軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

地球は疲労している!

 ハイチで大地震があったと思ったら、今度はチリでM8・8の大地震が発生した。人心が乱れると天災が起きる!と以前書いたが、これほどまでに早く、しかも次々にやってくるとは思わなかった。一般的には2012〜3年ごろに、とてつもない天災がやってくる?といわれていて、私もそう感じているのだが、果たして・・・


 友人の経済研究者に言わせると、過去の事例からの見積もりだとして、そのころは丁度政治・経済的に大きな曲がり角で、戦争など破壊的な出来事が起きるというのである。
 私も数年前から「2008年危機」を唱えてきたが、それは2011年か12年に中台間の軍事衝突を危惧したものであった。しかしこれは「馬政権」の誕生で“平和的に”収束?しつつあり、それに代わって起きたのが「世界恐慌」であった。


 友人の分析は鋭く、1990年に日本のバブルがはじけた翌年の91年に「湾岸戦争」が起き、2000年に米国のITバブルがはじけた翌年の2001年には「9・11同時多発テロ」が起きた。つまり10年おきに世界的混乱が起きているのだが、では2010年にはどうなるか?という命題に、彼はアジア、特に中国のバブルがはじけ、2011年頃には何かが起きる、と予測したのである。
 私は「2010年には上海万博」が予定されているので、中国は何が何でも「バブル崩壊」を回避しようとするだろう。しかし、江沢民北京五輪、上海万博で力をつけた後の2012年に台湾を武力で併合する、と言ったから2012年は怪しい、と言った。
 経済専門家の分析では、既に中国ではバブルが進行していて、制御不能ではないか?といわれているから、今年は何があってもおかしくはない年回りに当たるといえよう。

 そう思っていた矢先に大地震が連続しているから「いよいよ始まったか」というのが私の正直な感想だが、それにしてもわれわれが住む「地球号」は相当疲労しているように感じてならない。


 その昔、高度成長期の「列島改造論」華やかなりし頃、日本列島上空を飛行する私は、コックピットから見る下界が見る見る「禿山」と化していく様を見て実に悲しく思ったものである。中国自動車道関越自動車道の建設にあわせるかのように、下界にはざっと数えて3〜40近くのゴルフ場が建設中で、時間が経つにつれて丘に上がった「くらげの死体」のような模様に変化していく。

 東北地方ではそれにスキー場が加わり、冬場は目立たないが、夏場は見事な「禿山」状態、特に新潟地方に集中していて、長岡、小千谷地区の下界は印象的だったが、その後大地震山古志村近辺は壊滅的被害を蒙った。ここは列島改造論の主唱者・田中角栄氏の地盤だった筈である。

 緑濃きわが日本列島の山河を、開発と称して削れるだけ削り取り、破壊していった結果は天の怒り地の怒りに触れたのではなかろうか? 正に“人災”ではなかったか?と思っている。

 今ではインターネットで地表が簡単に眺められるから、上空から地上の乱開発状況をご覧になればよい。飛びながら不安を感じていた当時の私の心境が少しは理解できるであろう。


 中国もそうであった。上海〜桂林〜西安〜北京と、あの広大な「原野」上空を飛ぶと、下界には高速道路らしき何本もの削り取られていく道と巨大なダム、そして広大な工場用地らしき禿山が連なっていたが、いまや北京政府は水源に苦労しているばかりか、地震が多発して人民は恐れているという。

 2年前の5月12日に起きた成都地方の大地震は、数万人の犠牲者が出て未だに後遺症が残っているというが、この地方は言わずとしれた中国軍の原子力開発の拠点で、地下には広大な施設がある。つまり核施設を作るため、地下を大開発したのである。

「地下の武器庫破壊か?(インターネットから)」
「CBN防護服姿の軍隊(インターネットから)」


 ところで、アジアから見れば地球の裏側に当たる中南米で続いた地震が何を意味するのか、素人の私には分からないが、たまたまチリ地震発生時に、地球儀で津波予測を確かめていた私は、今回の発生源の真反対側に当たるのが中国の四川省周辺であることに気がつき、次はここで地震が起きる!と息子に告げた。


 ところが日本ではあまり伝えられていないが、ほぼ同時にこの周辺でかなり地震が発生していたことをインターネットで知った。

*2月18日、東北吉林省琿春市でM6・5
*19日、中ロ国境付近でM6・9
*25日、雲南省楚雄イ族自治州でM5・1
*26日、チベット自治区シガツェチクでM5・0
*同日、台湾花蓮海域でM5・1
*27日、四川省分汶川県でM4・2。同日、沖縄本島近海でも。

雲南省楚雄イ族避難民(大紀元報)」

 そしてチリでM8・8の大地震が起きて、わが国では津波対応に追われたのであった。
 中国の地震センターの専門家は、地震活動には一定の周期があり、頻発する時期とそうではない時期があるとコメントしているそうだが、当たり前である。
 山西省の太原市を含む各地では、数百万人が屋外に飛び出して夜を明かしたというが、これは「山西省で壊滅的な地震が発生するというデマ」がネット上に流れたからだそうだが、それにしてもこう立て続けに地震が発生していれば人民はデマに踊らされるようになるだろう。

 
 ハイチでも今回のチリでも、掠奪、暴動で手がつけられなくなっているようだが、中国でまた起きると収拾がつかなくなるだろう。わが国でもなにも急いで医師や自衛隊を地球の裏側まで派遣することもあるまい。
 とにかく何かあると、政府は直ぐ自衛隊!とこき使う。打ち出の小槌じゃあるまいし、自衛隊におんぶに抱っこじゃ、隊員だって人間、予算も人員も減らされているのだから限界がある。
 それよりも、万一の事態に備えた総合的見直しと訓練を急ぐべきだろう。いまや、昔のような「国民構成」ではなくなってきている。まさかとは思うが、都心部で略奪行為が起きないとも限らない。
 警察力だけで対応できるなら安心だが、関東大震災の教訓もある。「対岸の火事」の消火も大事だが、やがて自分達にも降りかかってくるだろう大震災の準備を怠らないようにしておいてほしい。


 米国首都近郊では雪害が続き、欧州では季節はずれの暴風雨だという。人類が、身勝手な欲望を満たすために「やりたい放題」だった結果、われわれがお世話になっている“地球号”は地球規模の金属疲労を起こしているのである。

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