軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「すごいぞ日本」!

 今朝の産経新聞トップの「すごいぞ日本」には考えさせられた。埼玉県富士見市で砲丸を製造している辻谷政久さん(75)が「たった一人の五輪ボイコット」をしたという記事である。
 辻谷さんは「1996年アトランタから2004年アテネまで、日本が3大会連続で金銀銅メダルを独占してきた」五輪種目の陸上男子砲丸投げの「メダル獲得選手の砲丸」を、旋盤のハンドルを握って職人技で作ってきた方だそうだが、「北京はやめました」といい、その理由は、04年8月のサッカーアジアカップが中国・重慶で開かれた際、現地サポーターが見せた日本に対するむき出しの憎悪が気がかりで、悩んだ末に「4大会連続メダル独占の偉業を断念し、砲丸の卸先の運道具メーカーに北京五輪用は作らない」と伝えたのだという。「砲丸は私の分身です。とても中国には出せない。大事に使ってくれる選手には申し訳ないが、職人としての意地があります」と辻谷さんは言う。
 一日本人でさえ「中国人の異常な反日感情」に嫌悪感を持っているのに、我が国の福田総理といえば、昨日夕方のTV会見でもそうだが全く哲学がないし「なりたくて総理になったんじゃない」と言いたげであるから情けない。
 こと中国問題になると「チベットと五輪は関連付けるべきでない」とか、「際立って」中国を擁護するから理解しがたい。氏の“哲学”は、「他人の嫌がることはしないほうがよい」というものだが、中国からの“嫌がらせ”はどうなのか? 中国だけは「日本人が嫌がることをしてもいい」とでもいうのか?
 未だに支持基盤が脆弱な胡錦濤主席は、案外真剣な助言を日本に求めているのではないか?と私は見ているのだが、福田首相ではそれに答えられそうにもない様に思われる。
 なぜこんなことを言うかといえば、8年間かの国との「安保対話」を続けてきた体験を基にしているだけなのだが、中国側の研究者たちが、対日関係の現状と将来について腹を割って話し合おうとしても、肝心の日本側にその適任者がいないので、彼らは“迷っている”様に感じるからである。つまり、日本側には一方的に「反中」「嫌中」を唱える一派と、大方の政治家やマスコミのように「親中」どころか「媚中」派の存在だけが目立ち、彼らが求めている回答が得られないことに、“心中”やきもきしているのではないか?と最近特にそう感じるのである。
 3月に予定されていた胡錦濤主席訪日は5月上旬にずれ込んだそうだが、チベット問題はもとより、日本人の生命に危害を加えた「毒物」事件の全容が解明されない限り、来日は大失敗に終わることだろう。国民が嫌がっていることに目をつぶって、総理だけがご機嫌伺いに徹して「ニーハオ」を繰り返していれば、それが福田総理の命取りになることも考えられる。「人の嫌がることを敢えて言うこと」が友情の第一歩であることを福田総理には分かってほしいものである。

 ところでこのところ、多くの出版物が届いて読むのに時間がかかった。門脇翁から「あけぼの」3月号が届いたが、門脇翁は今でもアジア各地を飛び回っていて、その体験談が面白い。そのうちのいくつかをご紹介しよう。
「民衆の集団抗議」 旧満州瀋陽で「蟻力神」という名の漢方薬を作っていた企業が倒産した。その材料を集めるため多くの農民が参加してきた。これでは食えぬと決死隊が政府を訴えた。
 今胡錦濤政権下の要人薄熙来李克強は、政府の重点産業の一つと推奨し、マスコミもこれを鼓吹して来た責任を問い始めた。自殺者が出ているので、この種大規模の集団行動に出るものは決死隊を編成すると伝えられている。
 その製造を許可した政府の責任を問うという民衆の動きは、一党専制の中国での出来事だけに、その動向は注目に値する。あるいは、燎原の火になるかも。

「オリンピック反対運動」 去年の暮れから旧満州の中心地瀋陽を中心として、オリンピック反対運動が表面化している。この行動に参加したのは「蟻力神」という会社の社員で、共通の敵として政府の当局者に対し「お前さんたちは在任中どれだけの金銭をくすねたのか、何人の情婦を養ったのか、どんな悪事を働いたのか」と訴えている。オリンピックまであと数ヶ月、瀋陽ではサッカーが催されるが、一般「蟻民」は被った損失に対する補償をしない場合、多くの失業工員と共同して、会場の入り口で自焚し、全部の道路を封鎖して会場に乱入すると呼びかけている。オリンピックを人質に。

「内なる声(脚元の大問題)」・・ある記事の祥訳
 中国が直面している問題は株価のバブル、物価上昇汚職腐敗、家賃の上昇、資源の浪費、環境汚染、貧富の極端な差、鉱山事故の頻発、資源の流失、ヤクザの猖獗、売春売血エイズの氾濫、山西省黒磚窯事件類似の事故処理に対する社会全般の公憤等、即刻根本的に解決すべき大問題は山積みしていて、今更美辞を並べる時期ではない。

 元特務中尉としての鋭い観察眼には、いつも敬服する。

 ついでに、中国から帰国された方が購入された「軍事雑誌=世界報」が送られてきた。諸外国、産経新聞などが報じた記事を参考にした日中開戦の特集号である。いやはや物騒である!

「民族問題とオリンピック開催準備で実情は大変な中国です。・・・中国の国旗は5つの星で、大きな星は中国で、後の4つの小さな星は従属を意味する星なのだということを、オリンピックを期に、日本人は再認識すべきではないかと思う次第です」と同封されていた手紙にあったが、確かに、大きな黄色い星を取り囲む4つの小さな星は、万里の長城のように漢民族を“護衛?”する周辺少数民族であろう。
 ただし現代日本人の国旗についての無関心は相当なものだから、再認識させようにも困難だろう。そこでチベット騒乱事態をそのような観点から見て、チベットが分離独立したがっている・・・国旗の中の一つの星が離脱したがっている、とでも解説すれば小学生でも興味を示すかもしれないから、案外国旗・国歌に関心を持たせる良いチャンスになるかもしれない・・・
「現代用語基礎知識2007」から

ジョークでわかる中国の笑えない現実

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