軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

外交は相互主義で

相互主義とは、「.外交や通商などにおいて、相手国の自国に対する待遇と同様の待遇を相手国に対して付与しようとする考え方」であり「互恵主義」ともいわれる。
今回、自民党の3議員が、鬱陵島訪問を韓国政府によって拒否されたことは、その意味で外交の基本に反する重大な問題である。

≪入国を拒否された3議員=産経から≫

日本政府はこれをどう取り扱うか大変興味があるが、多分、口先だけで「遺憾である!厳重に抗議する」とかなんとか取り繕って終わるだろう。何故か?
外交の裏付けになる「軍事力」を行使する気がないから、相手になめられているのである。不法占領されたままの北方領土初め、いたるところで問題になっている領土問題を「放置」した「法治国家」だから、大国とは名ばかりの軍事的弱小国を相手にするのは、弱い“犬”ほど快感を覚えるからだ。
尖閣での漁船体当たり事件初め、わが政府が過去にとってきた領土紛争事件を整理してみるがよい。その弱腰ぶりは歴然としていて、とても国家の体をなしてはいない。だから韓国からも≪小馬鹿≫にされるのである。
これほどの屈辱を味わいながら、友好を大事にしたいとか、日本は日本人だけのものではない、などと言う無責任極まる発言をする政治屋がいて、世界基準で見れば【明らかに国家反逆罪】相当なのだが、日本ではマスコミ初めだれも問題にしない。だから彼らはのうのうと無責任行動に走っている。

一度この方のおうちに侵入した泥棒に≪この家の財産はあなただけのものではない≫と言ってほしいものである!


外交は相互主義、今回の入国拒否に対しては、わが国もこれと同等なお返しをするべきだろう。「目には目を!」とは言わぬまでも、今後の“友好”のためにもあいまいにすることは決して問題解決にはならない。断固たる対処を望みたい。


戦後、日本人がこれら特定アジア諸国に対応するとき、どれほど腰が引けているか、つまりいかに「お人よし」か「世間知らず」かを思い知らされたことがある。

10年ほど前、ある会合で韓国の政治ジャーナリストが、「皆さんは韓日友好が本当に成り立つと思いますか?」と我々に質問した。
ほとんどの日本側有識者は“建前上?”「もちろん」「そうでなければならない」などと答えたが、彼は「絶対にそれはありません」と”絶対”を強調して答えた。「なぜか?」といぶかる日本側有識者に対して彼は「日帝の支配36年、米帝の支配50年、大陸の支配1000年、我々の血の中には大陸に対する恐怖が流れているから、日帝米帝の一時的支配なんぞ微々たるもの…」と答えた。
そしてその口ぶりからは「しかし支配?されたことは屈辱…」という感覚が垣間見えた。今回の事件もその延長だろうと思う。


次の写真がこの国の実情をリアルに表現していると私は思っている。つまり「強者には媚びるが弱者には威張る」という…。
彼・李承晩大統領こそ、竹島問題を生じさせた張本人なのだが。

マッカーサーと李承晩=記録集から≫


それはさておき、入国拒否の翌日の2日朝、鬱陵島に渡って取材した産経の加藤達也記者のレポートが一面に出ているので、他紙をご覧の方々のためにご紹介しておこう。


≪行きの船が出る浦項港は混雑していた。レジャー用品を手にした家族連れの一方、軍服に韓国旗のはちまき姿の初老の集団が目立った。

 島へ渡る日本人の身分確認は厳重だ。券売窓口では職員が大声で上司を呼ぶ。パスポート内容をすべて書き取り発券。改札口では係員が「日本人だ」と警察官を呼び個室に誘導。既に日本人2人が訪問目的を聞かれていた。「記者で入島目的は取材」と答えたが、出港時刻は過ぎていた。

 「もう船が出るから」との係官の声で乗船は認められた。竹島研究者の下條正男拓殖大教授のような議員の同行者をあぶり出すことが目的だったようだ≫


現役時代の昭和50年代に韓国を訪問した時、入国管理で日本人の「カップル」の女性がスーツケースを開けて下着を一枚ずつ検査台に並べられ、夫?が口出しすると係官に怒鳴られた。その係官は卑猥な表情をして取り巻く同僚たちに何か言うと、連中はくぐもった笑い声で応じていた光景がいまだに焼き付いている。
こんな国に「新婚旅行?」に来る方がどうかしていると思ったが、今回のレポートを読んできっとそんな光景だろうと理解できた。

それでもNHKなどTV業界は≪韓流ブーム≫だというから異常だとしか思えない。日韓友好に寄与しているつもりだろうか?それともこのTV会社も≪外国系ディレクター≫で占められているのだろうか?

