軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「エ〜、こんなことってあり〜??」

 聊か体調が優れず、やっと回復したと思ったらこの日曜から『歯痛』で悩まされている。現役時代は健康そのもので、目も歯も血圧も頑健そのもの?だったが、退官10年を過ぎると急にガタガタ来るものらしい。中国の毒性食品禍で、家内が丑の日を『認可してくれなかった?』からかもしれない!
 パイロットだった私は虫歯はないから、歯ぐきが痛んだらしい。痛みで集中力が欠如したため昨日のブログは「誤字」だらけで御迷惑をおかけした。
 ところでこのところ、選挙を控えてなんともはや気が滅入るニュースや事件が多いので、今日はお笑い?を一つ。

ところでこのところ、選挙を控えてなんともはや気が滅入るニュースや事件が多いので、今日はお笑い?を一つ。

 合気道を練習して帰宅途中のある青年が、夜の某都営地下鉄駅で体験したことである。

 ホームで電車を待っていると、歩いてきた若い女性が突然、彼の目の前でホームの縁に座って線路に足を垂らした。怪訝に思った途端、彼女は線路に飛び降りて、レールの間にしゃがんで泣き出したと言う。時間が遅いせいかホームには駅員の姿が見えない。

 たまたまホームでこれを見て驚いている中年女性に彼は「駅員さんに連絡してください!」と伝えると、線路に飛び降りて彼女の肩に手を回し「危ないからホームに上がりましょう」というと、彼女は猛烈に抵抗して泣き叫んだ。 傍から見ると「男女関係のもつれ?」に見えたかもしれないが、何時電車が来るとも限らない。抵抗する女性をホームに押し上げようとしたが、ホームは意外に高いので上手く上げられない。その時何人かの乗客たちがこれに気づき、「何しているの?」と近づいてきたので、やっと女性だけはホームに引き上げられた。ところが助けた彼を誰も引き上げてはくれず、女性を取り囲んで覗き込んでいる始末。

 線路には、ホームに上がる足場がないから、自分でホームに上がることができない。彼は「ちょっと、ちょっと」と手を振ったが、ホーム上の男性達は、泣きじゃくる女性に気をとられていて彼の存在に気がつかない。

 そこへ駅員が二人来て乗客たちに状況を聞き始めた。しかし、その間誰も彼に気がつかない!

 危険を感じた彼が線路から「すみませ〜ん」と叫ぶと、やっと気づいた何人かが手を貸してくれたのでホームに上がることができたのだが、これを見た駅員が「線路に下りたのですか?」と彼に聞き、「はい」と答えた途端「危険ですから駅員に連絡して、線路には降りないで下さい!」と厳重注意したという。

 気が優しい?彼は思わず「すみません・・・」と駅員に謝ったそうだが、駅員は「しょうがないなあ〜」と言いつつ女性を事務所に“連行”していった。

 そこに電車が入ってきたので彼は乗り込んだのだが、駅員を呼びに行ってくれた女性だけが彼に「お疲れ様でした」と言ってくれたという。彼も「有難うございました」と言いつつ電車に乗って帰宅したのだが、どう考えても何か変である。あのまま見て見ぬ振りしていたら、若い女性は危険だったろうし、事故にならなくても、電車のダイヤが乱れることになって深夜、帰宅を急ぐ乗客達が迷惑をこうむったかもしれない。

「駅員に連絡せよ」というが、連絡しようにもホームにはいないで離れた事務所にいる。線路上にしゃがんで泣いている女性を放置したまま、「駅員さ〜ん」と呼びに行ってもすぐに出てきたろうか?その間に電車が入ってきたらどうするつもりだろうか?冷静になってから、考えれば考えるほど何かがオカシイ。

 しかも、ホームからの転落事故が数多く報じられているのに、この駅にはステップも、避難場所もなかったという。テレビや新聞で、この種の事件を見たり読んだりしていたが、まさか実際に目の前で起きるとは思わなかった。

「でも、こんなことってあり〜?」と彼は私に言った。

 ニュースにでもなって「美談」として取り上げられれば、きっと会社も彼を表彰したり、背広の洗濯代ぐらい出してくれ、警察や駅長も大げさに賞賛しただろうが、未然に防がれて「美談」ならぬ「微談?」に終わったため、そのまま闇に消えてしまった。

 いや、ホームから線路に飛び降りた彼には、「駅員から注意」された他にも、帰宅後に妻からも「買ったばかりのスーツが台無し!、相手が若い女性だったからでしょう!」と「厳重注意」されたのであった・・・。

「一歩間違えば大惨事」とよく新聞は書く。彼の行為も、一歩間違えれば「痴漢行為?」とか「駅の規則を破った」とか、大惨事になりかねなかった。その上マスコミには「身勝手な行為」と散々悪態を吐かれかねなかった。

 私は、たった一人、彼に協力してくれた中年女性が「お疲れ様でした」と彼を労ってくれたのが「表彰状以上の価値がある」と彼を慰める以外になかったのだが、「彼」とは私の長男である。

 誤解がないように言っておくが、嫁は長男にそんな悪態?を吐きつつも、その目には「尊敬の眼差し」が篭っていたことを付け加えておきたい。


【「お笑い」は、本人からあくまで個人的体験談に過ぎないので「公開不要」との強い要求がありましたので一時削除しましたが、今回、本にするため復活しました。】

 

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