軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

信じられない話

 安倍前総理の健康問題から、ついつい自分の体験談を書いたところ、個人的メールも含め御心配頂き恐縮している。確かに「飲酒後の入浴」は危険であるが、やはり帰宅後は温めの湯、またはシャワーだけでも浴びたくなるものである。特に私は喫煙しないから、宴会の場で服に滲みこんだタバコの匂いが嫌でたまらず、必ず風呂に入る。
 
 こんなこともあった。単身赴任中の某部隊指揮官が、やはり宴会後帰宅、ガス風呂に点火し「追い炊き」状態で入浴中、居眠り?したため、茹った湯船でそのまま亡くなった悲劇があった。その後追い炊き出来ない風呂釜に変更されたはずだが、単身赴任中の方々は十分注意する必要があろう。

 門脇翁との面談では、健康管理を訪ねる暇がないほど多くの情報交換に熱が入ったが、私はどんなに年を取ろうと、常に「好奇心」や「チャレンジ精神」、とりわけ読書など「頭を使うこと」が健康の秘訣だと痛感した。勿論、身体も適度に動かす必要はあるが、肉体は老化するからどうしても若い時のような動きは出来ない。
 松島基地司令時代に、奄美大島の大企業家と知り合いになったことがある。たまたま大東亜戦争開戦時に「メナド落下傘攻撃」に参加した生き残りの「専務」と同席し、意気投合したのだが、当時の社長は確か97歳の現役社長であった。夕食会終了後、長生きの秘訣を伺うと、「早寝早起き、規則正しい生活、起床時に布団の中で身体を動かすウォーミングアップ」と答えた後、「加えて適度なお色気!」と笑いながら肩をたたかれた。
 
 沖縄に転勤して、奄美大島の通信所視察の折御挨拶に伺ったが、引退しておられたもののお元気そのもの、数年前に白寿を達成されて亡くなられた。規則正しい生活を毎日続けることは、凡人の私には難しいところがある。しかし、ファントム戦闘機同様機体の“経年変化”は避けられない。人間の身体もスクラップになるまで「騙し騙し」使っていく必要がある!

 ところで門脇氏が語ってくれた色々な話の中で、日本人には想像できない事実を一つだけ挙げておこう。
 台湾の高雄に住むご婦人が、中国大陸を旅行中に、西安で急性盲腸炎になり、西安市内の病院で緊急手術を受けた。しかし台湾に帰国後も、どうも傷口が直らず、化膿して痛みが取れない。そこで高雄の病院で診察を受け、再手術をしたところ、医者がこう言ったという。
「確かに盲腸は除去されていますが、腎臓もありません!」
 今、彼女は怒り狂って抗議しているそうで、「そのことが台湾の新聞に最近出た」と見せてくれた。
 臓器密売専門国ならではの話だが、子宮や心臓を取られなくて良かった!御本人に取っては取り返しのつかない、慰めようも無い事実だが、実際にあった「信じられない話」である!北京オリンピックに参加する選手は勿論、応援に出かける日本人も御用心御用心!

 門脇翁は「中国は『国民中心主義国家』にはなれない。歴史に明らかなように『城郭国家・都市国家』である。欧州を含め、大陸国家は皆そうだが、今でも地方の人民には『都市住民の資格』は与えられない。しかし安い労働力は必要だ。そこに大きな矛盾を抱えている。かの国のことわざに『世の中が乱れたら都市に集まれ。平和になったら農村に出て行け』と云うのがある。今でもその思想は変わらない」というのだが、オリンピックを控えた「都市国家」は、平和の祭典にかこつけて、北京市民を「農村へ追い出しつつある」らしいから、その後の取り扱いに苦労するだろう。

 さて、福田新体制が発足し、政治の空白もようやく埋められつつあるが、新内閣の船長はどんな舵取りを見せてくれるのか。なかなか難しそうだが・・・
 最大の懸案は、11月1日で切れるテロ特措法の解決で、世界中が注目しているが、石破新防衛大臣の手腕に期待しよう。
 同席した政治ジャーナリストは、小沢氏が意固地になって反対し、民主党が中国の格差の実情に比べれば話にもならない日本の「格差」問題などに摩り替え、変な抵抗を続けて政府を追及すればするほど、今度は民主党内の「ボロ」が噴出し、泥仕合になりかねない、と危惧していた。
 福田氏の手腕はこれからだが、門脇氏は「中国などが嫌がること(靖国問題)はしないほうがよいと彼はいったが、日本国総理が、中国韓国に阿り、肝心な日本人の感情を無視していることが大問題だ。この発言は要注意だ」といったが同感である。福田新総理には「日本国総理である」ことを自覚して欲しいものである。