軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

国民は良く見ている!

 昨日21日は、早朝から羽田を離陸し福岡に向かった。快晴の中部以東に比べて、四国以西は雨雲でべったり、機内で朝日、読売新聞に目を通したが、日曜日とあってかさっぱり読むところがなかった。これじゃ赤い朝日が赤字になるのも理解できる。読者の目は節穴ではない!それに比べて今朝読んだ日曜日の産経は中身が詰まっていた!
 防衛省不祥事で、山田洋行が国際相場の50倍の値で調達していたとか、対馬を視察した議員団の詳報、21年度予算の詳報、オバマ政権の閣僚名簿、中国海軍のソマリア“出撃”、山本記者の『一党独裁終結署名が意味するもの』等など、これじゃ、機内で「産経を」とアテンダントに言ったところ、「産経は既にお客様が・・・すみません、朝日はありますが」と言った理由が良く分かった。
 今朝の産経も「日米会談」時の佐藤総理の核に関する秘話をトップに持ってきているなど、いい仕事をしている! これは又いずれ分析することにしよう。


 雨雲の下に時々町並みがのぞく板付の着陸経路は久しぶりに懐かしかったが、随分空港周辺の環境も変わったようだ。
 出迎えを受けて佐賀まで車、高速道も発達した。

 会場は立派な公共施設で、主催者によると利用が多いので予約が大変だという。設備万端整っていて、パワーポイントの威力も十分果たせた。
 地元佐賀はもちろん、福岡、日田、長崎、北九州などから、熱心な方々が集まっていたが、聴衆の大半が年配者だったのは、雨だと若者が来ない?という“不思議な?現象”によるものだという。
 熱心な聴衆の視線に、ついついアドリブが多くなったが、1400〜1603の2時間3分で終了、質疑応答となったが、田母神空幕長更迭“事件”に対する疑問と、防衛省の不可解な対応についての疑問が噴出した。講話の中でちょいちょい触れていたためか、集中質問は回避?出来たが、クラスター爆弾を破棄した政府に対する疑問、アンナ役所に支配されている自衛隊は大丈夫か?とか、中には自衛隊と国民の間の垣根をもっと取り払って直接自衛官に触れるように、というアドヴァイスもあった。
 全く同感だったので、「実は今回の“事件”が示しているように、自衛官と国民とを直接接触させまいとする『壁』、とりわけ自衛官=悪とするマスコミの壁があり、これを打破しなければならないのだ、ご協力を!」と言ったのだが、その後控え室に来られたその質問者は、元地元新聞社の大幹部だったので驚いた。しかし私の回答に『同感』してくれたのは嬉しかった!
 これらメディアの自衛隊たたきの実態については、今発売の『撃論ムック』に一部資料を挙げて書いたからご笑覧いただきたい。
 質疑が続き、実に45分も延長になり、3時間も立ちっ放しになったが、充実した快い疲労感だった。控え室での僅かな休憩時には、大臣、事務次官、特に防大校長こそ更迭すべきだ!という意見が多く、九州佐賀の葉隠れ精神を垣間見た気がした。

 メディアが自衛隊を捻じ曲げて悪く伝えようとしても、国民の皆さんは『肌で』真実を掴んでいるな!と痛感した。その意味では大いに『パワーを頂いた』のは逆に私の方であった。
 
 帰路は佐賀空港発だったが到着便が遅れ、20分遅れで雨の中を離陸、雲中で360度西向きに旋回しつつ上昇して航路に入る無駄な?上昇経路を取ったが、福岡空港との絡みがあるから仕方ない。
 しかし紀伊半島を過ぎると突然名古屋地方の広大な夜景が目に飛び込んできた。今日は田母神氏が名古屋で講演した筈だから、今頃懇親会で盛り上がっていることだろう!と思いつつ、眼下の懐かしい浜松、清水港などの夜景を楽しんだ。その昔、ここを学生達と共に夜間飛行で飛び回っていたのか、と少しセンチメンタルになったが、それにしても不況風はどこを吹いているのだろうか?というくらい、まるでビーズ玉を撒き散らしたかのように煌々と明かりが続いていて壮観だった。
 伊豆大島を経て関東に入ったが、横田までが視界に入るくらいの好視程、50Km以上あったのではないか?
 房総半島の南端を掠めて東京湾に入ったが、滑走路はBだったようで南西からの強風でガストが強かったが、煽られながらも「ウイングロウ」と「クラブ」を利用した見事な接地だった。降りる時にアテンダントに「ナイスランディング!」と言ったのだがが、「変なおじさん!」と思った程度の反応だった!
 自衛隊全日空も、現場はしっかりと「いい仕事をしているな〜」と嬉しくなった次第。

 さて、田母神氏が「日本は侵略国家ではない!」(海竜社¥1260)という2冊めの著書を出した。渡辺昇一氏との対談集だが、やがて3冊目も出るだろう。
「WiLL2月号」でも「小林よしのり氏との対談」が出ている。田母神氏には大いに「真実」を国民に伝える役割を果たして欲しい。


 ところでメールの中に、今回の“事件”の裏話が、週刊新潮に出ているというメールが届いたので、ご参考までに紹介しておく。

防衛省の内局、つまり役人は先代の守屋次官を筆頭にみな腐っている。あまりに汚職が蔓延し、省内向けにビデオを作つた。内容は制服自衛官が賄賂と供応を受けるというストーリ−だった。悪いことはみな制服組に押し付ける。内局の悪い癖だ。
 守屋の後任の増田好平は次官就任のさい陸海空の幕僚長を呼びつけて、そのビデオと同じに自衛官汚職まみれだから綱紀粛清するようにと申し渡した。
 田母神俊雄空幕長が反論した。それは汚職をやる内局に言えばいい、と。
 これに対して増田は反省しないで報復に出た。
 本来ならこの夏に田母神は統合幕僚長に就任する予定だったが、増田はそれを見送り、春の彼の定年を待って次の統合幕僚長人事をやることにした。増田は、これが文民統制と思っている。
 そんな折、空幕長が民間懸賞論文で一等をとった。事前許可を取っていないとか因縁をつけて、蚤の心臓の浜田防衛相を脅し上げた。かくてその日のうちに空幕長の解任が決まった。この陰湿な人事の仕掛け人、増田の名は表に出ていない。
(週間新潮08.12.25ページ150変見自在「支那人超え」より≫

 ついでに「文芸春秋」1月号の「霞ヶ関コンフィデンシャル(235ページ)」に「増田防衛次官退任説」が出ている。
 要するに≪守屋氏の失脚で完全復活した増田氏の求心力は低下の一途。石破氏が主導した制服組重用の防衛省改革の太鼓持ちとして、内局(背広組)に不満の声が渦巻く。増田氏自ら「防衛政策は内閣官房に任せ、防衛省は『傭兵省』に撤すれば言い」と言い出す始末で、「自分の組織を破壊する気か」と人心は離れている。
 増田氏の算段は「来年夏に次官2年で辞めるより、就任から4年半を越える柳沢氏(官房副長官)の後釜に収まれば、“高給役人”として向こう数年延命できる≫というものだが、真相はさておき、国民はこんな役人達の“高給”目当ての保身をどう見るか?
『傭兵省』など意味不明なことを発言し、陰湿ないじめと恨みを優先し、国防なんぞ真剣に考えたことがないこんな役人のために、40年間『わが身を省みず』働いてきた制服トップが、やすやすと『不当解雇』されるのだからこの国の防衛は狂っているとしか言いようがなく、世も末である。


自らの身は顧みず

自らの身は顧みず

日本は「侵略国家」ではない!

日本は「侵略国家」ではない!