軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

自民党再生の秘訣!

 いろいろな方から、自民党の再生は無理だ!と聞かされる。とにかく腐りすぎた、馴れ合いで傲慢だったから、民主党に入れた、というのだが、その自民党もやっと“あわてて?”いるようだ。しかし人物がいないのは目を覆うばかりだ。


 雫石事故直後、浜松に来た当時の政務次官と座談の機会があったが、現場を知らないのは無理ないとしても、とにかく自衛隊謝罪論ばかりだったから、当時1尉であった私は「われわれ軍人は・・・」と意図的に“軍人”と切り出した。

『追突された自衛隊機』

 とたんに次官は大慌てで、「自衛隊は軍隊ではない。自衛官は軍人ではない。国会でわれわれは専守防衛、野党の攻撃にさらされる。誤解される発言は慎め」と私の発言を遮ったものだ。

 当時の日記には『団司令の指名により発言するも、本論に入る前に次官の“弁舌”にさえぎらる。特に“軍人”なる語を用いて反応を見るに、誠に滑稽、極めて敏感に“軍人”なる語に反応を示され、単に言葉尻を捕らえた問答に終始す。なんと現代の政治家のスケールの小さきことよ。日本の進路に極めて不安を抱けり。政治とは議事堂にて言葉尻を捉えていがみ合う猿芝居なるか!・・・」と書いている。昭和46年の秋のことである。


 憲法改正での集まりでも「国防軍」ではなく「自衛軍」と言葉を濁すから、「どこに『侵略軍』を持つと書く国がある。自衛は不要、陸・海・空軍でいいではないか」と質問すると、「“連立”政府だから煩い○○津に反対されるから、この程度で勘弁して欲しい」という。


 これが今までの腐った自民党の実態だった。それが野党に転落したことによって、くびきから解放されたのである。絶好の自立のチャンスではないか!
 前任者もひどかったが、今度の防衛大臣は『史上最低だ!』と論評されている。これで『シビリアン・コントロール』ではなく『シビル・アンコントロール』であったことが国民に理解されただろう。絶好のチャンスではないか!24万の武装集団がじっと見つめている!

ソマリア沖海域に向かう自衛艦


 ところで、自民党再生だが、今月発売の雑誌『正論』に、田母神前空幕長が『保守を元気にする5つの戦略』というタイトルで良いことを書いている。

 要するに、今まで自民党憲法違反の宗教政党と組んでいたから、保守本来の動きが制約され、全く身動きが取れずに自滅したのだから、今回はすっきりした筈で、ならばこれからは気兼ね?なく堂々と正論が吐けるではないか、という事だろう。
 つまり昔私が嘆いたように、野党の攻撃を恐れて『国会紛糾』を避けて現実から逃避し、その後は『連立を組んだ相棒』の顔色ばかり伺って本来の仕事をしなかった『自眠党』と決別できたのである。

 ここまで書けばいうことは自明、つまり田母神氏が言うように、真剣に保守本来の仕事に取り組むことだ。即ち「鳩山政権に対して歴史論争を挑み、歴史認識を改めさせる」絶好のチャンス到来ではないか!

 今まで『野党』は、政府が問題にならないように、しない様にと戦々恐々としている弱みを突いて『自虐史観』を認めさせ、正論を吐いた大臣の首を斬り、政府与党をその場逃れに終始させてきたことに『味を占めて』きたのだから、立場は逆転、これからは大いにそこを攻めるべきである。

 根拠のない『南京大虐殺』や『化学兵器処理』、『従軍慰安婦・強制連行問題』、それに付随する『村山』『河野』『宮澤談話』など等、自ら蒔いてきた戦後の悪弊を正す責務がある。

蒋介石を支援した諸外国勢力』(抗日記念館)

『“従軍”慰安婦を募集する当時の業者の広告』インターネットから

 もちろん、田母神氏が言うように『核武装論議』もそうであるし、「靖国問題」も同様である。
 自衛官の発言を封じ、軍事の素人である議員と役人が、戦闘機の性能にまで口出しして、空中給油装置を外したり、コンピューターを外させたりしてきた。その裏で『なあなあ』で取り仕切ってきた防衛力整備についても、本格的な国会討議に転じるべきである。

 もっとも、青空氏がコメントしていたように、今までそんな上司に取り入って発言せず、保身第一で“だらしなかった”制服高官もその点では同罪だが・・・。

 今回の野党転落を「災い転じて福となす」勇気があるかどうか、自民党新執行部の『能力と勇気』が試されている。


 今メディアにもてはやされている?民主党も水と油、“絶対に”まとまるまい。ましてや国民が認めていない泡沫政党の党首を大臣にした民主制度破壊の責任は極めて重い。2年もしないうちに内部から瓦解するだろうが、やがてメディアにも『飽きが来る!』メディアは話題が絶えず、儲かればいいだけ、主役が誰であろうとかまわないのである!

 それまでに自民党は「保守本来の姿」を整えておかなければそのときは確実に国民から無視され、自民党は歴史から消滅するだろう。

 民主党の真価が試される第一歩は、オバマ大統領訪日時の『日米同盟』にかかわる対応であり、インド洋からの海自撤退問題である。その前に『故人献金問題』や、秘書の犯罪問題が急浮上するかもしれないが・・・


 いずれにせよ『国家安全保障問題』抜きで、複雑怪奇な国際情勢の中を『安全航海』することは、たとえ宇宙人?であってもできない相談なのである。

正論 2009年 11月号 [雑誌]

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別冊正論 Extra.11 (日工ムック)

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