軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

黒マグロ交渉、久々の快挙!

 ドーハで行われていたワシントン条約締約国会議で、大西洋・地中海産クロマグロの国際商業取引を原則禁止するモナコ提案が大差で否決された。日本外交、久々の快挙である。宮原正典日本政府代表らの地道な努力が報いられたのだろう。
 宮原代表が言っていたようにモナコ案は「科学的根拠に基づかない≪感情的≫提案」であった。それが日本代表団の尽力で無記名投票になった結果、各国はシガラミに囚われることのない常識ある投票が出来たことも勝因の一つだろう。
 モナコ提案に賛成が20カ国、反対が68カ国、棄権が30カ国という結果は、シーシェパードという真の動物保護とは無関係な金目当ての反日テログループの活動と、それと連携して賞を取り、名を売ってこれまた金を稼ごうという、隠し撮りや盗撮を主体とするアンフェアーな撮影方法や表現などを用いて制作された米映画「ザ・コーヴ」に対して、多くの常識ある国々の代表達は「不快感」を持っていたことが証明されたのである。


 今朝の産経抄子は「昔は乱獲しておきながら、今になってかわいそうだなんて、アメリカはよくいいますね・・・何代も続いてきた、捕鯨の伝統に終止符が打たれるとしたら、継いでいくはずだった私たちは、何をすればいいのでしょう」という、クジラの町太地町に住む中学二年生の少女の作文を最初に取り上げているが全く同感である。
 狩猟民族は四足動物を平気で屠殺する。新大陸に移駐したその末裔達も、原住民を追放し野生のバッファローを食い殺して生きてきたのではなかったか?


 今度はビートたけし監督に御願いして、従順な四足動物達が「屠殺されている」場面を描いた「a Butcher」を制作してもらい、世界中に「牛」など四足動物達の屠殺を描いた作品を紹介し、是非アカデミー賞を取ってもらいたいものである! そうすればクジラ問題とバランスが取れるのではないか!

 久々の外交的快挙だがこれだけで油断はできない。政府は第2次、第3次攻撃に備えて作戦を練るべきときである。


 ところでその政府は、次元の低い問題にかかわって右往左往している。
 秒読みに入った「普天間基地移設問題」も、私が現役時代から言い続けてきたとおり、普天間移設を「当面凍結」する動きが出てきている。
 沖縄に出かけて騒ぎを大きくしてきた“左翼陣営”は「歯軋り」だろうが、地元では地主も銀行も内心「ホッ」としているに違いない。この十数年、大山鳴動してゴキブリ一匹!で終結となるだろうが、沖縄本島の「北部振興策」を願っていた名護市以北の県民はがっかり、建設業者もがっかり、土地を先行取得していた方々もがっかりだろうから、余震はしばらく続くだろう。しかしこれが落としどころといえる。
 この間、この騒ぎで儲かった方々は誰だったのか? 案外地元紙と本土のメディア、この問題の「著作」を出して食っていたその手の先生方だったりして。


 ところで辺野古や徳之島にも土地を買っていたといわれる先見の明ある小沢さんが、民主党の執行部批判をして「小沢おろし」をたくらんだ?生方副幹事長を解任した。
 民主党幹部の誰もが「首に鈴をつけられず」幹事長自ら解任したというから「民主」党という看板が泣こう。いっそ「非民主党」に改めたらどうだろう?


 その「非民主党」を支える「連合」に、日教組交通遺児らの支援を行う「あしなが育英会」などに寄付するとして「子供カンパ名目」で集めた寄付金の6割近くを占める1億円を寄付していたという。何のことはない、教育にかかわる「団体」や子供を指導する立場の先生方が子供達を騙して金を召し上げていたのである。
 そして騙した金を小沢氏率いる「非民主党」に献金していたというのだから、子供達が不良少年になるはずである。
 この党の代表を務める鳩山首相は「おかあさん」から月々1500万ものお小遣いをもらい(最近納税したらしいが)、幹事長は日教組が子供を騙してカンパさせたお金を召し上げた一億円をもらう。
 そして公約だと称して「こども手当て」「高校無償化」等、われわれ国民が真面目に収めた税金をばら撒き、人気取りをして次期選挙で勝って独裁制を固めようとする。今まで自民党と手を組んでうまい汁を吸っていた公明党も、機を見るに敏、小判ザメのように与党に加わった。こんな日本政界のインチキがいつまでもまかり通ると思ったら大間違いだろう。

 殆ど不利だといわれていたドーハでのクロマグロ禁止提案が、大方の予想裏切って大差で逆転したのと同様、次回選挙で有権者も目を覚ますだろう。
 政権をとったは良いが、言論の自由がこれほど束縛され、ストレスと鬱憤が溜まった政党は日本憲政史上極めてまれ。 独裁国として代表格であるナチスドイツでは、ロンメル元帥らによるヒトラー暗殺計画が浮上した例がある。
 もっともこれは失敗してヒトラー九死に一生を得たが、これで猜疑心が増した彼は墓穴を掘った。
 1953年3月、ソ連スターリン首相が死去したが、これにも暗殺説がついてまわる。
 自由と民主主義が定着した「命を大切にする」今のわが国では考えられないことだろうが、そんな日本で、北朝鮮並みの“粛清”がまかり通るようでは、「執行部は何で火に(解任という)ガソリンを注ぐようなことをするんだ?いろいろな動きが出てくるぞ」と「小沢氏に批判的な中堅はほくそ笑んだ」と今朝の産経一面にあるのが気にかかる。


 自民党には「坂本龍馬」気取りの離脱者が出た。さて、今度は「非民主党」の番だが、ドーハで活躍した「官僚たち」の支援を排除するこの政府に希望はあるのかどうか、桜の時期に向けて一段と面白くなってきた。

≪今朝の産経新聞から≫

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