鬱陵島のデモ隊=産経から≫


鬱陵島は韓国東岸から最短距離で約130キロの日本海に浮かぶ。浦項から217キロの航路を高速フェリーで3時間。到着すると、狭い港湾施設で異様な熱気が待っていた。一帯を包む“愛国・反日”の熱気のもとは軍服姿の集団だった。

 入国を求める議員3人が1日、韓国当局と協議している間、金浦空港で議員らの顔写真を燃やした人々だ。ソウルの日本大使館周辺での過激反日デモで有名という。彼らは鬱陵島で2日に韓国閣僚を招いて開かれた集会でも気を吐いた。竹島周遊の遊覧船に乗る際も、警察官がいるのに手荷物検査さえ受けなかった。

 港湾関係者に「火を放ったりする過激な人々をなぜ船に乗せ、島に渡らせたのか」と聞くと「何が危険なのか分からない。韓国人が韓国のどこに行こうと自由だ」と言う。

観光で成り立つ島の目玉は“独島”だ。竹島周遊船の起点港であり、「独島は韓国領」を証明する資料を集めた「独島博物館」もある。日本の議員3人は、その韓国側の言い分の根拠を理解しようと博物館を訪れようとした。

 同館は日本統治からの解放50年を記念し1995年、サムスン文化財団が建設。館によると「日本の独島領有権主張に反論できる資料と理論の土台を築き、同時に国民の領土意識と民族意識の鼓吹を目的としている」という。敷地内には竹島だけでなく「対馬は元わが国の地」という碑文もあり、子供など来館者の多くが熱心に読んでいた。

≪對馬も韓国領?=産経から≫


 島では数カ所に日本の国会議員の訪問計画を非難する横断幕が掲げられていた。中には「日本政治家! 来たら謝罪と反省の意味で来い、あなた達にバナナを提供する(サルにエサをやる−の意とみられる)」と、わざわざバナナのイラストを添えた理解に苦しむ日本語もあった。

 訪問計画について港でイカ丸干し焼きを売っていた60歳代の女性は「独島は韓国領。日本がいきなり自分のものだという理由がさっぱり分からない」と話した。また、食堂を営む50歳代の女性は、島での集会で閣僚が激しく対日非難をする演説を伝えるテレビニュースを前に拳を振り上げ、「そうだそうだ」と力んだ。ただ、島民には日本人を「好きでも嫌いでもない」という声もあった≫


こんな事例を「ばかばかしい」と無視していると、南京大虐殺同様事実認定されてしまうと思うが、韓首相、オッと失礼菅総理、放置していていいんですか?


外交は相互主義、これ以上舐められていると、足元から“ジャスミン革命”が起きるかもしれませんぞ、中国のように!


ところで産経8面左端に「反日団体、旧満州開拓団慰霊碑にペンキ」という短信(共同電)がある。

現地に詳しい方が、この石碑は、2006年に日本からの投資、会社誘致、観光客誘致のために、県政府が70万元を出資して建立したもので、今ネット上で「必要があるのか?」とか「むしろ建てるべきは日本軍の極悪非道ぶりを記憶するための記念碑だろう…」などと民族の恥だ!という騒ぎになっているという。
犯人の漢人?は、尖閣問題に反対する保釣協会所属の作家?らで、飛天燕子、梁智、五百、韓忠、湘軍というペンネームの5人だという。
彼は「おそらくこの5人は北京に帰ると宣伝部から“英雄”扱いされるだろう」「それは完全に報道統制を敷いている『放射能汚染問題』の隠ぺいになるからだ」といい、「四川省地震では、核施設に被害が出たというのが現地の専らの噂だが言論は封殺された。しかし政府は今回も見事に隠ぺいできるかどうか?高速列車事故報道を注目しておいてほしい」というのだが、いよいよ大陸にも“ジャスミン革命”が近づいたか?

≪巨大な岩盤が崩れ落ちた山岳地帯=地下には武器貯蔵庫か?:インターネットから≫

≪四川地震で行動する軍隊=福島原発にそっくり!:インターネットから)≫


北朝鮮情勢も予断を許さない。金正日死亡説もまたぞろ流れている。台風9号がこの一帯の穢れを一掃してくれるとよいのだが…

いずれにせよ菅政権には、わが国は国際的にはロシア、韓国とは領土をめぐる≪紛争当事国≫の関係にあることを忘れないでほしい。

吠える子犬はまだしも、吠え方を忘れた犬は、いくら図体がでかくても役立たずで始末に負えないことは確かだから。

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