軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

今年もパスか、土用丑の日・・・

 土用丑の日前とあって、新聞のチラシに「鰻」の宣伝が目立つ。どこのスーパーも「国産」を強調して“中国産”を圧倒している。しかし、タイミングが悪かったことに、中国産を「愛知県三河一色産」と偽装してぼろもうけしようとした業者が摘発されたため、主婦は未だに「産地名」に疑心暗鬼、今朝の産経抄子が「どうやら氷山の一角らしい。国内で“本当に”養殖されている鰻は消費量の2割に過ぎないはずなのに、近所のスーパーでも『国産』モノが陳列ケースの大半を占拠しているのはどうしたことか」と書いたから、家内は「それご覧なさい!」と自信満々、体力回復中にもかかわらず、私は今年もまた「鰻」に縁がなさそうである・・・


 産経抄氏が言うように、中国産への強い拒否反応がある上に、毒餃子事件が明るみに出たからだが、「発覚後半年がたとうとするのに毒餃子事件の真相は何一つ解明されていない。昆明で起きたバス爆破」事件が重大なテロ事件ならば「毒餃子事件も重大な食品テロのはず」で、「このままうやむやになれば、中国ブランドは地に落ちたままになるというのに」と心配している?が、餃子事件は「テロ」というよりも、製造工場内の不満と怨み、つまり怨恨事件の可能性が高かったのに、当局が“いつもどおりに”隠そうとしたため、輸出先の言論が自由な“外国”で大騒ぎになり、当局も関係者も右往左往、収拾出来なかった事が原因だッたと私は解釈している。
 それはかの国では常にこの種の怨恨事件が多発していて、当事者も狎れきっていた?から、たいした問題ではないと高を括っていたからだろう。それよりも表に出ると自分が解雇されかねない。こうして中国国内だけであれば、全ては闇に葬られていた筈であった。
 ところが国営企業であったにもかかわらず、関係者が保身のためにそう認識し、一致して上に報告せずに隠したから胡錦濤主席に報告がいかず、日中間で大問題になってはじめて知った主席が“激怒した”と考えられる。しかも主席は訪日準備中であった。
 胡錦濤主席の訪日を控えた2月28日に、この事件の捜査責任者である、余新民刑事捜査局副局長が「捜査が進まないのは日本側が物証などの提出に同意せず、全面的な状況を説明しないからだ」と記者会見で“いつものような”日本批判を繰り広げたことは記憶に新しいが、情報によればこの時点で事の重大さを知った胡錦濤主席は激怒したというのである。このような対日発言自体もまた、江沢民前主席の「反日教育」の賜物だったから、胡錦濤主席にとって気分がいいはずはない。
 ところが最近の未確認情報によれば、その後余新民副局長は「粛清」されたという。「粛清」が何を意味するか不明だが、胡錦濤主席の逆鱗に触れたことは間違いないから、解雇か左遷なのだろうか?まさか“銃殺”ではあるまい。
 とまれ、餃子事件発覚後、しかもそれは日本国内でも数々の手違い?で、確認されたのが2ヶ月以上もたっていたし、幸いにも人命が失われていなかったのだから、中国側は直ちに捜査し、局所的な“怨恨事件”であったという事実関係を明らかにし、速やかに関連製品を回収して“素直に”謝罪していれば、「中国食品」に対するこれほどまでの警戒心は生まれなかっただろうし、対日貿易額の減少被害も少なかったであろう。勿論、私も丑の日を満喫できたであろう!


 この事件は、中国の政治組織、とりわけ下部組織が如何に腐敗しているかを示したものであり、国の統制が旨く機能していないことを世界中に示したもので、次々と起きている「暴動」や当局への「抗議事件」がそれを証明している。
「和楷社会建設」を目指し、国威発揚を控えた五輪を目前にした主席が、怒り心頭に発しているだろうことは理解できる。万一五輪で重大な支障が起きれば、この国は極端な人民圧政か、それとも人民による暴動が起きるか、予断を許さない。
 とにかく、その鍵を握る軍隊は「人民解放軍」という名前の「党の軍隊」であり、「愛国運動」という「国」の文字に騙されて「国の軍隊」だと思ってはならない。
「国家」とは「共産王朝」だから軍隊はつまり「党のもの」、人民は王朝の「奴隷」なのである。

 産経抄氏が言うように、自分に都合が悪いことを棚上げにし、相手に責任を押し付け、問題解決を「うやむや」にしておけばしておくだけ、「中国ブランドは地に落ちる」ことは間違いない。最も、中国ブランドが地に落ちようが落ちまいが、「奴隷モドキの人民」や、下級官僚には無関係なのだが・・・
 
 それにしても海洋国家・日本人のモラルの低下は、何時から大陸国家並みになったのだろうか?と情けなくなる。今年もまた、「中国ブランド」が紛れている可能性が高い、土用丑の日の鰻を“食させて頂くこと”は残念ながら「困難?」なようだが、偽装食品会社の責任者さんには、食い物の恨みは大きいことを覚えておいてほしいと思う・・・

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