軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

東北がんばれ!

連日TVの前で、現地情報を見ているだけの無力な自分が情けない。
しかし、三沢で通算3年間、松島(現東松島市)で2年間過ごし、多くの方々のお世話になった私は東北人らしい穏やかな被災地の皆さんの姿に頭が下がる。
福島の親類や墓の状況も気になるが、紙一重で生死を分けた方々の姿には、涙が止まらない。行方不明の方々が一人でも多く救助されることを祈りたい。


福島原発停止で関東地区は停電が予定されている。ろうそくやカセットボンベなどを準備し、戦時中の「灯火管制」を思い出しているが、なんと、都心では通勤時間帯の電車が運航停止で大混雑だという。しかも、“計画”停電が実施見合わせになったなどという情報が混乱に拍車をかけている。
私のような年金生活者は自宅で事態を見守るだけで済むが、現役通勤者はじめ現業者はたまらないだろう。有事に情報の混乱は当然避けられないが、それにしても振幅が大きすぎるのではないか?



ところで今回の震災で次のようなことを学んだ。

1、いまだに電力の周波数が不統一だったことに驚いた。現役時代、富士川以北は50ヘルツ、西は60ヘルツだったから、異動の度に電化製品を買い替えたり、切り替え装置を買っていた。そのうちに製品個体に「50/60サイクル切り替え装置」が付いたのでいちいち買い替える必要がなくなり、便利になったと感謝したものだが、電力本体は変わっていなかったことを今頃知った。そんなわけで西日本の余剰電力を東に流すのが困難だという。根本的見直しが必要だろう。


2、節電が政府から要望された昨晩から周辺の明かりが急に暗くなった。むしろ街灯などの明かりの方が逆に目立つようになったのは、市民が自主的に節電しているからだろう。私も万全とはいかぬまでも節電しているが、窓から見える範囲の家庭の灯は非常に少なくなった。日本人の美点だろうと嬉しくなる。国民はしっかり事の重大さをとらえている。
欲を言えば、このように祝日に日の丸を挙げてほしいものだが…


3、立川の陸自ヘリも上空を飛ばなくなった。今日は早朝から海兵隊と思われるヘリが相当東に飛んで行った。多分被災地に向かうのであろう。
空母「レーガン」はじめ、多くの米艦艇群が救援活動に入っている。今まで日米関係をいろいろ批判されながらも、現場では協力体制をとり続けてきたことが実を結びつつあるようで頼もしい。極東有事の際の日米共同対処も多分うまくいくだろう。
日米安保の有効性が問われていた時であったから、今回のオバマ大統領の決断は非常に意義があったように思うが、それは別として今日からの救援活動に成果があるよう期待したい。


4、福島原発問題は、現場の努力で何とか持ちこたえているようだが、ぜひ成功させてもらいたい。
耐震基準は十分満たしていたということだが、頑強な戦闘機でもボルト一本の脱落で本体は破壊される。原子炉本体の耐震基準は当然だとしても、連結されている予備発や各種パイプ類など、耐震基準通りにいかないものの集合体だろうから、総合的見地から耐震基準を定めるべきだろう。


5、世界の大地震記録は、1960年のチリ地震=M9・5、1964年の米、アラスカ地震=9・2、2004年のスマトラ沖地震=9・1に次いで今回は4位という大規模なものだったという。現実の最大規模M9・5がある以上総合的に見てM10×安全係数以上に耐えられる構造が必要ではなかろうか?
もちろん素人考えに過ぎず、専門家にお任せする以外にないが、今回の機能停止に学んで全国の原発の安全性を確認する必要がある。
被爆国日本の国民は「安全です、安全です」といえば言うほど疑心暗鬼に陥りやすいから、放射性元素の単位の説明も、1557・5マイクロシーベルトなどというだけではなく「レントゲン写真何枚撮る程度の放射線程度です」などと具体的に表現する工夫が欲しいものである。


6、情報途絶地区に対する「広報」としては、企業が宣伝するような上空からスピーカーで放送する軽飛行機を飛ばすのもいいし、飛行船も一法であろう。
TVで誰かが発言していたが、宣伝ビラのように「新聞号外版」などを上空からまくのもよかろう。出来たら新聞・TV各社のレポーターが、号外印刷物などを持って現地に乗り込めばいい。ついでに赤ちゃん用のミルクやおむつも多少持ち込んだらどうだろう。
松島基地時代の多くの友人と連絡が取れず、連日TVにかじりついて被災者の方々の中に無事な顔を探しているのだが、被災現場写真、一部の方の体験談もいいが、できたら避難場所に避難している方々の「お顔」を写して、親族にひと言伝えるサービスもマスコミに期待したい。


今、当地方の計画停電はキャンセル…という有線放送があった。
今日からが本格的活動になるだろう。ライフラインが復旧し、一日も早く給食、衛生状況が改善されるよう期待したい。


被災者の皆さん、あと一頑張りです。一日も早く通常生活に入ることができる様に祈っています。

「ユーチューブ」に「台湾の若者から届いた「手のひらの祈り」 震災後の日本に捧げる=台湾」が出ています。ありがたいことです。ご覧ください。