軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

宮崎正弘氏による拙著の書評

 ジャーナリスト・宮崎正弘氏が主催する自分のメルマガに拙著の書評を掲げてくれた。鋭い視点に敬服するが、最後の「筆者は、この本を『小説』として“愉しく”読んだ」の一文には一本とられた!

 専門家の視点にかかると、素人の文章は「小説」と受けとられるようだ。しかし、それは見事に的中していることを白状せざるを得ない。

 当初、『朝鮮半島』をめぐる『秘話』として纏めていったものだが、元戦闘機乗りだからどうしても文章が『硬く』なる。編集担当者から『やわらかく、やわらかく』といわれるので、「そうか、トムクランシー張り?に読み切り小説風に砕いてやろう」と、一念発起。『読み物風』に纏めたのだから、宮崎氏の評は鋭く見抜いているのである。でも、専門家にそう認められたのが逆に嬉しかった。


 確かにタイトルは編集部がつけたもので、みんな驚くし、(腰を抜かした編集者もいた!)大学教授もその道の専門家もまず疑うから不思議である。考えてみてほしい。半島も台湾もかっては日本国であったし、満州や中国、東南アジアにも相当数の日本人が住んでいたのである。今でも時々話題になる『中国残留孤児』問題がそれをよく表している。

 ウソかまことかは別にして、ご一読いただくと、日本の近現代史の隠された部分がお分かりいただけるであろう。


 戦後の日本人は、GHQの命令に素直に従い、『大東亜戦争』を『太平洋戦争』に置き換えてしまった。その連合国(主として米国)の言いなりになって今でも「大東亜戦争」という用語を認めない活動しているのが皮肉にも日教組であり、非保守派の活動家達である。


 太平洋での戦いは、海軍と孤島にばら撒かれて玉砕した一部陸軍を主とした「敗戦史」であり、旧陸軍軍人達から見ると決して『敗戦』を受け入れられないのも無理はないことに行き着く。ましてや中国やフランス、オランダ、イギリスに対しては・・・。今回の“小説”はその第一弾、次は大東亜戦争を見直すものを書きつつある。
 素人「小説」を読んでみたいと思われる方は「まぐまぐ・マーケットのPDR」で販売中だから、そこで私の短編小説をご覧戴きたい。


 何はともあれ、宮崎正弘氏の『書評』に感謝申し上げ、そのお礼に、宮崎氏らが登場する今夜8時から11時までのスカパー217チャンネル『討論・・・』番組(チャンネル桜)を御紹介しておきたい。民主党政権の先を占う内容の濃い番組である。


宮崎正弘のメルマガ』●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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佐藤守金正日は日本人だった』(講談社
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 衝撃的なタイトル! ひっくり返りそうになる読者が多いに違いない。
 本書では淡々と東アジア百年の裏面でうごめいた歴史がミステリー風に俯瞰される。 
 かつて抗日ゲリラの頭目金日成という名前の馬賊パルチザンの英雄と見なされていた。馬賊や盗賊の類いが出没した時代に、日本軍は徹底した討伐作戦を敢行し『本物の』金日成は逃避行、どこかで死亡した。
 安心したのも束の間「金日成」のブランドを名乗るゲリラの頭目やらが登場、それも四人。そのうちの一人が偽金日成になることに成功し、逃亡先のハバロフスクから北朝鮮へ入る。ソ連の後ろ盾があった。
 かれはソ連の傀儡で、北朝鮮にもどるや民族派、統一派ら政敵を粛正し、スターリンの命令で朝鮮戦争を仕掛け、さらに北に独裁王朝を築いた。
 金日成の二番目の妻・金正淑は、夫のハーレムに嫉妬し、その空閨をうめるためにゲリラの優秀な指導者で夫の革命同士だった金策と親しくなった。
やがて子が生まれた。それが金正日である。
独裁者の金日成は、この子を疎んじ、弟のほうを可愛がった。弟は池に落ちて死んだ、とされる。ここまでは多くの人が知るところ、おそらく真実であろう。

世紀のミステリーはここから始まる。
後継は、そののちに紆余曲折を経て金正日に決まるが、舞台裏の暗闘、そして決まってから金正日のやったことは親父の派閥の有力者の殆どを粛正したことだった。
 さて金正日の親とされる「金策」とは?
 かれは日本が送り込んだ残置諜者。つまり日本人だった。名前も分かっているという。しかも黒龍会玄洋社の流れを汲む人物だというから、このあたりからベッド・ディテクティブになる。
金正日は異様なまでの日本贔屓、赤坂のナイトクラブに何回も極秘に来日し、寿司が大好きという、隠れた本質が現れる。これは金正日の料理人だった人物の回想録にも現れている。
彼の子供の金正男も、ドミニカかどこかのパスポートで何回も日本へ入り、やがて成田空港で拘束される『事件』もおきた。
さて、本書に書かれたことは真実なのか、信じるか、信じないか。
 筆者は、この本を「小説」として“愉しく”読んだ。

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