鳩山首相が掲げる「友愛」という看板が、いかに虚しいものであるか、ご本人に自覚していただく必要があるのだが、近隣アジア諸国と、いとも簡単に「友愛精神」が通じるかのように思い込んでおられるのが気にかかる。
もちろん、オリンピックのような「スポーツ精神」を否定するわけではないし、個人的お付き合いでは「友情」が通じることも否定しない。しかし、国家間の付き合いは、それほど単純ではないから、人類史上「戦争」が絶えないのである。戦争は「正義」と「不義」の戦いでは決してない。双方共に「正義」の御旗を掲げて戦い、殺しあうから始末に負えないのである。だから「勝った方が正義」だという事になるのだが「東京裁判」がそれをはっきりと証明している。
大東亜戦争も、日本が“米国に”負けたから「侵略者」だとか、「暴虐の限りを尽くした」とか言われっぱなしなのだが、勝っていたら彼らはそうは言うまい。
「たまたま」米国に負けたから、日本が勝っていた中国や、日本に統治されていた朝鮮半島が「解放」された結果、日本悪玉論が横行しているに過ぎない、と私は思っている。
今朝の産経新聞の3面に、中国が東シナ海の主権を主張していると言う記事があるが、わがほうが「友愛」を掲げているが故に?「彼らはそれを無視して強硬な態度に出てきている」と推察される。
日本の政治家も「強いものにはこびへつらい」弱いものには嵩にかかって攻める傾向があるが、国際関係とは常にそんなものである。冷戦時代のソ連に対する臆病な対応振り、それに比べて話し合いが通じる「民主主義・自由貿易主義」の同盟国に対しては強がりを言った。
今でも自国防衛もまともではないくせに、同盟国に「対等」を要求している。北方四島のみならず、私の故郷である樺太までも奪取して恥じないロシアには腰が引けてものも言わないばかりか人道とか称して貢物!をしている。平和団体が、米国の核に対して憤るくせに、共産主義国の核には無言であるのと同じ、怖いのである。高速道で暴走している車が、パトカーを見ると急におとなしくなるあの心理である。
この傾向はどこの国も同じで、中国などは植民地化され、アヘンまみれにされた欧米諸国には「無言」で決して立ち向かわない。今でもやはり怖いのである。
そのくせ同じアジア民族である日本に対しては、東アジア共同体などと声高に叫びつつも強硬姿勢を貫く。そんな相手に≪友愛精神≫が通じると思うほうがお人よしである。
この東シナ海にかかわる記事を読めば、南西方面で次に何が起きるか予測できるだろう。それに十分備えた上で「友愛」を唱えて欲しいと思う。
8面右下のショートニュースに、「『鳩山』姓、悪役に使うな」という記事があったので笑ってしまった。中国共産党宣伝部が「先週末の鳩山由紀夫首相訪中に合わせ、抗日戦争を題材にしたドラマなどを今後製作する際、登場する悪役の日本人に『鳩山』姓を使わないよう求める通知を国内メディアに出していたことが分かった」という。
「著名な現代京劇『紅灯記』に出てくる日本人憲兵隊長が『鳩山』だったことから、中国では『イメージがよくない』という。鳩山首相がアジア重視を打ち出す中、中国当局が日中関係に配慮したと見られる。
中国では、10月1日に建国60周年を迎え、共産党統治の正当性アピールと愛国主義宣伝のため、抗日戦争や国民党との内戦をテーマにしたテレビドラマが多数放映されている。通知は、首相訪中時に抗日戦争関係のドラマ放映を少なくすることも求めたという」
中国のテレビでは連日抗日戦争の英雄をたたえる『ドラマ』が放映されている。実にあくどい『日本軍兵士』が登場し、それを中国軍の英雄が打ち倒す。大東亜戦争で日本軍に勝てなかった中国(国民党軍)の腹いせか、ドラマで溜飲を下げているのだろうが、それにしても品性のかけらもない。
他方、日本では、特に“暇をもてあましている?ご婦人方”がテレビの「韓流」ブームの先端に立ち、テレビ局も「赤壁の戦い」などを礼賛しているが、彼らの国ではそれとは全く異なるのである。
日本人が、いくら彼らを“礼賛”しても、反日ドラマがなくなることはないだろう。
日本のNHKや民報テレビ局は、鳩山首相の精神を伝えるため、『友愛番組』を共同製作してみたらどうだろう?
たぶん、「友愛」の定義から入らないと不可能であることを悟るだろうが、だからといって「反中」「反韓」ドラマを作成しないのが、日本のメディアの『人間性豊か』な証拠である!
ところで中国語で「友愛」をなんと言うのだろう?そんな言葉があるのだろうか?今度石平氏に会ったら聞いてみようと思うが、その前に中国テレビの、日本人悪役の名前が『佐藤』『鈴木』に変更されたりして・・・。
外交には、日本独自の「曲尺」や「鯨尺」が通用しないことを知っていただきたいものである。
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