軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

2月6日はブログの日?

 今朝の産経3面に「2月6日」という日は「ブログの日」だとある。知らなかった。だから他人のブログに嫌がらせを書き込み“逮捕”されたものが出た、と言う報道があったのだろうか。
 私は、片や官姓名を明らかにしているのに対して、片や名を隠して「嫌がらせする」者は卑怯だと思っているので、嫌がらせコメントは何とも思っていないが、無責任、かつ陰湿な行為は逮捕されても仕方なかろう。


 ところで今日のニュースは面白いので何点かまとめて所感を書く。

1、1面トップに中国四川省地震で犠牲になった小学生の父兄が「244人の児童の無念を晴らしたい」と、「責任」求めて立ち上がったというニュースが出た。
「倒壊は巨大地震が原因」だとする文書に署名しなければ、見舞金が支給されなかったと言うからひどい話である。見舞金は世界中から寄せられた筈だが、共産党はまるで自分が出したものだと錯覚しているらしい。
 被害者父兄に署名を迫った警官は「上の命令で仕方がない。私は(父母の家に)住み込んでも署名させる。こうでもしないとこちら(警官)が失職する」と語ったらしいが、これが本音だろう。
 日本社会にもこれと同じような「しがらみ」から、意思に反して正義が実行できない例は多々あるもので、例えば「田母神氏の講演会」を開催することまかりならぬ!などと、協賛団体に「暗黙のプレッシャー」をかけることなど、専制主義国家ならずとも、民主主義国家でも良くあることだから理解できる。さて、犠牲になったのはこの記事の244人だけではない。他の犠牲児童達の父兄たちはどうするか?

 7面下には、中国の農地が「深刻な旱魃被害」に遭っていて、「食糧高騰、社会不安拡大も」懸念されるとある。地図には北京周辺が砂漠化している状況がはっきり示されているが、北京政府は首都を西安に移転する計画を持っている、とも言われている。今後、このような社会不安を中国政府はどう解決していくか、中国情報に注目したい。


2、「主張」欄に、大阪府橋下知事就任1年「大胆な手法で改革継続を」とあるが、支持率は依然として8割を超えているというから驚いた。
「橋下人気が衰える気配はない。財政難に苦しみ、地盤沈下にあえぐ大阪、関西を再生させようと言う熱意が府民の共感を得ているのだろう」と「主張」は書いた。
 それに比べて国会議員達は旧態依然、国民の気持ちを少しも理解していないらしく、やることが代わり映えしない。だから支持率もどんどん低下する。これは国家の基本である外交・防衛に対する意識が弱く、地方自治体と代わり映えしないし、発想自体も地方自治体より遅れている様に思われるところに原因があるのではないか? 橋下知事のつめの垢でも煎じて飲むべきだろう。


3、6面に「マルタ 忘却の旧日本海軍墓地」と、第一次大戦で地中海に派遣された帝国海軍部隊の顕彰碑の記事がある。「第一次世界大戦中、英国の同盟国としてドイツのUボートと果敢に戦い、戦死した兵士の墓だ。21年には皇太子時代の昭和天皇も訪問された。約150年前には文久遣欧使節団が初めて公式に訪問するなど、歴史的に関係は深い」と、現地を訪れた山口昌子記者が報告している。
「白い石塔に彫られた『大日本帝国第二特務艦隊戦死者の墓』の文字に見入っていた・・・」と記事にあるが、この石碑は、第二次世界大戦のマルタ攻防戦で、ドイツ軍の空爆を受けて破壊されていたものを戦後復旧したものである。しかも現地大使館ではなく、「英国関係者」からの助言で日本政府は知ったのだが、復旧のための予算がなかなかつかなかった。「外務省の所管ではない」というのが、外務・大蔵両省の言い分だが、他方「専守防衛」の防衛庁は無関心、肝心の「海上自衛隊」も無視を決め込んだ、という。

 これを知った旧陸軍出身の外交官K氏が解決しようと立ち上がり、理解ある当時の外務省A局長の支援を得てこれを復旧したのだが、今度は碑銘でもめたという。理由は外務省の担当が「日本海軍・・・」と“過去との関係”を薄めようとしたからであった。これを知ったK氏は、当時存在したのは「大日本帝国海軍」であり、今は「海上自衛隊」であるから、「日本海軍」はそもそも存在しない!と抵抗したという。
 その後外地に転出したK氏は結末を知らされていなかったので気にしていたそうだが、その後機会あって確認したところ「大日本帝国海軍」と刻まれていたから安心したという。しかし、その理由は破壊されずに残った「台座」の部分に「・・・Imperial Navy・・・」という英文字が残っていたから、「日本海軍」に変更できなかったことを知って苦笑したという。笑い話みたいな「事なかれ主義」丸出しの「役人の発想」だが、それよりもK氏は、海自が自分達の先輩の業績に対して真剣に取り組まなかった点を残念に思った、と私に語ってくれたものである。最も、その後このことが“美談”として知られるようになると、「オレオレ詐欺」が急に増えた!とK氏は笑った。
 この時派遣された旗艦「明石」以下8隻の駆逐艦部隊は、マルタに建設された傷病兵用の病院のための病院船や、輸送船をUボートから護衛したのだが、「17年6月11日、駆逐艦『榊』(艦長・上原太一中佐)が魚雷の直撃を受け、59人が戦死した。墓地には彼らのほか、傷病による戦死者も眠る。マルタでは『日本兵は勇壮な戦いをしながら礼儀正しく謙虚だったので、上陸した時などは非常に尊敬されたといわれている』と証言するのは、在マルタ日本名誉総領事のヒューバート・ミフスッドさん(65)」と記事にはある。そして、「日本政府は在イタリア日本大使館を通じ、年間約700ドル(63000円)を墓の維持費に計上している」そうだが、今話題の給付金に比べても、桁違いではないか?と悲しくなる。日本政府は、金の使い方を知らないこと甚だしい、と私は感じる。
 ちなみに駆逐艦「榊」が「魚雷の直撃を受け」たと山口記者は書いているが、私が聞いた話では、船団に向かって走る魚雷の航跡を発見した「榊」は、間に合わないと見て「艦ごと魚雷に体当たりをした」のが真実だという。この「わが身を省みない勇敢な」行為を見ていた船団が感謝しなかったはずはない。「武士道」の国から来た軍隊を思い知ったに違いないからである。
 英国出身の作家・C・W・ニコル氏は「海自がインド洋に派遣されているが、派遣の是非を論じる前に世界が称賛したこんなに勇敢で誇り高い日本人がいたという事実をもっと学んで欲しい」と言っているそうだが、肝心要の日本政府が、未だに「村山談話」を踏襲(とうしゅう)しているようでは、自衛隊員はおろか、国民にも誇りと勇気が持てるはずはない。

 ところでここでコマーシャル!
 先日、自作の短編小説をご紹介したところ、なんと4部「売れていた!」1部は仲間だと分かっているが、3部は多分ブログを見た読者の方だろうと思う。航空自衛隊パイロットとしての“実話もどき”は、「ストレンジャー」よりも、「出雲の神々」である。ご一読いただき、ご意見が伺えれば幸いである。
ストレンジャー」はUFOをめぐる「推理小説」。反響がよければ次は舞台を「東北」に移して継続しようと思っているのだが。ご参考までに「まぐまぐマーケット」は「https://ssl.mag2market.com/」である。

敵兵を救助せよ!―英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」工藤艦長

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自らの身は顧みず

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日本は「侵略国家」ではない!

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