昨日は、九段会館での名越先生を偲ぶ会に出席した。改めて御紹介するまでもないが、名越先生は、終戦時ソ連に強制連行されて5年間抑留されたが、スターリンに取り入る仲間が目立つ中、一貫して日本人としての信念を貫き、仲間の“日本人”から虐待された経験を持っておられた。あまりこのことはお話されなかったが、平成15年秋、樺太へ慰霊の旅に御一緒したとき、ポツポツと語って下さった。しかし「過酷なソ連抑留は、私にとっては大学みたいなもので、私の人生の原点だ」といわれたのに感動した。過酷で残虐非道なソ連抑留体験さえも、爾後の自分の人生の糧にされた名越先生は、きっと達観した境地から世の中を見ておられるのだ、と受け取った。
チャンネル桜でも良く御一緒させていただいたが、私ごとき弱卒を「先生!」と呼ばれるので、「先生は止めてください、日教組ではありません!」というと、「歳は無関係」と言われたので恐縮したものであった。
昨年は転居などで取り込みごとが続き、体調不良で御無沙汰していたのだが、4月に突然の訃報を聞いて驚いた。330人もの関係者が集まって、先生を偲んだが、中にわざわざ韓国から駆けつけられて弔辞を述べられた方が二人いた。韓日教育文化協議会会長の安長江氏は「偉大だった教育者」と「天は先生を召されました。正に残されて心砕ける思いであります。今は御学徳、全城まで照らされたことを偲び、遥かに御冥福を祈り奉るのみでございます」と流暢な日本語で追悼し、李方子王妃・慈行会創立理事の金壽姙女史は「先逝きし大和の友の追慕の場思ひ出抱きて大和尋ねり」と、名越先生の著「日韓共鳴2千年史」の記事の李方子妃の写真を見て読んだ和歌を披露された。盛大な拍手が上がったが、韓国の現政権情報ばかりにとらわれていては、大局を誤る、と思った。
いずれ黄泉の世界で先生にお会いできると信じているが、それまでには相当“修行”を積んでおかないと、先生と同じレベルに到達できないだろうと思う。心から御冥福をお祈り申し上げる。
会場では多くの大先輩方などにお会いしたが、一様に今度の選挙結果を心配しておられた。戦後初とも言うべき、戦後呪縛からの脱却を掲げた安倍政権が、消極的立場を取らざるをえない立場に追い込まれてしまったら、自分達が生きているうちに全うな国への転換希望がなくなる、というものであった。
ジャーナリストやマスコミ関係者も多かったが、共通しているのは朝日新聞の異様なまでの跳ね上がりぶりだ!という。昔、私が朝日の記者から売られたけんかを買ったことを知っている人たちから意見を求められたが、「安倍総理が怖い者、それを分析すれば一目瞭然。拉致事件や憲法改正など、次々にその布石を敷いている安倍総理を今倒さないと今後が危ない勢力、それは北朝鮮でありそれに関与する団体であろう。福田首相を擁立しようとして果たせなかった中国も裏ではそう望んでいると思われる。それらに協力しているマスコミが死に物狂いになっているのは当然で、ゾルゲ事件を思い出せば一目瞭然だろう。中国では『チョウニチ新聞』という研究者もいた」と答えておいたが、「それで今『ASA』などと看板をごまかしているのか!」と言った先輩もいた。これら、反日・反安倍政権マスコミの宣伝効果がどう出るか、来週月曜日を楽しみに待つことにする。
実は名越先生の会に出席する前に、偶然とはいえ実に感動的な現象に遭遇した。多摩丘陵の自宅を出ると、しばらくして霧雨が降り始めたが、これは名越先生の涙か?などと思いつつ電車に乗った。
市ヶ谷駅に着いたとき、外は同様の霧雨だったが、靖国神社参拝に向かう途中で土砂降りとなった。靖国通りを歩く人々はあわてて雨宿りする有様だったが、これは英霊の悔し涙だ!と思いつつ拝殿に向かった。
ひどい雨でズボンのすそに滲み始めるくらいだったが、拝殿周辺には3〜40人の若者達が雨宿りしていた。
参拝を終わって、右手に掲げてある昭和天皇の御製
「国のためたふれし人の魂をしも つねなぐさめよ明るく生きて(昭和37年)」
を書き留めて拝殿を辞すると、不思議なことに雨脚は弱くなり、境内を出て九段会館に向かう頃には、傘がいらなくなった。間違いなく「英霊は号泣しておられた!」と感じた。国に殉じた多くの英霊を粗末にして栄えた国はない。
