軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

2+2合意

今朝の産経新聞は、在日米軍再編 2+2で合意と報じた。「在沖縄海兵隊約8000人のグアム移転や普天間飛行場の移設など。すべての再編を8年後の2014年までに完了する」という。
随分時間がかかったが、これで終わりというわけではない。周辺情勢は急激に変化しているからのんびり構えている余裕はないだろう。
拉致問題は、ついに横田早紀江さんと米国大統領との面談という特筆すべき経過を経て、米国の各マスコミが「北朝鮮当局の日本国民拉致という非道な国家犯罪の実態が、米国一般に始めて詳しく知らされ」たから、これから大きく進展するだろう。1日も早い解決が望まれる。
竹島問題については、予想通り「中国が韓国と連携」しはじめたという。鄭・ウリ党党首も竹島に上陸し、①竹島(独島)問題は領土問題ではなく歴史問題、②国際紛争化を狙う日本の意図を排撃、③犠牲を払っても独島を守る、との3原則を発表したという。
以前、韓国の著名なジャーナリストが、「日韓友好など夢である。理由は、日帝の支配36年、米帝の支配50年、シナの支配1000年。我々の血の中にはシナに対する恐怖のDNAがあるからだ」といったことを今更のように思い出す。「犠牲を払ってでも守ってみるが良い」などというつもりはないが、あまりにも理不尽な行動を取って、おとなしい日本人を怒らせない方が良い、とだけは言っておいても良いだろう。
更に韓国の金・海洋水産相は、「日本海の呼称を東海(トンへ)にするよう求めた」という。鄭氏や金氏のこれらの行動は、なんだか「嫌がらせ」の域を出ないと思うのだが、今の韓国には、他にやる事はないのだろうか?
中国もその気がある。昨年11月の北京での会議で私が「東シナ海…」と発言すると、中国の教授達がいっせいに「東海!」と叫んだ事を思い出す。通訳が「先生、中国では東海といいます」と、暗に「言いかえるように」言ったから、「日本では東シナ海と言います」といって、発言を続けたところ、2〜3回「注意?」されたが、その後は苦言を呈する事はなく、「東シナ海」が「定着?」した。休憩時間に「大国らしくない」と釘をさしておいたのだが…
なんだか知らないがこの2国は細かい事に拘り過ぎる。兎に角「島国で小国の日本が自分たちより良い生活をしている事が気に食わない」のだとしか思えない。
ところがある中国のジャーナリストが、「将軍、『中国人は』とか『中国は』とは言わないで下さい。悪いのは中国政府、つまり共産党です。13億の中国国民は、靖国問題なんて知らないしどうでも良いのです。これから中国について『悪口』を言う場合は、はっきりと区別して『中国共産党は』と言って下さい。私達中国国民も応援します」と言ってくれたのだが、韓国もまさにそうだと思う。私が知っている韓国人には礼儀正しい、穏健な知識人が多い。今の政権が「ちょっとおかしい?」のだと思う。これからは「韓国は」と言うのを止めて「ノムヒョン政権は」という事にすべきかも…
一方武部自民党幹事長が訪中し、唐・国務委員と会談、小泉首相靖国参拝について「憲法の下にすべての国民は平等であり、小泉首相も国民の一人。区別は出来ない」と「珍しく?」反論したという。唐氏は、拉致問題について「(中国として)努力する」と答えたそうだが面白い。
まさか、日米間の「2+2合意、在日米軍再編」問題が解決し、「対テロ日米共同態勢が強化される」事と連動しているのでは?と勘ぐりたくなるが、ここ数年の動きを継続的にしっかり把握しておく事は大切である。
先日の胡主席の訪米は、中国にとって「面白くない結果」であったことは確かである。そのせいか、6者協議の中心である中国の武・外務次官が12日から訪米するが、この動きも注目すべきである。来月、わが小泉首相の訪米を控えているからである。
しかしながら、国民が拉致されても解決を「米国に依存し」、その米国には、国家ぐるみで保護?してもらっている。そのくせ「煩いから出ていけ!」とグアム島に「追い出し」て、その代金が高いという。確かに高額だが、過去のソ連との対決、これからの中国との対決を考える時、在日米軍の存在意義は金額では例えられまい。湾岸戦争時にも、お金は出すが汗や血は流さなかった。戦後日本は、金儲けに狂奔し、経済大国にのし上がったのではなかったか?なんと気楽な国民の集まりであることか!
「改革断行!」を叫んだ小泉首相は、確か国会で「個人も企業も『自分の事は自分でやる』ことが大切だ」と発言したと記憶しているが、「自分の国は自分で守る」これこそ「国家改革の基本」ではないだろうか?米国への依存度を減らして、「自分の国は自分で守る」基盤をこの際築いて欲しいものである。