軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

台湾併合、沖縄併合、そして・・・

 昨日は久しぶりに都心に出て、午後から「航空雑誌」の座談会に出た。
 テーマは、今話題のF-X後継機問題で、F-22がダメなら、ユーロファイターではダメなのか?というのものだったが、航空機の性能諸元よりも、私は日米関係とアジア周辺諸国のミリタリー・バランスという点からF-X問題を見ているので、すでにいろいろ書いた主張を繰り返した。

 細部は雑誌が発行されたらご一読願いたいが、オバマ大統領の決断で、たぶんF-22の入手は不可能になる公算が大になったということは、日米関係の将来を暗示しているように思う。それも好ましくない方向の。
 コメントにもあったが、経済問題では米中が特別の関係だとオバマ大統領は表明している。
 おそらく、その昔、コミュニストのたまり場と評されたハーバード大法科大学院を修了し、弁護士になった典型的な民主党エリートであるオバマ大統領は「同じ山に二頭の虎(または龍)は住めない」という中国の諺を知らないのだろう。

 尤も、アジアで経済大国だ!と自慢していたわが国の指導者達も、今や経済力を身につけた中国の虎が世界第2の軍事費大国になり「二匹の虎はいらない!」とばかりに狭い庭から追い出されたのに、まだ気がついていないのだから大きなことは言えないのだが、中国はまさに“虎視眈々”と地球上で一匹だけの虎になる機会を狙っているのである。別にどこが「虎」になろうがかまわないが、この国の過去はもとより、現在においても、自己中心主義的作法が気にかかるのは私ひとりではあるまい。
 オバマ大統領も気がついたら、中国が「F-22」ならぬ「C-22」のライセンス?コピー?生産を開始していることになるかもしれない!


 冗談はさておき、若い航空問題研究家には、幅広い視点からものを考える者が出ていて心強く思った。唯一の難点は、自衛隊の実情に疎く(操縦経験は別にして)軍事力の持つ裏事情、現場感覚の経験が不足しているという事だろうがこれは仕方あるまい。しかし、国際情勢(航空事情)を詳細に研究していて、日本政府や企業などの対外国「交渉能力不足」を嘆いているのには感心した。
 そんな将来を期待できる若手研究者に対して、自衛隊で豊富な経験を持つOBたちが、どうして軍事的に彼らを「善導」しないのか不思議でならない。まさか現役時代に「ゴルフ・マージャン・カラオケ」に現を抜かしていたからではあるまいが、私ごときロートルではなく、近代兵器を熟知した若手OBたちにも大いに期待したいと思う。
 田母神事案で「物言えば・・・」の間は現役自衛官には無理なのかもしれないが、やがて防衛省の陣容も大きく変わるだろうから、それを機に明朗闊達で健全な組織に戻ることが望まれる。


 夜は引き続いて戦略情報研究所の講演会に参加した。
 今回は海自OBでジャーナリストの恵隆之介氏だったが、沖縄の最新事情を聞いて唖然とした。尤も、11年前まで沖縄勤務だった私は、細々とではあるがその後の変化を聞いてはいたが、今やここもまた「分水嶺に立っている」ことを痛感した。
 大昔、「こんな私に誰がした」という歌がはやったが、「こんな沖縄に誰がした」かというと、大半は「腫れ物に触るようなばら撒き政治」をしてきた歴代政府だ、と彼は断言する。つまり犯人は自社さ“野合政権”である。この政府はまさに「ごね得」を黙認してきたのだが、今やそれが県民全員に蔓延しつつあって、健全な思想を堅持しようにも「実質的に損する状態」が続いているからこの層には迷いが生じでいるのだという。
 例えば防衛省勤務の地元の職員も、警察職員も、「反対派」にばら撒かれる派手な金銭戦法に気持ちが揺らいでいるというのである。つまり、「米軍反対」を唱えている者には政府が金をばら撒くが、全うな安全保障観を持つものには「一銭の得」もないどころか「不利益」になりつつあるのである。武士は食わねど・・・の時代ではない。


 以前、尖閣は中国固有の領土だ!と中国の研究者が言ったと書いたが、いまや、「宮古八重山地区は中国」が、「沖縄本島は日・米」で、「奄美は日本」で領有しようと主張し始めているという。それを証明するかのように、周辺海域の調査活動は頻繁に行われていて、中国本土から沖縄に来島する北京政府の要人も増え、私服を着た軍人が、米軍基地のみならず、電力施設、石油備蓄基地を詳細に視察しているというから、沖縄は既に「第3期対日工作」が完成に近づきつつあるというべきである。


 台湾は馬政権が発足して、急速に中国と一体化が進んでいるから「平和的統一」は時間の問題だろう。そうなれば、台湾に接する八重山諸島は、まさに彼らが主張する「俺のもの!」となるだろう。いや、既に彼らの視野には沖縄本島も入っているのである。

 そこに絶好のタイミングで「友愛精神」を掲げた民主党政権が成立し、日本の領土は日本人だけのものではなくなるのだから、恐るべき凶悪犯罪に気が優しい沖縄県の男性は太刀打ち出来まい。
 そうなったら「後の祭り」というのだろうが、こんな沖縄にしたのは、社会党と“野合”してまで政権にしがみつこうとした当時の自民党幹部である。麻生総裁は、それが今の「国民から見捨てられた自民党」を招いた原因であることを忘れてはなるまい。
 今でも、社会党ほどではないが、憲法に抵触する政教非分離政党との不明朗な関係に国民が疑問を抱いているのだが、そんなあの頃の非常識な自民党から分離して、紆余曲折を経て民主党となったその立役者達の実態も、当時の“野合自民党”と何ら体質的には変わっていないことも有権者は見逃してはなるまい。野党民主党の内部構成は当時の“野合”政権そのままに映る。いや、それ以上危険かもしれない。
 麻生総裁には気の毒だが、支離滅裂状態の「自民党」の看板にこだわらず、健全な「真・自民党」でも結成して“野合民主党”と対決しないと、中国の影におびえて「独立」を叫ぶ沖縄の二の舞になりはしないか?
 真剣に世論の動向を分析して道を誤らないようにして欲しいと思う。こうなった原点は「自民党設立の本義」たる「憲法改正」を放置してきたことにあるのだから。

 台湾併合、沖縄併合、そして日本までもが「米国の51番目の州」どころか、ウイグルチベット状態になった時、誰が責任をとるのか、そうなってからでは遅すぎて、ご先祖様に申し訳が立つまい!

日本人のための憲法原論

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憲法九条は諸悪の根源

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憲法の常識 常識の憲法 (文春新書)

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国民の憲法改正―祖先の叡智日本の魂

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