さて、長男の行動に対して心温まる御意見が相次いだ。「身を鴻毛の軽きに置け」とは息子たちに強要していないが、30を過ぎた立派な成人、生き方は自己責任である。勿論電車の時刻等を一瞬のうちに勘案して取った行動だろうから私は心配はしていない。むしろその後の嫁の観察結果のほうが面白い。
コメントにもあったが、最近の若い女性には目立ちたがりや自己中が増えていて、「注目されてもされなくても、どうにでも文句をつける」傾向があるそうだ。だから同じ女性としては「そんな行動を取る女ほど死ぬ気はなく、周りの気を引きたいだけ」と言ったのである。若し例の女性がそうだったとしたら、コメンテーターが心配してくれたように“事故れば犬死!”である。今後は今時の若い女性心理を勉強するように息子には指導しよう・・・
「いやいや」氏のご紹介で、非常停止ボタンのHPを見たが、私も容は整っていても成果は期待できそうにないと思っている。柏崎原発の「消防隊」のようなもので、お飾り?的なもの。一応、規則だから取り付けた・・・程度ではないか?このボタンを押すと、無関係な列車まで一斉に止まるようだから、帰宅を急ぐ乗客にとってはとんでもない「迷惑行為」になりかねない。今でも「車内で不審物を見られた方は・・・」としつこく放送しているが、乗務員に届け出たら「迷惑がられる」のではないか?そうでないことを期待したい・・・
歯茎の痛みに対しても御親切な御意見をいただいて恐縮している。小学4年生のとき、下左5番の歯が神経過敏だったので、神経を殺してアマルガムを埋めたのだが、その後航空身体検査でも全く問題なく、34年間のパイロット生活を無事に“卒業”出来た。それほど当時の歯科医(佐世保・相浦町の神戸先生)の技術は見事だったのである。
しかし退官後、再び神経に障る状況になったので、世田谷で近所の歯科に行った。ここの老先生は「悪い歯を抜くのは簡単ですが、抜くと歯並びが崩れて次々に問題が起きる。だから余程でない限りは歯は根元から抜いてはいけないのです」というから信頼したのである。
先生は、治療済みの5番の上の歯が神経過敏になっている、と判断し、穴を開けて神経を殺し、表面を削って金属をかぶせてくれたが、その後どうも痛みが取れない。再び先生を訪ねて入念にレントゲン検査した結果、削り取って金属をかぶせた5番の隣の6番に、毛髪より細いひびが入っていることが判明、痛みの原因は上5番ではなく6番だったことが分かった! 老先生いわく「こんなことは滅多にありません。あまりに細いヒビなのでわかりませんでした。しかも佐藤さんの歯は根が頑丈で圧が強力なので、咬まれたら重傷を負いかねない。とても抜けませんから前回と同様な治療で神経を殺し、ヒビを削って金属をかぶせましょう」。
まな板の鯉、お任せするより手はない。こうして再び機械で削られ二個も金属をかぶせる羽目になったのだが、治療しながら老先生いわく「佐藤さん、どうぞ御心配なく。前回の歯の治療代は頂きませんから」
思わず「有難うございます」と礼を言ったのだが、帰宅して家族に『なんか変じゃない?』といわれた。
考えてみれば、治療しなくても良い歯を削り取られて痛い目にあったのだから、治療代を取られるのは筋が通らない。むしろ「慰謝料請求事態」じゃないか!
老先生はそう思っていたのか、小学生時代に治療した5番下の歯の金属を“サービス?”で詰め替えてくれたのだが、58年ぶりに開けられた治療痕から、まるで「タイムカプセル」のように麻酔剤が滲みこんだ小さなガーゼが出てきた。老先生はそれをピンセットで取り上げて「イヤー見事な治療ですね。今でも使える。昔の方の技術は大したものだ」と感嘆の声を上げた。
そんな体験をしているので、今回の歯茎の痛みはちょっとした黴菌が入ったものと「自己診断」して、プロポリスを注入して直してしまった。当地ではまだ良い歯医者さんを見つけていない。良い歯を削ってお代を請求することのない先生を見つけようと思っている。
明日から東北に墓参り、月曜以降の選挙戦後に感想を書くことにしたい。
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