軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

子供達を戦場に連れて行く?

 2日月曜日の夜に、恒例のチャンネル桜で「防衛漫談」をしたが、田母神前空幕長の人気沸騰で、雑誌や新聞などに目を通すだけで大変だった。
「そのナゾ?」を井上キャスターに聞かれた私は、「今まで、政府など関係機関がメディアを通じて流す情報に、国民は何と無く“胡散臭い物”を感じていたのだが、今回の田母神“事件”で一気に噴出したのだろう」と回答した。
 自分に都合の悪いものを隠し続けてきたが、とうとう隠し切れなくなった、つまり、自己保身のために彼の口を封じたつもりが、これを見た国民の大多数が、自由の身になった彼自身から聞き出したい、と思ったからだろう。彼の方が嘘を言っていない!と国民は知ってしまった。防衛大臣は「虎を野に放ってしまった」のである。

 同時に言論界にも面白い現象がおきている。
 保守派総合雑誌の「諸君」が休刊になったのである。文芸春秋社の目玉の一つで、「紳士淑女」欄は私の愛読していたもので残念だが、昨年末、それも田母神“事件”以降、「諸君」に登場する「保守派物書き」が、田母神氏を批判する度に「一般書店での売れ残り」が目立っていたから、私はこのことあるを感じていた。
 つまり、「諸君」が重用していた保守派物書きや歴史学者などの「正体」がばれ、読者が何と無く「胡散臭いもの」を感じたからであろう。同誌の「休刊」は残念だったから、昨日一冊購入したが、これには「西尾幹二氏と秦郁彦氏」の撃論が出ていて、二人を良く知る私としては興味津々である。
 明らかに西尾氏の“勝ち”だが、こんな似非保守派学者に「諸君」は食いつぶされたのだと感じる。勿論、それを見抜けなかった編集者の目も問題だが。


 政界にも「激震」が走ったようで、小沢民主党代表の「公設第一秘書」が、西松建設という「トンネル専門会社」から多額の献金を受けていたらしい。代表は辞職しないと強気だが、任命責任はどうなる?

 今朝の産経(25面)には、「西松建設と小沢氏の親密な関係が始まった背景には、小沢氏の“後見人”とされた自民党元副総裁の故金丸信氏の存在があった。竹下派七奉行の中でも小沢氏を特に重用した金丸氏が47歳の若さで小沢氏を自民党幹事長に押したエピソードは良く知られる。金丸氏の次男が、昭和40年代に西松の社長だった杉本三吾氏の娘と結婚しており、当時の状況を知る同社関係者は、『金丸氏から西松を託されたのが小沢氏だった』と話す」・・・とあるから、田中金脈問題の尾を引いているということだろう。
 奇妙なことに逮捕された大久保秘書も47歳だそうだが、小沢氏を含めて、今回指摘されている「庶民の生活とは縁遠いお偉い“方々”」は、人生をどう考え、学問の府で何を習ったのだろうか?と改めて伺いたいものである。乱れきった日本教育再生の資料として・・・

 腐敗しきった今の世に不正を許さない『特捜』という組織が健在だったことは、まだまだ日本に一縷の望みがある事を示唆してくれた様に思う。「陰謀説」や「国策捜査」説が飛び交っているがいずれ判明するだろう。


 ところで今日の主題は表記のテーマである。『特攻隊』をテーマにした演劇で、以前TVで見たのでここにも書いたような気もしているのだが、3日付けの地方版『特攻隊テーマに命の大切さ訴え』に関する話題である。

「神風特攻隊をテーマにしたため自治体から上演を敬遠されていた演劇が、調布市主催で14日から同市せんがわ劇場で上演される」ことを報じた産経の記事だが、作品は『THE WINDS OF GOD(ザ・ウインズ・オブ・ゴッド)〜零のかなたへ〜』といい、『若い漫才師二人が交通事故の衝撃で昭和20年にタイムスリップ。特攻隊員となり戸惑い、否定しながらも人々と交流するという物語』である。
 原作者は俳優の今井雅之さん(47)だが、彼が元自衛官だという理由ではないだろうが、「行政や教育委員会に『子供達を戦場に連れて行くのか』といわれ、悔しい思いをしてきた」と語っている。
 今時、未だに旧社会党系の『地方自治体職員』が蔓延っているとは驚いた。しかも教育委員会に!

 せんかわ劇場のペーター・ゲスナー芸術監督(47)は「20年続いたこの作品は日本の宝物」「日本人のアイデンティティーのために大事な作品」と上演の意義を話す。
 公演は14日から22日までの全10回。前売り一般3000円、大学生2000円、高校生以下1500円(当日500円増し)で、今井さん主演で追加上演も決定し22日1回のみ・別料金とある。問い合わせは同劇場「03-3300-0611」
 この演劇が「子供達を戦場に連れて行こうとする作品かそうでないか」現実に皆さんの目で確かめて欲しいものである。「無理が通れば道理引っ込む」という異常な世の中は、市民自らの手で正さなければならない。

 田母神“現象”は、嘘で固められてきた戦後日本の「虚構」に風穴を開けたと私は思っている。少なくとも「防衛・自衛隊」活動については、今まで塀の中に隠されてきた誤解を解くものだと確信している。

 今井氏によるこのささやかな「演劇」をめぐる問題も、我々の身の回りにいかに愚かな自治体職員や、勇気のない自治体首長がいるかを示したもので、この際徹底的にその正体を暴く必要があろう。数々の妨害や嫌がらせにめげず、上演を主催する調布市に賛辞を送りたい。

 蛇足だが、先日は「31歳」に感動したが、今回は「47歳」にもいろいろな人間がいるものだと、改めて感心した次第・・・

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