軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

日米同盟健在!

 今朝の産経新聞一面の写真を見て、航空雑誌か?と見間違うほどだった。米空軍アクロバットチーム「サンダーバーズ」の写真が大きく出ていたからである。

 今週末の17日には、浜松で、翌18日には三沢で飛ぶ予定だが、私は予定が立たず訪問できなかった。千歳からは、好天を!と電話があったが、テルテル坊主じゃあるまいし、「雨男が集まるようだからダメだろう!」とからかっていたのだが、好天でよかった。

 こんな写真を掲載しているのはきっと「産経」だけだろう。朝日や毎日は決して載せないだろう?。朝日は今や「中国空母建造を礼賛」しているらしいから・・・


 記事によると「民主党政権の成立により日米同盟のあり方が焦点となる中」サンダーバーズがハイレベルの飛行技術を披露したそうだが、隊長のグレッグ・トーマス中佐は「今回の来日は米国と日本との重要な関係を象徴するもの。米空軍の誇りをお見せしたい」と語ったという。

 政治関係はギクシャクしているが≪軍事関係は密接≫という証しか。

 写真を見て昔を思い出し、何と無くコックピット内の匂い(酸素マスク?)を思い出したが、昔は楽しかった!


 ところで日米関係の“象徴”ともいえる普天間基地移設問題は、仲井真知事が一歩現実的路線に踏み込んだ。「滑走路の沖合い移動を条件に県内移設を容認する」意見を提示したのである。

 やっと本来の路線に戻った感があるが、この10年以上の間、堂々巡りしていたことが信じられない。

 大体、基地返還なんぞ、当時の地元は全く予想していなかったのである。基地の継続使用で、時の県知事が態度を渋ったのが発端で、ならば時の村山首相が代執行すれば済んだものを、結局決心できずふらふらしたのがことの始まりだった。時の施設庁長官が、オフレコの記者懇で「首相は頭が悪い」と発言、これが「馬鹿呼ばわり」したかのようにすりかえられてクビを取られたのもこの時であった。


≪返せ!返せ!≫と叫んだところ、本当に返ってくることになったから、沖縄の地主達は大パニック!呉越同舟で大騒ぎした。県もあわてて跡地利用計画作成に取り掛かった。
 時の首相も決心しなかったばかりか、浮体工法などという海のものとも山のものとも知れない≪浮かぶ基地≫をぶち上げたから、沖縄のゼネコンも猛反発、毎年台風で10mを超える高波が押し寄せる東海岸に、そんなもの浮かべても直ぐ壊れる。直せるのは≪本土の、しかも首相おひざもとの造船会社だけ、われわれはペンキ塗りだけさ!≫というのが当時の地元関係者達の反発の元。現場を知らない首相の大失態だったといえる。

 その後、知事交代のたびに奇妙な設計図が飛び交い、浮体工法を阻止したものの、今度は埋め立てとか、半埋め立て、沖合い移転、内陸部とか二転三転、その間に利権争いの代議士たちの動きもまことしやかに報じられ、移設問題は地元と米国無視の混迷に陥った。
 そこでこれらの意見をごちゃ混ぜにした防衛庁の「奇妙なV字滑走路」案がほぼ決りになっていた。この案は小泉首相ならずとも、飛行運用者にとっても「笑うしかないV字滑走路案」だったが、そんなどたばたに一筋の光が射してきたようだ。もともと沖縄の地元には、これらの経緯を踏まえた≪沖縄らしい≫理想的な計画案が、当時一部の有志によって作られていたのである。

 今回仲井真知事は「サンゴ礁の消失を出来るだけ食い止めることなどをあげ、可能な限り沖合いへ移動」することを求めたという。受け入れに伴う沖合い移動の条件は、名護市長らも主張していると云うから、何のことはない、この問題が紛糾し始めた頃の条件に戻ったのである。
 考えてみると、この間、地元新聞社屋に同居している本土の“左翼主義メディア”が、地元の将来なんぞ考慮だにせず、「サンゴ礁保護」だの、「ジュゴン保護」だのと、自分はさんご礁に「K・Y]と傷つけて「他人のせいにした記事」を掲載したくせに、それには頬被りして語らず、善人面して陰で「人が良い」沖縄県人を煽動してきた混乱の10年だったのである。
普天間基地移設問題」に関る出版物の版元の大多数は、沖縄タイムズとか岩波などで、著者達もその手の活動家であるから、書籍一覧表などで確かめてご覧になるが良い。

 今回、やっと知事も決断したようだから、11月に来日するオバマ大統領に、良いお土産ができることを期待したいが、ついでに、仲井真知事と前原国交相に、この際注文しておきたいことがある。

 
 それは「下地島空港」についてであり、建設時に取り交わした「軍事使用制限条項」を削除し、航空自衛隊を展開する検討を始めて欲しいという事である。

 羽田と成田のハブ空港化もそうだが、民間航空会社の“不良資産”と化している下地空港を活性化させることは、沖縄の活性化と国防の強化を両立させる理想的な案件だと思う。
 倒産寸前の日航も、全日空も賛成すると思うが、日の丸を軽視する防衛大臣には期待できないから、前原国交大臣の勇断に期待したい。是非ご検討いただきたいと思う。

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