軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

66年目の降伏調印の日

今朝の産経14、5面に、一面見開きのマッカーサー厚木進駐時の写真が出ていた。勿論記事ではなく宝島社の「広告?」で「いい国つくろう、何度でも」という簡潔な文字がいい!


野田新内閣編成、台風12号などのニュースで国民は忘れていただろうが、今日9月2日はミズーリ号艦上で、連合国に降伏調印した屈辱の日である。それを宝島社は思い起こさせてくれた。

≪今朝の産経から≫

≪日録20世紀=講談社から≫

8月30日午後2時5分、マッカーサーは厚木飛行場に降り立った。そして9月2日には東京湾上の戦艦ミズーリ号艦上での降伏調印式に臨んだのである。

開戦直後にフィリピンから追い出され、コレヒドール島から魚雷艇で家族ともども豪州に脱出した彼は「アイシャルリターン」と虚勢を張ったが、この日日本本土に降り立った感慨はいかばかりだったことか。

この日を迎えるために、河辺虎四郎中将以下降伏全権団はマニラに招集されたが、木更津を発進した海軍の1式陸攻は白色の機体にミドリ十字マークをつけて沖縄の伊江島に向かい、C-54に乗り継いでマニラへ向かい徹夜の交渉をした。
帰路は伊江島を発進した陸攻の燃料が欠乏して、深夜の天竜川河口に不時着し九死に一生を得て帰還した。
この経緯については、先日靖国会館で「終戦秘話」としてご紹介したところである。

≪沖縄に向かうミドリ十字機≫

その後マッカーサーは、日本の戦争は「侵略戦争ではなく自衛戦だった」と議会で発言したが、そのころの日本人の精神年齢は「12歳だ」とも言った。

さて、66年たった今の日本の政界人を見たら、彼は何歳だと表現することだろう?

今日の正論欄で、岡崎元タイ大使は「国家を玩具にした時代の終わり」として、「野田新政権に期待したい」と書き出している。
≪これで日本政治に立ち込めていた霧が一挙に晴れると期待できるほどそう甘いものではない≫ことを知った上での発言だが、少なくとも民主党という未成熟なゲバ学生集団の“無礼講”で、反体制リベラルの主張を出すだけ出し尽くし、すべてに挫折した。
少なくとも『反米、新アジアなどという、最も幼稚な戦後リベラル的発想を試みて、その非現実性について教訓を学んだということ』であり、巷に漂う感想は、『日本という国を素人の生体実験に供したような鳩山、菅時代がやっと終わったという安堵の声である』と結んだ。

野田新政権の実力は不明だが、閣僚人事を見る限りにおいて、人材不足は極まれりの観があり、このレベルの内政・外交では、諸外国から見下されること間違いなかろうと思う。しかし、弾がなければ「空砲」で戦う以外にない。
異様な党内人事も≪毒を以て毒を制する≫配慮を感じないでもないが、「たまに撃つ、弾がないのが、玉に傷」を体験してきた身からすると、あまり成果が得られそうにないような気がする…
下手をすると浅間山荘に立てこもった連合赤軍並みの、凄惨な内ゲバが復活するやもしれない。その時こそ機動隊による平定が必要になるのだろう…


マッカーサーが生きていたら多分「6歳児」へと退化した日本人を見て、占領政策の成果あり!とみるか、予想外だったと落胆するか…


今回の台風12号も、震災地をうまく避けてくれたようだ。しかしいつまでも天佑が続くとは限らない。何はともあれ、野田総理には「全力で」被災地復興に取り組んでもらいたいと思う。


今日は面白い中国情報も入っているが、いずれ内部崩壊が始まるだろうから、まとめて書くのもいいかもしれない。
そこでわが相棒の井上和彦キャスターの新著をご紹介しておくにとどめる。
7日以降になると、私の新著「日本の空を誰が守るのか(双葉新書)」も店頭に並ぶだろうから、次は自己宣伝することにしたい!


井上和彦著≫

私は魔境に生きた 終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年 (光人社NF文庫)

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アレン・ダレス 原爆・天皇制・終戦をめぐる暗闘

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おじいちゃん戦争のことを教えて―孫娘からの質問状 (小学館文庫)

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満洲の情報基地ハルビン学院

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敵国日本―太平洋戦争時、アメリカは日本をどう見たか? (刀水歴史全書)

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金正日は日本人だった

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