軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

民主党政権の“無責任さ”

 たまに国会審議をTVで見ると、これがわれわれ国民の「生命と財産」を預けた政府であり、議員諸侯か?とため息が出る。茨城県行方市議ならずとも、あまりの低次元さにチャンネルを変えたくなるだろう。民主党に投票した有権者も、「コリャダメだ」とため息をついているに違いない。だがあと4ヶ月、辛抱辛抱・・・・


 ところで産経を読んでいて気になった記事があった。
 その一つは26日の20面、山形県内で開催されていた「日教組教研集会」の記事で、日教組は「平和、人権、環境、共生を尊重する社会の主催者をはぐくむために、教育実践をさらに深めていく」とアピールしたが、取材した安藤記者によると、「果たして日教組が国民の負託を受けて公教育を担っていけるか。暗澹たる思いがした」という。
 それは「連合と共に『労働教育』『労働者教育』をカリキュラムに位置づける取組の準備を開始した」という、中村譲中央執行委員長の言葉から、安藤記者は「『労働者教育』という聞きなれない言葉が引っかかり、『何を公教育にもたらすつもりなのだろう。中村氏の口からは、労働組合の必要性や意義などを教える―ということ以外、具体的な言及はなかったが、労働者の団結や階級闘争の意義などを子供たちに教えるつもりなのだろうか。まさか学校で『教師は労働者』とでも教えるのだろうか」と疑問を呈している。


 高崎経済大学八木秀次教授によれば、1920年代のソビエトの教育界で実施され、その結果学力や規範意識の著しい低下を招き、30年代半ばに葬られた施策と似ているとされ、「日教組をはじめ日本の教育会で『ソビエト教育』の信奉者は依然多く、日教組はこれを下敷きにしているのではないか」という。何たる時代錯誤か!
 そして安藤記者は日教組が「政権を支える立場になった今、現実に何が起こるかしっかり見守る必要があろう」という。しかしこの記事の最後を安藤記者は「教師は要所要所で組合寄りの教育に導いていく。組合流の教育課題を公教育に持ち込むさまざまな仕掛けは巧妙さを増している。そう思えてならない」と結んでいるが、これほど危険な教育があろうか?こんな異常な教育研修会を“暗澹たる思い”でレポートした安藤記者としては、「今、現実に何が起こるか。しっかり見守る必要があろう」などと、他人事のようなことを言うべきではなく、「子供を預けている父兄たちは、今教育界で何が起きているかを直視し、このような偏向教育を直ちに阻止すべく立ち上がるべきだろう」と書くべきであった。

 父兄は誰も組合流の思考を身につけて欲しいと思ってわが子を学校に通わせているのではない。何とかの一つ覚えみたいに原爆映画『はだしのゲン』を見せる“平和教育”に没頭する左翼思想狂師たちに、わが子を勝手に品のない「労働者」にされてはたまったものではない。

 

 次に目に付いたのは27日の7面、曽野綾子女史の「透明な歳月の光」欄である。
 連日小沢氏の4億円の話題が尽きないが、われわれ庶民が見たことも想像したこともない「レンガ」や「座布団」という言葉が飛び交っている。一億円の札束は10Kgもあることを初めて知ったが、そんな重い座布団を4枚も運ぶ石川議員に、座布団運びの本家本元、「笑点」の山田君はどんな感想を持っただろう。一度運んでみたい、と思ったかもしれない・・・。
 これだけ見ても民主党幹事長周辺の現金に対する感覚は正常ではない。そんなことを考えていた時、曽野女史が「4億円もの金を自宅においていたという事に、庶民感覚はついていけないが、その金の処理を秘書に任せて監視もしない人が政治に関与したら、あちこちに漏れが出るだろう」と書いた。

 問題はそこである。そんな“異常な”感覚で政治をやる人に、われわれ国民は「生命と財産」を預けているのだ、という問題である。われわれ庶民の財産なんてこの政治家は秘書にも任せてくれまいが、問題は「生命」のほうである。
「小沢氏はあっさりと貯金通帳の写しまで添えて、その証明を世間に出してしまえば、実に簡単だったのだ」「愛のある無しと違って、金の残高は簡単に証明できる」と曽野女史は書いた。


 小沢氏に献金した会社が、そんな重い“座布団”を大久保秘書に手渡す時、領収書も受け取らなかったというのは株主に対する歴然たる裏切り行為だが、受け取った政治家がそんな感覚で政治外交を手がけ、国民の生命に「漏れ」が出たのじゃたまらない。


 平野官房長官だけはやっと“異変”に気がついたようで、名護市長選の結果「自治体の反対を斟酌していたらなにも出来なくなる」と発言した。やっとお気づきか。多数決の原理は尊重しなければならないが、多数決に従ってばかりいては政府の存在は無意味になり、指導力も発揮する必要がないことになる。毎日ファッションショーに出かけ、夫人と指相撲して遊んでいればことはたりることになる。
 指導者たるもの、反対を押し切っても敢然と決断する事を期待して、年々高額な歳費を国民は支払っているのである。多数決だけでことが済むなら、それこそ政府は不要、衆愚政治に堕するだけであろう。


 さて、民主党は政権をとっては見たものの、なんとも早、準備不足だったからか事が思い通りに進まず、イライラする毎日で、今年は胃潰瘍議員が増える?だろう。
 まあ、あと4ヶ月、国民は壮大な「ワイドショー」を見つめているが、近隣諸国内の恐るべき騒乱が控えている時期、早く決着をつけてもらわないと、景気回復どころか、われわれもその被害者になりかねない。政界再編は急務である。

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