軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

今日のニュースから

先週末から風邪を引いてダウン、丸一日断食して、今朝はお粥。どうも集中力を欠くので、朝刊(産経新聞)の気になるニュースを簡単にメモするだけにしておきたい。

1、イランの核、安保理付託〔1面〕
「イランの核開発疑惑に危機感を覚えた国際社会は、ウラン濃縮関連活動の停止を勧告し、IAEA安保理付託を求めた。理事国35カ国のうち27カ国が賛成、3カ国が反対、5カ国が棄権した」のだから、圧倒的だといえるのだが、常任理事国のロシアと中国が経済制裁に反対している。今後注目すべき問題だが、国連の限界を示している事を知るべきだろう。

2、71回の「延安リポート」全訳出版へ〔3面〕
「第2次大戦末期に作成された米戦時情報局(OWI)による『延安リポート』が始めて一つにまとめられ、邦訳が出版される。延安リポートは、中国共産党中共)による対日プロパガンダや日本捕虜に対する“洗脳的教化”の実態を調査したものだが、戦後の米国の対日・対中政策にも影響を与えたと見られており、貴重な一次資料だといえそうだ」
 この資料は大いに期待できそうだが、「翻訳は24日、岩波書店から発売される」というのが気にかかる。
 余談だが、「正論」3月号の特集記事、「中国の対日工作と上海総領事館員自殺事件」は面白い。中でも中西教授の「『形なき侵略戦』が見えないこの国に未来はあるのか」
  には、「レフチェンコ事件」に関する内容が細かく書いてあるが、「ミトローヒン文書」を下敷きにしているから“圧巻”である。いよいよ今まで隠され続けてきた“悪行”が、表に出てきたと思う。もっと恐ろしい“事実”がぞろぞろと出てくる予感がする・・・

3、「イスラム、風刺漫画」問題〔3面〕
  「デンマーク紙などがイスラム教の預言者ムハマンド風刺漫画を掲載した問題で、イスラム世界の反発が更に激化している」
   この問題は予断を許さない。欧州、中近東、インドネシアを含むイスラム圏の今後の動きは十分警戒しておかねばならない。

4、 皇室典範改正問題〔5面〕
「山崎、加藤両氏が皇室典範改正支持」
やはりそうか、と思ったが、加藤氏が「首相の靖国神社参拝に言及。『靖国問題は日米問題になりつつある』と述べ、靖国神社先の大戦を巡る歴史観を米政府が容認できなくなるとの見方を示した」という内容が気になった。まず、親中派の加藤氏が『日米問題になりつつある』と発言したのは十分理解できる。それは米国の友人から、今中国は対米工作を進めていて、その中の重要な項目に「靖国遊就館が反米の拠点だ」と米国側に吹き込んでいると聞いていたからである。それに同調するような発言をする加藤氏には失望する。氏が日本の国会議員であるならば、それを否定するのが仕事だと思うのだが望むべくもあるまい・・・

5、 国防計画見直し〔6面〕
米国が、「四年ごとの国防計画見直し(QDR)」を発表した。「対中シフト」強化、「日本の重要度増す」と見出しにあるが、重要な問題なので、ゆっくり分析したい。

6、「紙面批評」欄〔11面〕
  大阪学院大学の国定浩一教授が、最近のライブドアの「株問題」や、「マンション強度偽装」など、「いやな出来事」の続発に通じる「キーワードは『金至上』であろう。不愉快の原因はそこにある。日本の美風・誇りが音を立てて崩壊していく」と書いているが、「日本の美風・誇り」だろうか?と思った。つまり、こんな「破廉恥な事件」を引き起こす連中に共通なのは、「日本の美風・誇りを知らない方々」の所業なのではないか?真の日本人ではないからこそ、日本の美風を知らず、日本に誇りも感じず「平気で」こんな悪行が出来るのではないか?と思うからである。
また、教授は、昨年八月十四日にこの欄で「『子供に教えて――金は汗して』と書いた。更に一年以上前の一昨年十二月十二日に本欄でも『国のトップレベルにおいてモラルあるいは言葉が軽んじられている』と指摘したのだが」と書いているが、「国のトップレベル」が乱れきっているのだから、二年たっても全く効果がなかったのは当然であろう。「額に汗して・・・」働く親が少なくなったからでは?と思った次第。

7、ロシア警備艇領海侵入〔31面〕
先日、礼文島の「領空侵犯事例」について書いたが、今回は「領海侵犯事例」である。ロシアのずうずうしさは今に始まったことではないが、国境を接する領域を警備地区に持つ海保や自衛隊は、厳重な警戒を欠かしてはならないが、国は事前に双方で「協定」を作っておかねばならない。「逃走船」を追跡中に進入したというが、理由はどうであれ、事前に通報しあう体制は必要不可欠であろう。先日の「領空侵犯」の場合は、ロシア沿岸警備隊所属機であるとの通報がロシア側から海保になされたそうだが、その時点で国土交通省の航空管制部がフライトプラン上、識別して空自に通報すれば「国籍不明機」ではなくなり、スクランブルの対象にはならないはずだから、私は前回「しっかりせよ」と書いたのである。勿論識別が出来ないときはスクランブルしてそれを目視確認するのは必須である。領海もそうだと思うのだが。
どうもこの国は、国境警備の感覚がずれているように思えて仕方がない。
  
今日はこれまで。読者の皆様、風邪にはくれぐれもご用心を!