよう。


 更に注目すべきは、5面左上の「都議が“内乱”論文」「民主公約『偽装マンションのパンフ』」という記事である。
 民主党所属の土屋敬之・東京都議会議員が、同党の衆院選マニフェストを「(耐震)偽装マンションのパンフレット」と批判する論文を、26日発売の雑誌『WILL』10月号に寄稿したという。
衆院選投票を目前に身内の叛乱が起きた恰好だ。民主党は7月に発表した政策集に、永住外国人への地方参政権付与の方針の維持、選択的夫婦別姓の導入、慰安婦問題への取組―などを明記した。だが、その後に発表したマニフェストにはこれらの政策を盛り込まなかった。土屋氏は『国民の目を欺こうとしている。国論を二分する政策を載せれば、有権者の支持が得られないと考えたからだ』とし、『マニフェストを読んで民主党に投票しても、思いもよらなかったような政策が実行される』と指摘している」と記事にはある。いわば“内部告発”だから信憑性は大いにある。

 耐震偽装マンションは建て替えればすむが、政権をとられたあとに有権者が『こんな筈ではなかった!』といっても後の祭り、ヒトラー、サダムの強圧国家、台湾と同じような政情不安に陥るわけで、単なる『政権後退』程度に終わらないのが恐ろしい。

 私も土屋議員同様、政権交代後は“ゲットー”に収容される可能性が多いから、先月から毎朝連続素振り100本を開始した。老婆心ながら私のブログの愛読者の方々も、体力練成に励んでおかれた方がよろしかろうと思う・・・。


 さて、雑誌『丸』10月号が届いて驚いた。ソマリア沖の海賊退治に派遣され、3月14日に出航していた第一次派遣隊の『さざなみ』と『さみだれ』が、8月16日に無事帰国していたことを、私は迂闊にも全く知らなかった。
 交代した第二次派遣隊の『はるさめ』と『あまぎり』の2隻は、7月6日に横須賀と舞鶴を出航して29日に現場に到着、既に任務についている。遅ればせながら両部隊に心からご苦労様、と申し上げたい。
 帰国した彼らに最高指揮官がどう対応したか知らないが、いずれ「指揮官交代」となっても変わりなく黙々と任務に邁進する彼らは偉い!と思う。同時にそれを支える家族も立派である。“親はなくとも子は育つ!”
政権交代!」と騒々しく走り回っている『シビリアン』たちに関係なく、またマスコミが国民に知らせてくれなくても
黙々と任務に邁進する海上自衛官たちと海上保安官に対して、せめて読者の方々だけにでも労っていただきたいく、一OBとして御願い申し上げたい。

第一次派遣隊の「さざなみ」と「さみだれ


7月6日、ひっそりと舞鶴を出航する「あまぎり」


任務遂行中の第二次派遣隊